再生

2010.07.08

Ｊリーガー残酷物語　高原、巻があっさりクビのワケ

テーマ：気になって気になって仕方ないニュース　話のネタに最適(118)

カテゴリ：話題のニュース

　Ｗ杯南アフリカ大会で岡田ジャパンは大いに盛り上がった。その陰で４年前のドイツ大会でジーコジャパンのエースＦＷだった高原直泰（３１）と巻誠一郎（３０）の２人が、所属していたＪリーグクラブからあっさりクビを宣告されて日本を離れた。

　高原は韓国Ｋリーグの強豪水原三星に移籍を選択。Ｊリーグ最高額となる年俸１億６０００万円で２年半在籍した浦和レッズでは６３試合でわずか１０ゴール、確かに厳しい成績だった。

　「２年半お世話になりました」という高原本人のコメントも自らのホームページだけ。浦和レッズから追われるようにして出ていった。浦和ではフィンケ監督（６２）が昨年オフから「高原構想外」を打ち出して今季は完璧な飼い殺し。加えてＷ杯中断期間中に行われた豪州合宿では、高原だけメンバー落ちという“イジメ”にもあった。

　巻の場合はもっとひどい仕打ちが。今季Ｊ２落ちしたチームでは年俸（推定５０００万円）が一番が高いという理由であっさり解雇となったのだ。巻は毎年契約更改の席で、「僕の年俸を上げる余裕があるなら、チームの環境整備に役立ててほしい」と減額さえ主張していた。その巻を放りだしたのだ。

　また、解雇通告をした翌日からは「練習にもこないでほしい」とチーム側が通告。「それはあんまりだ。練習ぐらいはさせてやってほしい」と江尻篤彦監督（４３）らが、フロントに掛け合う一幕もあった。

　最終的に心配した巻の師匠でもあるイビチャ・オシム氏（６９）が仲介する形でロシアプレミアリーグのアムカルへの移籍。家族を残して単身でのロシア行きとなった。

　２人とも今季のコンディションは悪くなかったのに、Ｊリーグから追われる結果となったのが遺憾なところ。ともにクラブＮＯ・１の高給取りという点が放出の最大の理由だったのも同じ。海外移籍を選択すれば、派生した移籍金が球団に入ることから、せめて最後の恩返しをしようとＪリーグを後にしたのも同じだった。

　それにしても、Ｊリーグフロント陣の見る目のなさは深刻だ。クラブの社長は相変わらず親会社からの天下り人事も多い。代表クラスの主力級がＪリーグ間で移籍すればリーグ自体が盛り上がるのだが、「ライバルチームで復活してしまったら責任問題にもなるから」（クラブ関係者）とＪリーグ同士の移籍はさっぱり盛り上がらない。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう