わたしは価値を創る

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December 23, 2010
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カテゴリ: 映画の話
チェイサー



なんとも凄まじい迫力に満ちた映画です。

■映画の分類でいえば「サイコ・スリラー」になるのかな。

感情移入不可能な異常犯罪者とそれを追う男(追跡者:チェイサー)をテーマにしています。

■この犯罪者は、風俗嬢を中心に十数人を殺して家の庭に埋めていたというとんでもないやつです。

ところが見た目は、優男で、まともそう。だからなのか、警察に嫌疑をかけられながらも、証拠不十分で逃れてきました。

警察も、行方不明者が風俗嬢ばかりなので、まともに捜査しようという気が薄いらしい。

■それを追うのが、風俗店の店長をやっている男です。自分の店の女性が二人も行方不明になったので、商品か金を取り返そうと躍起になっています。

この男、元刑事なので、身体も頑強だし、ガラが悪い。犯人よりもよほど悪いやつに見えます。店の女性からも「ゴミ」と呼ばれています。



■ある意味、追跡者はわかり易い人物です。しかし、犯罪者の方は得体が知れず不気味です。薄笑いを浮かべながら「女を12人ぐらい殺しました」と平然と供述します。

ところが、曖昧な供述に終始し、物証がない。家もわからない。しかも、ボコボコに殴られて傷だらけです。

厄介を恐れた警察上層部は、またもや犯人を釈放してしまいます。

しかし、何とも恐ろしいことに、犯罪者の家では、まだ生きている風俗嬢が監禁されていたのです。

■この映画には、負のエネルギーといったものが充満しています。

風俗店で生きる非情な男たち。搾取されながらもしたたかに生きる女。権力闘争や派閥争いに熱中する警察。

どこをとっても救いがなく、気が滅入ります。

しかし、彼らのそれでも生きようとするエネルギーが、異様な迫力を生んでいます。

彼らはそれぞれが肉食動物のように、ぶつかり合い、ののしりあい、殴りあって、正当性を主張しあいます。黙って食われる者などいません。

ところが、そんな連中がまともに思えるほど犯人は異常です。必死で生きていることをあざ笑うかのように、自分の日々の欲望のために簡単に人を殺すわけですから。

この映画の魅力は、その突き抜けたような負のエネルギーの迫力です。



■しかし、風俗嬢の残した幼い娘の存在が、追跡者に人間的な気持ちを呼び起こします。

幼い娘を助けようと変心する追跡者に、我々観客も感情移入をしやすいようになっています。

この展開はわかり易いとも言えるし、メロドラマっぽくなってしまったと言えるかも知れないですね。

■ラストがどうなるのかは言わないでおきましょう。

でも、この映画、実在の事件を題材にしているそうですよ。






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Last updated  June 10, 2014 06:38:53 AM
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