でくの坊 雨にも 風にも 

でくの坊 雨にも 風にも 

2012.05.19
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まず最初に。
震災被災地の現状の写真等をアップしますので、申し訳ございませんが、トラウマを抱えていたり、見たくない方は、以下、ご遠慮下さい。





一昨日、仙台の和尚さん二人に、震災による被害が甚大であった気仙沼から南三陸、石巻、東松島をご案内いただきました。
先月末、犬の住職資格云々の件で南○寺本山へ頭を下げに行った際、震災後の対応が話題に上り、某部長より、「君は仙台の某師を知っているか?彼は君とよく似た意見を持っているので、一度話しをしてみてはどうか」と意見あり。ならば直ぐにと何だかんだ布教師をする仙台の僧侶とメールでやりとりを始めたところ、まだ一度も現地を訪れたことがないと話すや、「支援物資もいらない、ボランティアもいらない、ただただ何も持たずに来て下さい」と声を掛けて頂きまして、ほぼ即答で、早速に現地へ飛んでみることに致しました。

震災発生時より、滅多に見ないテレビに釘付け。
淡々と流れる津波の映像。一夜明けての惨状。
その後、原発の問題が、すでに手遅れだったことを知るや、テレビから遠離り、ブログも書けず、気持ちが妙に落ち着かないところへ投げ出された感じのままに。
様々な討議に参加はすれど、ボランティア活動に誘われても、寺を空けることは出来ず身動き出来ぬまま、多くの方からせっつかれたり、押しとどめられたりで、身近な場所で出来ることへと思いを傾けていました。





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南三陸町防災対策庁舎









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気仙沼・鹿折地区に残る漁船








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全てが洗い流された光景は他人事ではなく、実家の串本あたりの入りくんだ集落に、間違いなくやって来る近未来が重なります。











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避難に失敗したことが問題となった大川小学校での親子が手を合わせる姿には、背後の山の立ち枯れた植林の様子と重なり身震い。




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石巻から松島にかけての車窓、隣接施設の改築にあたって托鉢しながら行脚をした際の8年前に乗った仙石線の記憶とは、全く異にしておりました。





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野蒜駅






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明治時代になって、山から海辺の平地へと下りた野蒜駅近くの曹洞宗寺院は、跡形もなく。










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庫裏が流され、過去帳を紛失してしまった寺院では、流された墓から墓碑銘を集め、過去帳の再生。
寺の再生は、今後の地域コミュニティの再生に重なります。






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禅塾に居たK君が、昨年ボランティア活動の為、被災地を訪れた後、電話で私に「被災地を訪れた先輩方が仰るような慈悲心なんて、心にも無い自分は駄目なのでしょうか? 海に向かって何も無い景色が、本当に綺麗だったんです。」と話したことを何度も思い起こしておりました。



帰って直ぐ、おば様に写真を見せたところ、「まるで戦後の焼け野原と一緒やね。それでも、みんなここから復興して来たんよ。ところで、坊さんがそこまで出掛けていって、これからいったい何が出来るっていうのかい?」
答えるほどに、厳しい問い。






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Last updated  2012.05.19 11:48:38
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