鉄の部屋

鉄の部屋

恋について




    一  くだらん男も恋をすれば、少なくとも今より立派になる。

    二  若者よ恋をしろ、身分やお金はないけれど、恋すりゃ希望が湧いてくる。

    三  恋を知るまでは、女子も未だ女子ならず、男子も未だ男子ならず、さらば

       恋は男女とも、人間の円熟味を増すために必要なものなり。

    四  男に惚れて、たとえ騙されたとしても、自分が好きになった男と共有した

       時間や過程を、ドキドキわくわくしながら生きたとすれば、結果は

       問題でない。

    五  男は目で恋をし、女は耳で恋に落ちる。

    六  男は常に女の初恋の人になろうとする。女は男の最後のロマンスに

       なろうとする。

    七  恋が始まったばかりの人、すでにお互いの気持ちを確かめあった人・・

       淡い恋、燃えるような恋、静かで穏やかな恋。いずれにしても、愛し

       愛されることによって、人は自分の人生を華やかに飾ることができる。

    八  恋する男たちは泥棒と同様、はじめは用心するが、次第に用心を忘れ、

       恋にとりつかれてしまう。

    九  恋はハシカと同じで、誰でも一度はかかる。

    十  恋は熱病のようなものである。それは意志とは関係なく生まれ、

       そして滅びる。  


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