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2023年02月23日
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カテゴリ: 横川典視
木曜担当のよこてんです。

 岩手競馬の再開まであと二週間ほどになりました。2月はしかし、ちょっとネタ切れな感じになってしまってなかなか進まない。来週はたくさんあるんだけども・・・。

 と、出だしから言い訳をしつつ今回は冬休みネタという事でこんなお題を。
 『岩手競馬のレース名の由来になっているものを探せ!』
 岩手競馬の重賞競走には様々な名前が付けられていますが、それが何に由来しているのか?を探りつつご紹介してみましょう。解説に写真が付けられるものを採り上げておりますので言葉だけになるものはあまり出てきません。あしからず・・・。

◆『南部』・・・マイルチャンピオンシップ南部杯
 まずはここから行きましょう。現在は岩手で唯一のJpnIとなっているマイルチャンピオンシップ南部杯。“南部”はもちろん南部藩(盛岡藩)・南部氏に由来します。


★桜山神社/1749年建立、南部家四柱をお祀りする歴史ある神社。盛岡市内内丸に鎮座

 1988(昭和63)年、岩手県競馬組合創立25周年を記念して設立され、当初は「北日本マイルチャンピオンシップ南部杯」と“北日本”の冠が付いていた事で分かるように北関東以北の、北関東・東北・北海道所属馬による戦いとなっていました。

 南部の名をお借りしたという事から南部杯の表彰式には南部家ご当主が参加される他、以前はご当主が馬車に乗りスタンド前をパレードして表彰台に向かう・・・という演出も行われていたのを覚えている方もおられるのでは。
 南部杯のポスターやレーシングプログラム等に登場する鶴が向かい合った家紋は「向鶴」と呼ばれる南部家の家紋でもあります。


 当時の盛岡競馬場、旧盛岡競馬場ですが、フルゲートが8頭であったり坂がキツい形態だったりのため交流競走は水沢競馬場で行われていたという事情があって・・・だからなのですけども、1996年にOROパーク盛岡競馬場が開場し南部杯も盛岡に移り、9回目にしてようやく“南部の地で南部杯が行われる”事になりました。


◆『不来方』・・・不来方賞
 難読レース名としてしばしば挙げられる「こずかた」賞。“不来方”は狭い意味で言えば盛岡城の事を、広い意味で言えば現在の盛岡市付近一帯を指す言葉とされています。
 難読ではあるんですが北東北の本物(?)の難読地名に比べれば序の口という感じがしないでもない。信長の野望とかで読み方を覚えた方もいるのでは。
 レースの歴史としては1969(昭和44)年に岩手競馬として初めて固有の名称を名付けた4つの特別競走のひとつ「不来方賞典」に始まります。

 現在の盛岡城の別名が不来方城とされることが多く宮沢賢治もそのような認識だったと思われますが、実際は南部氏が九戸から移ってくるのに合わせての築城が完成した時点で盛岡と改名されているので「お城自体は当初から盛岡城」だったようです。


★春は桜、秋は紅葉が美しい盛岡城

 また、今はお城から見下ろす景色は街になっていますが、築城当時は北上川の旧河道が石垣のすぐそばを流れており、洪水の際など石垣が水に打たれて崩れる事もしばしばあったとか。現在の盛岡駅前を通る北上川は盛岡藩三代藩主重信公が切り替え工事を行って開通させた部分。この河道変更によって城下町が安全になりより発展したといわれています。
 そして、その工事の結果生まれた土地、現在の菜園のあたりには一番最初の“盛岡競馬場”がありました。今に残る写真にはその“盛岡競馬場”のコースの向こうに石垣が見えているものがあります。盛岡城は岩手競馬とも非常に関わりが深い場所なのです。
 盛岡城に由来するレース名としては芝マイルの重賞「いしがきマイラーズ」もそうですね。


◆『留守』『日高』・・・留守杯日高賞
 南部杯のところで水沢伊達氏の話が出たのでこちらにも触れておきましょう。
 中世はしばしば勢力圏が移り変わった水沢の地ですが戦国時代末期からは仙台藩伊達氏の一門・留守氏、のちの水沢伊達氏が治めてそれは江戸時代末まで続きました。居城の水沢城は現在の奥州市役所のあたりとされています。

 “日高”は、奥州市にある日高神社を由来としています。810年、坂上田村麻呂が開いた胆沢城の、その鎮守の神社として創建されたのが歴史の始まりとされ、留守氏が水沢に移ってからは留守氏の代々も日高神社内の瑞山神社に移されました。


