わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

June 14, 2009
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カテゴリ: 映画の話
■1971年公開のフランス映画です。

監督はフランソワ・トリュフォー。ヌーベルバーグの旗手と言われた名監督です。

代表作は「大人はわかってくれない」「突然、炎のごとく」「終電車」といったところでしょうか。

癖のある作風で、好き嫌いが分かれる監督ですが、上の3作は文句無く名作です。

■「恋のエチュード」は公開時、酷評されて、興行的には失敗したようです。

理由も分かります。

思わせぶりなシーンが多い割りに、物語が平板でメリハリに欠ける。。。

1961年に公開され監督の名声を高めた「突然、炎のごとく」とは原作者が同じこともあり、似たテーマを扱った作品ですが、前者が悲劇的な内容にも関わらず、まるで飛翔するような軽やかな作風で爽やかな印象を持っているのに比べ、この作品は、落ち着いた重厚さを意識しているので、どちらかというとウェットで哀愁を感じさせます。

トリュフォータッチと言われる軽い流れるようなノリが好きな人には裏切られた感があるかも知れません。



この映画の哀愁を帯びた雰囲気も、トリュフォーらしさだと感じます。

■物語は、フランス人の男性とイギリス人姉妹の四半世紀に渡る三角関係を描いたものです。優柔不断な男性の苦悩と奔放で美しい女性に対する賛美は、この監督が繰り返し描いたテーマです。

「突然、炎のごとく」で見られたデリケートな心理描写はあまり見られず、どちらかというと淡々と客観的な描写が目立ちます。

落ち着いたシーンとつなぎのシーンのゆったり流れるようなテンポが、この映画の持ち味でしょう。

時折はさまれるナレーションは、朗読と言ってもいいぐらい豊穣で、文学作品を聞いたような上品な余韻を残します。

この映画の流れるような一定のリズムが心地よい。いつまでも終わらないようで、この男性の人生を共に生きているような気にさせます。

私は、この映画も、トリュフォータッチの究極形だと思うのですが、いかがでしょうか。

■音楽はジョルジュ・ドルリュー。公開時は「トリュフォーの画がついたドルリューの音楽作品」と言われたそうですが、確かに素晴らしい。

もともとトリュフォーの映画は、音楽的と言われていますが、この映画は特に音楽との融和を感じます。

■この映画のラスト。初老になった男があてもなく女性の姿を探し続けるシーンが胸を締め付けます。

女性が決断して去っていき、男性がいつまでも未練を持ち続けるという悲喜劇にトリュフォーは何を託したのでしょうか。



感傷の中にあるその痛みをこの映画は捉えているのです。

忘れ得ない映画です。

■それにしても「突然、炎のごとく」では無理心中に終わり、「恋のエチュード」では三人ともの別離に終わった三角関係が、「終電車」では楽しげに成就するのですから、この監督の同テーマに対するこだわりは相当のものだったのでしょうね。

恋のエチュード





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Last updated  June 10, 2014 06:48:33 AM
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