わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

February 10, 2009
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カテゴリ: 小説の話


「なんになりたいの?ばち当たりな言葉はよしてよ」

「君、あの歌知ってるだろう『ライ麦畑でつかまえて』っていうの。僕のなりたい――」

「それは『ライ麦畑で会うならば』っていうのよ!」とフィービーは言った。

「あれは詩なのよ。ロバート・バーンズの」

「それは知ってるさ、ロバート・バーンズの詩だということは」

 それにしても、彼女の言う通りなんだ。「ライ麦畑で会うならば」が本当なんだ。ところが僕は、そのときはまだ知らなかったんだよ。

「僕はまた『つかまえて』だと思ってた」と、僕は言った。「とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしてるとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない――誰もって大人(おとな)はだよ――僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖(がけ)のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ――つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっからか、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ」


ライ麦畑でつかまえて





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Last updated  February 11, 2009 11:14:17 AM
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