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2022年12月05日
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カテゴリ: 百瀬 和己
こんにちは。
隔週月曜日、今日の担当は㈱耳目社の百瀬です。

11月28日、令和5年度の
南関東競馬の開催日程に併せて、
『全日本的なダート競走の体系整備について』
と題した、日本のダート競馬の競走体系の
大変革が発表されました。

詳細は​ こちら ​をご確認下さい。


今年6月に
『3歳ダート三冠競走を中心とした
2・3歳馬競走の体系整備について』
という発表があり、東京ダービーと羽田盃が
JpnⅠに格付けされ交流重賞となり、
『3歳ダート三冠競走の創設』
などが公表されましたが、

今回の発表では、
重賞競走の施行時期や新設の交流重賞について
より具体的なものが明らかになりました。

2歳、3歳の競走については
ある程度発表されていましたが、
更にさきたま杯のJpnⅠ昇格、川崎記念の施行時期変更、
TCK女王盃の兵庫県競馬移設など、

一度読んだだけでは、まるで頭に入ってこない程、
大規模な変更が行われるようです。


ここまで大規模な番組変更、
体系整備はこれまであったでしょうか!?


そして私自身この変革は、
地方競馬とJRAの本格的な交流がスタートし、
統一グレード(ダートグレード競走)が整備された、
1997年以来の大規模な見直し、
再整備と捉えています。


ここで今回は、
交流元年から体系整備が進んで、
1995年~1997年のダート重賞について、
『臨時増刊号Gallop』3年間の年鑑を資料に、
振り返りたいと思います。



(今回の資料。Gallop増刊号1995年~1997年)




〇1995年(平成7年度)

これまで中央地方の交流レースは、
JRAではジャパンカップやオールカマー、
地方では大井の帝王賞、北海道の
ブリーダーズゴールドカップ程度でした。


1995年、中央地方の交流が本格化。
JRAのGⅠ競走(当時の格付け)に指定の
トライアル競走で優先出走権を獲得すると、
地方所属のまま出走が可能になりました。

ライデンリーダー の牝馬クラシック挑戦は、
まさに 「交流元年」 の象徴的な出来事でした。


JRAでは前年の1994年に
フェブラリーSがGⅡに昇格。
さらに平安S、マーチSを新設し、
本格的なダート路線の整備が始まります。

地方競馬ではこれまでの交流2競走に加え、
下記の重賞が交流レースとして実施されました。


旭川… ブリーダーズゴールドカップ
水沢…マイルチャンピオンシップ南部杯
船橋…ダイオライト記念
大井…帝王賞、東京大賞典
川崎…エンプレス杯、川崎記念
名古屋…名古屋大賞典


交流元年はJRA勢の独壇場。
地方所属馬は1勝もできず。
ライブリマウントの活躍や、
ホクトベガの衝撃の18馬身差圧勝など、
地方勢には厳しい1年目となりました。



〇1996年(平成8年度)

JRAではNHKマイルカップ、
秋華賞の新設、高松宮杯のGⅠ昇格に伴う
距離変更など、大規模な番組改編を実施。

ダート路線についても、
これまでの5つのダート重賞に加え、
プロキオンS、武蔵野S、アンタレスS、
シーサイドS(現:エルムS)、ユニコーンS
の5競走が新設されました。


この年新たに開放、新設されたレースは
競馬場ごとに下記の通りです。

旭川…グランシャリオカップ(新設)
盛岡…ダービーグランプリ、クラスターカップ(新設)
高崎…群馬記念
浦和…浦和記念
船橋…かしわ記念
大井…スーパーダートダービー(新設)、東京盃
名古屋…名古屋優駿、東海菊花賞
佐賀…開設記念(現:佐賀記念)


この年のエポックメイキングな出来事は、
何と言ってもホクトベガの快進撃!
ダートに限れば 8戦8勝 (JRA競走含む)。
地方競馬の知名度向上にも、
一役かってくれたのではないでしょうか。


またJRAクラシックホースの
地方参戦も話題になりました。

その年の皐月賞馬・イシノサンデーが
船橋の名手・石崎隆之騎手を背に
盛岡ダービーグランプリを快勝!

