わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

August 22, 2006
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カテゴリ: 映画の話
■1972年のミュンヘンオリンピック村でのパレスチナゲリラによるイスラエル選手団殺害事件とイスラエル側による報復を描いたドキュメンタリー風ドラマ。

国家への忠節や報復の是非、家族への愛情などを、一方的な価値観からではなく多層的に提示する。

■監督はスティーブン・スピルバーグ。

暗鬱な話をいかにもスピルバーグらしいテンポとモンタージュで描いた力作である。ただし、問題の掘り下げはいつもの通り中途半端である。

高度な映画技術とテーマの深刻さがかみ合っていない。相変らず甘い。

■当初、国家への忠節を動機として疑わなかった主人公が、暗殺を重ねるうちに疑心暗鬼になっていく。誰が敵か、誰が味方かが判然としない状況。忠節を誓った国家でさえ怪しくなってくる。同時に主人公には正義というものが分からなくなっていく。

映画の志は高い。悪い映画かと言われれば、そうではない。いい映画だと答えなければならないレベルである。ただ、人に勧めるほどの映画とも言えない。「シンドラーのリスト」や「プライベート・ライアン」と同じである。

■これは何なんだろう?やはりスピルバーグの限界なのだろうか。

例えば、コッポラの「地獄の黙示録」は、完成度の低い映画ではあったが、これは見ておかなければならないというただならぬ迫力を持っていた。コッポラの執念と苦悩が映画に乗り移っていた。



■今や何でも好きなことができる立場になったスピルバーグであるのに。。。残念。

スピルバーグが少年の頃、映画の神様に「私に映画の才能をください」と祈ったところ、神様は「もうキューブリックにあげてしまったからダメだ」と言ったという。(昔よく聞いたハリウッド・ジョークです)

キューブリックが死んだ今、そろそろスピルバーグにあげてもいいんじゃないか?神様。

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Last updated  August 22, 2006 11:54:19 PM
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