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rose_chocolat @ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2006.12.20
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テーマ: 本日の1冊(3797)




「どんなにうまくいっているように見える人だって、
ちゃらちゃらとすかして歩いている人だって、
誰もが埋められない隙間みたいなものを持って生きている。

みんな寂しいのよ。
可奈にはそれがわかるし、それに可奈だって何だかいつも寂しい。」









2002年に吉川英治文学新人賞を受賞した、 パイロットフィッシュ です。




パイロットフィッシュとは、熱帯魚の一種。
アロワナなどの高級魚は神経質で弱いから、その魚を飼うときは、
あらかじめ水槽にパイロットフィッシュを入れて、水を作っておく。
水が出来上がった頃を見計らって本命の魚を入れ、
パイロットフィッシュは捨てられる。


学生の時に出会った山崎隆二と川上由希子。
彼らの出会いにもまた、渡辺というパイロットフィッシュが存在した。


渡辺が大韓航空機とともに海の藻屑と消えたと同時に、
彼らの関係にもまた、終止符が打たれる。


自分の回りの生態系が狂い始めたとき、
それを黙って享受していくのか、それともそこから抜けていくのか。
自分は抜けたように思っても、実際に抜け出していたのは相手の方かもしれない。


別れてから別々の時間を過ごしていても、
記憶を呼び覚ますことができる限り、
その人間とも一緒にあり続けることができる。


自分と相手の間に存在する、どうしようもない隙間を埋めていけるのは、
きっと過去の記憶が自分の背中を押してくれているからなのだろう。







この小説の中にも実にたくさんの比喩があった。
それが最後に集約していく様がやっぱりすごいと思う。


中でも、「スウェーデン国内ではボルボに次ぐといわれるくらいの莫大な外貨を稼いでいた、
4人組のロックバンド」の話には、
人間の業のようなものを感じた。


限られた枠組みの中で、ぐるぐると回っているのは、
熱帯魚も人間も同じなのかもしれない。


願わくばその中で、
寂しい思いをすることがありませんように。












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Last updated  2006.12.21 10:59:05
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