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2023年01月26日
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カテゴリ: 横川典視
木曜担当のよこてんです。

 今回は、24日に高知競馬場で行われた『第37回全日本新人王争覇戦』のお話です。


★吹雪が強まったタイミングになってしまった集合写真。寒さに耐える表情・・・

 史上最強クラスの寒波。正直ちょっと甘く見ていました。まさかこんなことになるとは・・・なのですが、それはおいおい触れていくとして。まずは新人王。

 2020年は直前の怪我のために辞退、2021年は実施が無く、2022年は当時期間限定騎乗中だった笠松競馬場で騎手の新型コロナ陽性者が複数出た事による遠征自粛という形で辞退となっていた岩本怜騎手。今年は、やはり昨年辞退の形になっていた笠松・東川慎騎手と一緒に朝のうちに高知にやってきて“4年越しの新人王参戦”がかないました。




 結果の方は、第1戦は1番人気に支持されたものの9着、第2戦も10着に終わり、総合順位も11位という結果。それはちょっと残念でしたが、とはいえここまで延びてしまっている間に後輩騎手の方が先に出場していき、気がつけば2018年デビューの岩本怜騎手は今回の出場騎手中でキャリア最年長。デビュー後に一度しか参戦できない全日本新人王争覇戦に無事出走できて見ている自分もホッとしましたね。




★第1戦での岩本怜騎手




★こちらは第2戦





 シリーズの結果は、第1戦をJRA・角田大河騎手が制し2着は佐賀・飛田愛斗騎手。第2戦も角田大河騎手が制して2着が飛田愛斗騎手と、この『全日本新人王争覇戦』が2戦制になって以降初めての2連勝による新人王決定に、そして騎手対抗戦としてみても“第1戦・第2戦共に1着・2着が同じ騎手・同じ着順”という珍しい結末にもなりました。


★第1戦優勝/角田大河騎手


★第2戦優勝も角田大河騎手

 という事で総合結果も、1着50ポイント×2の100ポイントを獲得した角田大河騎手が断然のリードで総合優勝、2着35ポイント×2で70ポイントを獲得した飛田愛斗騎手が、3位以下には大きくリードして総合2位に。
 その影響というか、3位圏は2戦で掲示板圏内を奪い合った3名が35ポイントで並ぶ結果になり、規定により第2戦最上位の3着を確保した金沢・兼子千央騎手が総合3位となっています。

 騎手対抗戦では複数のレースでいずれも勝てる馬に乗れる事はあまりなくて、たいていの場合は一方を勝ったとしてももう一方を“いかに上の着順で乗り切るか?”な感じになるのが普通というか一般的。なので2戦を2着・4着みたいに手堅く高ポイントを獲得した騎手が1着を獲った騎手を差し置いて総合優勝する・・・のようなパターンが実に多いんですよね。




 さて、岩本怜騎手は2019年の、飛田愛斗騎手は2021年の『ヤングジョッキーズシリーズ』チャンピオンです。同じ新人騎手の戦いである『全日本新人王争覇戦』と『ヤングジョッキーズシリーズ』を共に制している騎手はこれまでいなくて、“チャンピオン2名同時出場”となった今回に期待しましたが、今年もダブルチャンピオンは誕生せず。


★21年YJSチャンピオン飛田騎手と19年の同チャンピオン岩本騎手

 今年の角田大河騎手かあるいは昨年の泉谷楓真騎手がYJSで総合優勝するか、あるいは昨年のYJSチャンピオン小林凌大騎手が新人王に出場できて制するか(実際どうなんだろう?)。はたまた今年行われるであろうYJSのチャンピオンが来年の新人王を制するか・・・。ダブルチャンピオンの登場もいつか見てみたいもの。

 ところで、今年出場予定だった川崎・池谷匠翔騎手が飛行機トラブルのため高知に来る事ができず、“参戦扱いでは無い代理”として地元の岡遼太郎騎手が騎乗しました。
 実は岡騎手、昨年は岩本怜騎手の代理として出走していて“2年連続出走”になったんですけども、正式な代表としてはまだ新人王に参戦していません。
 同じく昨年、東川慎騎手の代理を務めた井上瑛太騎手は今年出場しました。岡騎手は、今年は競走中止でゴールできなかったんですけども、来年出場できたら“新人王に三度騎乗した騎手”という、これまたレアな例になるのではないかと思います。

 近年は新人騎手が増えていて、また一方ではコロナ禍の影響で2021年の新人王が開催されなかった事もあって、まだ出ていない新人騎手が渋滞気味にもなっています。地方競馬の2019年デビュー組は妹尾将充騎手以外出場し終わったけれど、2020年デビュー組はまだ半分くらいで(田中洸多騎手や七夕裕次郎騎手もまだ)、2021年デビュー組は出場していない。この辺は春秋の二期でデビューしていて数も多いですしね。1年限りとかで変則3戦にして18人出場させるという手を考えてみるのも・・・?

 しかし高知で降雪取り止めを経験する事になるとは思っていなかったですねえ。
 1レースの時点で高知にしてはけっこうな雪の降り方で、地元の皆さんは先日あった「高知での観測史上最高積雪」を経験したばかりのせいか雪自体にそんな大騒ぎはしていなかったですけども、いや、高知に住んでいた頃の自分の記憶で考えてみても“これくらい降るのは高知ではかなり珍しい”という降り方でしたもの。加えて気温も低かったですし。


★1R前、吹雪にけぶるゴール板




★5R終了直後くらいから雪が強まりました

 寒いという事は予想していたので真冬の水沢並みの服装で行きましたがそれでも寒かった。高知の言い方でいえば「こじゃんとひやい」。

 最初のうちは降っても地面に残らず「やっぱり高知は気温が高いなあ」と思って見ていたのですがそれもつかの間、5Rが終わったあたりの頃から降り方が激しくなって積もり始め、そこからはもう白くなっていく一方に。
 6Rはパドックを周回していたところで取り止め、7Rも装鞍所で取り止め。この辺で一瞬雪が止みかけたので8Rから装鞍を再開したのですが、馬場状態が悪化しているという判断により8R以降も取り止めということになりました。


★6Rが取り止めになって、外した馬装をもって引き上げてきた騎手の皆さん







★すっかり凍てついたパドック。高知では雪かき用の道具を常備する事もないでしょうし・・・

 翌日、笠松に寄ろうと思い朝6時の南風に乗りました。前日は強風のため運転取り止めが続いた瀬戸大橋線を順調に突破したところまでは良かったのですが、山陽新幹線が積雪のために各所で遅延していた上に京都あたりから先も雪が降り続き、結局岡山から名古屋までの区間で2時間以上の遅れ。笠松は断念して帰る・・・ということになりました。
 岡山から姫路あたりの間、そして大阪から米原あたりまでの雪が、ちょっと見た事が無いくらいの積もり方でしたね。いつも雪の影響が言われる関ヶ原近辺はむしろスピードを上げて走ったくらいで。“史上最強寒波”はまさにその通りだったと感じた高知行きでした。

 最後になりましたが、新人王第2戦で落馬負傷した篠谷葵騎手の1日も早い快癒と復帰をお祈りしています。





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最終更新日  2023年01月27日 21時20分29秒


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