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2006年03月01日
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カテゴリ: 雑記
2/28に参加したフォーラムのレポートの続きです。

今回は、松井孝典氏の講演です。

ご存知の方も多いと思いますが、松本氏は現在東京大学大学院新領域創成科学研究科教授でいらっしゃいます。1986年に科学誌「Nature」に「水惑星の理論」を発表し、世界の地球科学者から注目を集めた、日本の惑星科学の第一人者です。⇒参考: Wikipedia

そして、石原都知事の例の発言でも有名なようですね…

でも、なぜあの松井氏が「地産地消」を語るのだろう?と訝しく思われる方も多いかもしれません。地球科学規模で「地産地消」とは?
しかし、実に面白い切り口で「地産地消」について述懐して頂きました。こちらも非常に興味深いお話で、哲学の域にまで達しているのではと思うような、独特の観点でした。

以下に、氏のご講和の内容をかいつまんでご紹介いたします。
ですが、氏の論理に詳しい方から見ると、ちょっとディティールでは私の解釈が違っているかもしれません。
また、地球科学に詳しい方にとっては、氏の持論の繰り返しになる部分もあるかと思いますが、そのあたりはご容赦を。


・生物学的には人間は生物の一種だが、文明は生物圏とは別格。
・「人間圏」では、物質の循環スピードが非常に速く、モノの量が増えた。
・20世紀では4倍の速さになった。
・20世紀と同じスピードで進むと、人間の重さが地球の重さと同じ数値に到達するのにあと2千数百年。在り得ない。
・それぐらい早く、人間圏はモノを取り込んだ。生物圏の10万倍の速さ。
・20世紀は、速いから豊かになった。しかし不安定であり、いずれ破綻する。
・21世紀は同じ生き方をしていくことは出来ない。しっぺ返しを喰らう。
・資源エネルギー問題など。
・内部でモノの奪い合いが行われ、「お金では買えないもの」が出てくる。
・「お金」とは共同幻想だ。モノが不足する世界ではお金は意味が無い。
・現在の「グローバルスタンダード」とはアメリカのスタンダード。

・明治より前は、日本が特殊であった。しかし特殊が主張しても普遍には勝てない。
・「地産地消」というのは、まさにモノの循環スピードを遅くすること。
・日本人は江戸時代まではそういう生き方をしてきた。
 江戸時代が「フロー依存型」、現在は「ストック依存型」。
 フロー依存型は、地球と人間のスピードが同じ速さだった。

・この100年で環境問題がクローズアップ。
・今こそ、モノの循環速度をゆっくりにしよう!
・しかし、今のん世界では↑これは「特殊」であり、「特殊」が「普遍」に立ち向かうには相当な理論武装が必要である。
・モノの世界では「特殊」により価値を見出す。
 ex)特殊=ダイヤモンド、普遍=水や空気。
・その考えを改めなければならない。
・農耕牧畜を始めたときから「人間圏」の形成が始まった。
 cf. 狩猟採取=生物圏
 生物圏を飛び出して地球全体のエネルギーを利用するようになった。
 伐採、田畑、森林、水の流れ、日の当たり方を人工的に変える。
・なぜ人間圏の形成が始まったか?
 それは、気候システムが変わったから。氷期。10年で6℃の気温変動があった。
・人口増加、共同体の維持能力。言語を明瞭にすることによるコミュニケーションの発達。共同の概念、制度を持つ。
 こうして人間圏が出来上がった。
・現在の人間は「お金」という共同幻想に過ぎないものを信奉している。
・新たな共同幻想を作れるか。従来の価値観を覆し、地域や風土に根ざした生き方をする文化を構築していかなければ。新たな考え方に転換しなければならない時期である。
・それが「地産地消」。

「速さ」そして「人間圏」という考え方は、私にとっては目新しい視点でしたが、非常に面白く、納得の出来る観点だと思いました。しかし調べてみましたら、氏は相当前から提唱されているようですね。私の勉強不足でした。

そして、「スローライフ ※1 」「スローフード ※2 」が叫ばれる昨今ですが、まさに氏の考え方を継承するような風潮だと思いました。

そしてこういった「スローライフ」の考え方が、単なる一過性のブームに終わらせることなく、世の中の価値観の根本が大きく転換していけばいいなと思います。

私自身、愛知県から首都圏に移り住み、数年が経ちましたが、中京圏と首都圏のビジネススピードの違いをひしひしと感じています。
目まぐるしく変わる日々。変化する風景。どんどん先へ先へと歩く人々の流れ。それに追いつくだけで必死です。

でも、たまには立ち止まることも必要。いつもいつも全速力では、いずれ破綻する日も近いでしょう。
このまま生き急いで、どこに行き着くんでしょう。立ち止まって、周りを見回して、ゆっくり歩く時があってもいいじゃないかと思うのです。

目まぐるしく変わる世の中だからこそ、悲しいニュースが多い現代だからこそ、まず地に足の着いた食生活から自分自身を見直し、見つめなおすことが必要なんでしょうね。

※1 三重スローライフ協会 のサイトの「スローな生き方を考える【メッセージ】」に、考え方が集約されていると思います。
※2  スローフードは、1980年代にイタリアで生まれて世界に広まった「食を楽しむ」ことを念頭に置いた言葉です。こちらは Allabout Japan から色々なリンクを辿ることが出来ます。





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最終更新日  2006年03月02日 00時32分27秒
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