 アラブ重賞時代の日高賞が31回、今の留守杯日高賞が昨年までで22回。足して53になって54でないのは切り替わりの2000年に実施されていないため。


★日高火防祭・揃い打のもよう。なお、だいぶ前の写真です

 日高神社のお祭りとして行われるのが『日高火防(ひぶせ)祭』。かつての水沢城下では大火がしばしば起こり被害も大きかった事から、防火意識を高めるためあるいは火災予防の祈願のために始められたというのが起源だとか。
 4月29日の夜に行われるはやし屋台の揃い打ち、コロナ禍でお祀りが中止になってきましたが、今年は4年ぶりに実施される予定だそうです。


◆『岩鷲』・・・岩鷲賞
 クラスターカップトライアルのダート短距離重賞「岩鷲賞」に付けられている“岩鷲”は岩手山の別称とされます。
 長く続いた冬がようやく終わりかかる頃、岩手山の山頂付近の雪が溶けて浮かび上がる形が飛びゆく鷲の姿に似ている事から「岩の鷲」、岩鷲となったと言われています。山頂にこの岩鷲が見えてくると春の訪れも近いのです。




★岩手山の頂付近に現れた鷲形とそのアップ


 このレース名も不来方賞・日高賞と同じく1969年に始まった「岩鷲賞典」から続くもので、回数も不来方賞と同じく今年で55回目を迎えます。


◆『早池峰』・・・早池峰スーパースプリント
 山シリーズで行きましょう。現在は早池峰スーパースプリント、以前は早池峰賞として行われていた短距離戦。名前の由来はそうです“早池峰山”。

 高山植物で有名。また山岳信仰の対象としても古くから知られている名山なのですが、奥深くにそびえている山かというとそうではなく、盛岡市~奥州市の広い範囲にわたって美しい山容を眺める事ができます





★水沢競馬場から見える早池峰山です

 水沢競馬場からは2コーナーの少し右手あたりに見える山が早池峰山です。お天気が良ければすぐ分かりますが、秋の終わりから春頃にかけての雪がある頃の方がわかりやすいかもしれませんね。


◆『栗駒』・・・栗駒賞
 山シリーズ。昨年から春に移動したこのレースの名前の由来は“栗駒山”、岩手県南部から宮城県北部、秋田県東部に拡がる山地で、秋は紅葉の美しさで有名です。活火山でもありますね。
 岩手県の南部にあるということで、水沢競馬場からも眺める事ができますが見える場所はちょっと限られるかな。スタンド3階指定席のパドック側ベランダから南の方に見えると思います。
 ちなみに水沢競馬場から見てすぐ左手方向にあるのは焼石連峰。栗駒山と焼石岳などを含めて栗駒国定公園となっております。




★新幹線くりこま高原駅あたりからの栗駒山全景と、水沢競馬場からの須川岳


◆『北上川』・・・北上川大賞典
 岩手県の北部から県央部を縦断し、宮城県も超えて太平洋に注ぐ東北最長の川が北上川です。不来方のところで盛岡市内の北上川が出てきましたが、水沢競馬場でも、向こう正面の桜並木の、そのすぐ向こうを流れているのが北上川。盛岡競馬場・水沢競馬場ともどもなじみ深い川ですよね。



★盛岡市内の北上川。先にも触れたようにこの辺は洪水対策で切り替えられた部分

 そうやって長い距離を流れているだけに岩手県の中だけを見ても様々な姿を見せる川でもあります。
 盛岡市あたりだと、そんなに大きい川という印象はないかもしれないですね。雫石川と合流するまでは水量もそんな多くなかったりしますし。北上の南くらいから大河っていう感じが出てくるように思います。


★北上市の北上川。川越しに見えるのは焼石連峰

 いずれ、盛岡競馬場に向かう時に渡る北上川と水沢競馬場の周りで見る北上川は、同じ川でもずいぶん表情が違って見えます。それぞれの競馬場に行かれた際に北上川もご覧になってみてください。


◆『やまびこ』・・・やまびこ賞
 写真が無いものは採り上げないと言いましたがひとつだけ。1982(昭和57)年、サラ系4歳(旧)の特別戦としてスタートしたやまびこ賞。そのレース名の由来はと言うと、これが東北新幹線「やまびこ」からなのです。
 この第1回となるやまびこ賞が行われた1982年と言えばその年の6月に東北新幹線の大宮-盛岡間が開業した年。『五十七年は東北新幹線が開通したことから、その列車名をとって「やまびこ賞」として特別競走を組む』(「いわての競馬史」1983年岩手県競馬組合発行より)とあり、由来はまさしく新幹線なのです。
 ここまで山シリーズが多くあったように、どちらの競馬場も名山が綺麗に見えるから、そんな印象からの“やまびこ”かなと思いきや、さにあらず!なのでした。

 他にも採り上げたいレース名はたくさんあるのですが今回はここまで。皆さんも由来の謎!をいろいろ探ってみてください。





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最終更新日  2023年02月26日 22時24分32秒


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