JRA勢の積極的な地方参戦を促すと共に、
地方競馬にもJRAに負けない名手の存在を
アピールする結果になりました。



〇1997年(平成9年度)

この年の4月から
いよいよダートグレード競走がスタート!
地方競馬の交流重賞にGⅠ~GⅢの格付けが実施されます。


この年にGⅠに格付けされたのは

盛岡…ダービーグランプリ、マイルチャンピオンシップ南部杯
大井…帝王賞、東京大賞典
川崎…川崎記念


更に統一グレードに格付けされ、
交流重賞化されたレースが大幅に増加しました。

札幌…北海道スプリントカップ(新設)、北海道3歳優駿
水沢…マーキュリーカップ(新設)
浦和…さきたま杯(新設)
船橋…マリーンカップ(新設)、クイーン賞
大井…TCK女王盃(新設)
川崎…全日本3歳優駿
金沢…白山大賞典
笠松…オグリキャップ記念、全日本サラブレッドカップ
高知…黒船賞


過去2年、JRA勢の
後塵を拝してきた地方勢でしたが、
大一番・帝王賞は地方馬のワンツー!

地方馬の交流重賞連敗を止めた一戦、
コンサートボーイとアブクマポーロの追い比べは
今でもファンの語り草の一つになっています。

更にアブクマポーロはJRAの東海ウインターSを勝利。
翌年以降の快進撃に繋げる勝利を挙げました。


ちなみにこの年JRAでは、フェブラリーSがGⅠに、
東海ウインターSがGⅡに昇格しています。




今日は地方中央の交流元年・1995年から、
ダートグレード競走が始まった1997年までの
競走体系が整備される過程を振り返りました。


この後、2001年にはJBC競走がスタート。
2011年にはJBCレディスクラシックが創設され、
ダート重賞の体系化が一層進んでいきます。

その一方で競馬場の廃止や、
ダートグレードの返上など、
廃止されてしまった重賞競走も多々ありました。

この変遷につきましては、また改めて
時系列でご紹介できればと思います。



「厳選!!交流レースをプレイバック」
ページ内のリード文を紹介します。


中央・地方交流元年。
桜花賞トライアルを笠松のライデンリーダーが制し、
意気上がった地方競馬サークルだった。

が、しかし、6月13日、
「スパーキング」と命名された川崎ナイター。
雨の中での「ホクトベガ18馬身差の圧勝」
を見せつけられて青くなった。
中央と地方の差は開いている。

(中略)

「元年」という2文字は
「鬼」という一頭(ライブリマウント)を生み、
地方を奈落の底に突き落とした。

賭け事としての競馬と文化としての競馬。
優勝劣敗は競馬の何よりの命題であることを
地方関係者は肝に命じなければならない。

かつて浦和にゴールドスペンサーありき。
かつて笠松にオグリキャップありき。
かつて大井にイナリワンありき。
この教訓。

地方は立て直しへの一歩としなければならない。




交流元年から、
約30年目の節目に迎える大改革。

日本のダート競馬がどのような変貌を遂げるのか、
​新たな時代の幕開けが、今から楽しみです。




(これまで多くの名勝負を生んだ地方競馬の雄・大井競馬場。Jpn1競走が増え、更に注目が高まります。)



(参考)
『臨時増刊号Gallop'95』
『臨時増刊号Gallop'96』
『臨時増刊号Gallop'97』
産業経済新聞社刊
地方競馬情報サイト・重賞データベース
https://www.keiba.go.jp(2022/12/5アクセス)



(お断り)
各年の年鑑を参考にしましたが、
地方競馬は年度単位で日程が発表される為、
レースの一覧は 年度単位 に改めて記載しました。

また参考資料を元に細心の注意を払いましたが、
著者がこの時代の競馬をリアルタイムで見ていない為、
事実と異なる記載があるかも知れません。

お気づきのことがありましたら、
大変恐れ入りますが、SNS等を介して
ご報告頂ければ幸いです。
何卒、宜しくお願い致します。






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最終更新日  2023年11月20日 17時06分10秒
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