わたしは価値を創る

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December 23, 2010
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カテゴリ: 映画の話
殺人の追憶

チェイサー 」に続いて観てしまいました。やはり、韓国映画恐るべし!こちらも、重厚な犯罪映画です。

実際にあった未解決事件を題材にしています。だから、最後まで犯人が捕まりません。なんともやるせない印象を残してくれます。

未解決事件を扱った映画には「 ゾデアック 」という面白い映画がありましたが、今回の映画は、それを凌いでいます。それぐらい面白かった。

■軍事政権下の韓国。郊外の町で、猟奇的な連続殺人事件が起こります。雨の日に赤い服を着た女ばかりが襲われて、縛られた上に絞殺されてしまいます。

主人公は、それを担当する刑事です。相当いい加減なやつで、思いつきで容疑者を捕まえては、証拠をでっち上げて、拷問して自白を迫ります。そういう時代だったということでしょうか。

■そこへソウルからエリート然とした刑事がやってきます。見るからにハンサムで、知的で、主人公の捜査手法を批判的に見ています。

彼は、論理的な思考で、犯罪のパターンを分析し、犯人に近づいていきます。その捜査過程がスリリングなのですが、最も怪しい人物に行き当たります。



(以降、ネタバレです。注意してください)

■この映画が面白いのは、韓国の暗い時代の雰囲気を色濃く感じさせるところです。

軍事政権下で人々は抑圧されています。軍事演習という名目で灯火規制が敷かれています。それでなくても、農村の人々の暮らしぶりは苦しいようです。

警察も市民生活を守るというよりは、政権を守ることの方に力を向けています。だから、せっかくの犯人逮捕のチャンスにも、機動隊が出動できなかったりします。

■八方ふさがりとなったエリート刑事は「拷問して自白させよう」と口走るようになります。容疑者を殺そうとして、主人公に止められるシーンまであります。

いつしか、彼らの姿勢は逆転してしまったのです。

どうしようもない現実に直面した彼らの言動が、韓国の歴史の暗黒部分を感じさせます。

■この映画のミソは、古いタイプの刑事を主人公にしたことでしょう。

ラストシーンで、彼は、刑事を辞めて家庭用品のセールスマンになっています。ネクタイをして、メガネをかけて、なにやら知的な風貌です。

彼は久しぶりに殺人の現場を訪れます。死体が発見された用水路を覗き込むのですが、このシーンはファーストシーンと重なります。もっともファーストシーンでは、死体を見るのですが、ラストでは向こう側が見えるのみです。

主人公の行動を見た近所の子供が、彼にあることを告げます。その言葉を聞いた主人公のアップで映画は終わります。



映画としては、単純に犯人が捕まるよりも、こちらの方がずっといいですね。

実に面白かった。





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Last updated  June 10, 2014 06:30:28 AM
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