わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

October 1, 2012
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カテゴリ: 小説の話
ネタバレあり。

■アレクサンドル・デュマ作の大長編です。岩波文庫で全7冊。

日本では「岩窟王」の名前で親しまれています。

筒井康隆が「一冊だけ持って行ってもいいといわれたら、この一冊」と言ったとか。

世界的な評価では、世界で最も面白い小説だといわれています。

■その評価に違わず、一気読みできます。娯楽作品のお手本みたいな小説ですね。

物語は、無実の罪で投獄された若い船乗りが、命からがら脱獄し、莫大な財産を得る身になって、自分を陥れた者たちに復讐していくというもの。

自分を陥れた者たちが、どういうわけか皆、成功者になっていたり、主人公の変装に敵が全く気付かなかったり、ご都合主義の部分は多々あるものの、復讐という普遍的なテーマで、読ませます。

それというのも、この小説、主人公に強く感情移入できるように書かれています。そこがうまい。



ところが、彼が陥れられるのは、彼が出世することへの同僚の嫉妬、彼の婚約者へ横恋慕する男の嫉妬、自分の身を守りたい男の利己心などからです。

そんなくだらないことで、十数年も投獄されてしまう主人公の辛苦を思うと、陰湿な復讐にも胸をすくようなカタルシスを覚えるようになってしまいます。

■そういえば、この小説、ジェフリー・アーチャーの「誇りと復讐」にそっくりです。

いや、逆です。ジェフリー・アーチャーが、この小説を参考にしたわけですね。

しかも、アーチャー作品の方が、ストーリー展開がうまい^^

「モンテクリスト伯」の弱点は、敵があまりにも間抜けなこと。

主人公の独創的な復讐計画が彼らを追い詰めていく様は面白いのですが、あまりにも簡単にやられてしまう。

少しは企みに気づいて、反撃しろよ!と言いたくなります。

その点、「誇りと復讐」では、主人公は敵の罠に再び落ちて、絶体絶命のピンチに立たされます。

娯楽作品はこうでなくちゃ。

■とはいいながら一気読み小説であることは間違いありません。



モンテクリスト伯.jpg





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Last updated  October 6, 2012 08:59:13 PM
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