世界整復への一歩

2002.09.15
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高校生になって、たいてい学校の行き帰りは1人だった。

学校の近くに住んでいるものは、徒歩で通学しているので途中でクラスメートに会うこともあったが、たいていは気付かないフリをするか軽く挨拶だけして、特に相手が誰かと一緒の場合は早足で追い抜いてしまい、一緒に行こうとはしなかった。
もうその頃にはすっかり1人の寂しさよりも気楽さに慣れてしまっていた。
電車の時間の関係もあるので、大体決まった時間に歩いて通っていたわけで、途中で見かける同じ学校の人もある程度決まっていた。

その中によく1年上の5人の集団を見かけていた。
楽しそうに喋りながら、道路いっぱいに広がってゆっくりふらふらと歩いているので、時々「邪魔だな~」と思いながら、「どけ」とはさすがに言えず、距離をとりながら隙があると追い抜いていた。
ある日の帰り道、結局その集団はいつものように道に広がりながらふらふら歩いていて結局なかなか追い抜く隙がなかった。
そうこうしているうちにその中の1人だけが私が向かう駅の方向に家があるようで、他のメンバーと別れて歩き出した。

彼を追い抜く時にさっきまでの楽しそうな笑顔からは想像できないぐらい暗く沈んだ顔をしているのが見えた。
その後も時々同じ光景を見かけたが、やはり彼はメンバーと別れるとやはり大きくため息をついていた。
それからしばらくして、1年上の学生が早朝の新聞配達のアルバイトを終えたところで、マンションから飛び下り自殺をしたと、先生から伝えられた。
先生から告げられた名前で、あの集団の彼だと言うことが分かった。
「特に死ぬ理由は思い当たらないんだが」と先生は言った。
その数日後、あの集団をまた見かけたが
「何であいつ死んだんやろ?」
「さあ、でも正直な話俺あいつのことあんまり好きやなかった」
「俺も」
という会話が聞こえた。

そこで、いつも彼があの集団から別れたあとにする表情を思い出した。

1人になることが嫌で他の人に合わせているけれど、実は他の人にとって自分はどうでもいい存在ではないのかと考え、かえって寂しかったんじゃないかと。
私自身中学生の時に、そうやって人に合わせていたときもあった。
小学生の時に1人の寂しさを知っていたので、1人にされるのが嫌だった。
でもそれがかえって孤独感を感じさせることもあった。
特に集団で他の人が楽しそうにすればするほど、心の中では孤独感を増していた。

その当時の自分と彼が同じだったんじゃないかと思った。
彼も集団の中にいるが故に孤独を感じていて、それに耐えきれなくて死を選択したのでは?
違う世界に行って楽になりたかったと・・・
あくまでも勝手な私の想像である。





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最終更新日  2002.09.16 02:07:53


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