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まずは、小島英明さんの解説から。ストーリーの説明だけでなく、舞台での動きなども取り入れて、小島さんの解説は、面白くてわかりやすい。なぜか、
「ゲッツ」なども出てきたり。
仕舞「鉄輪」。遠藤六郎。昭和2年のお生まれだそうで、最長老だそうです。このお年でも立ち振る舞いも軽やかに舞われるのですから、さすがです。
仕舞「殺生石」。観世喜正。お能「殺生石」は、わりと最近観たばかりのはずでしたが、紋付姿で舞われるのを観ると、改めてこんな激しい舞いだったのかと思いました。
狂言「清水」。主人(アド・深田博冶)から、明日茶の湯の会で使う水を野中の清水に汲みに行くように命じられた太郎冠者(シテ・野村萬斎)は一計を案じ、鬼に襲われたふりをして帰ってきます。主人は太郎冠者の心配もせず、置いてきてしまった秘蔵の手桶を惜しみ、自ら清水に行くと言い出したので、太郎冠者は先回りをし、鬼の面をかぶって主人を脅かし、怖がる主人に太郎冠者の鬼は、太郎冠者を厚遇しないと、とって食うといいます。慌てて逃げ出す主人でしたが、太郎冠者びいきの鬼の言葉や太郎冠者に似た声に合点がいかないことが多いので、再び清水に行きます。また鬼に扮した太郎冠者でしたが、主人に面をはがされてしまいます。
深田さんの後に登場した萬斎さん。パーマがかかった髪、襟足が隠れるまで伸ばした後ろ髪、鼻の下とあごのまわりのお髭~やだ~、マクベスだ。
まさにマクベス太郎冠者!違和感が…。でも、お髭での狂言を見るのは、以前の「オイディプス王」の上演以来2回目。貴重かも~
。鬼の面をつける時に、長い前髪をパサッとふったところがステキ!![]()
あの後、また、萬斎さんはマクベスになられたのですよね。1日で狂言とマクベスの舞台は大変でしたでしょう。
能「紅葉狩・小書鬼揃」。秋も半ばの頃、信州戸隠山で、紅葉を愛でつつ酒宴を楽しむ上臈たち(前シテ・小島英明、シテツレ・佐久間二郎、坂新太郎、桑田貴志)。そこへ鹿狩りのために、山に入った平維茂一行(ワキ・森常好、ワキツレ・舘田善博、森常太郎、梅村昌功)が、通りすがります。身分の高い女性の紅葉狩りと聞いた維茂は、それを妨げないように通り過ぎようとしますが、宴の主人がそれに気付き引き留めます。維茂は誘いを断りきれず、勧めに応じて酒席につきます。盃を重ねて酔ってしまった維茂は、その美しい女と行く末を契ったあげく、女の舞いを見ているうちに深い眠りに落ちてしまいます。それを見届けた女たちは、夢から覚めるなと言い残し、山中に姿を消します。《中入》
維茂の夢の中に八幡大菩薩の神・武内神(アイ・高野和憲)が現れます。神は、先程の美女は戸隠山に棲む鬼なので、退治せよと告げ、維茂に神剣を授けます。目を覚ました維茂はその剣をを手に取り、身支度をととのえ、鬼を待ち構えます。やがて山中に稲妻が走り、雷鳴がとどろくと、鬼女(後シテ、後ツレ)が現れ、襲いかかってきます。刀を抜いて応戦する維茂。激しい格闘の末、武勇に優れた維茂はついに鬼女を切り伏せ、退治します。
始まりとともに、真っ暗な舞台。笛の音が響き渡る。そこに、舞台に置かれた蝋燭にひとつずつ灯りが燈り、少しずつ舞台に光が。ホール能をいかして、紅葉が天井から下げられ、照明も赤い照明がより紅葉の深山の様子を醸し出します。
人里離れた奥深い山中に美女、しかも身分の高そうな上臈が集まって酒宴?怪し~とは思わないのでしょうね、男性は。
「袂に縋り留むれば、さすがに岩木にあらざれば、心弱くも立ち帰る」。古今東西皆同じ。ましてお酒まで飲んでしまえば。
維茂が眠ると静かに舞っていた女性の舞いが激変して「急之舞」に。本性を現します。
そして、現れた鬼女たち。「鬼揃」の小書演出で、鬼は男ではなく、般若の面の女鬼。そして、先程の美女全員が鬼となって出てくる。これは怖かったのだけれど、4人の鬼女が舞台に立った姿はなぜか美しかった。![]()
維茂と鬼女の激しいバトル。なかなかの迫力。森さんがいつにも増して?イイ男に見えました。
最後に維茂に脇を斬られ倒れる鬼女。なんと、「仏倒れ」で倒れたのです。「仏倒れ」は仰向けに倒れるもの。以前にも見たことがありましたが、面と装束をつけたシテ方がなさったのは初めて観ました。客席を背に倒れ、ものすごい大きな音がして、最前列で見ていた私は思わずのぞけりました。そして、間髪をいれずに起き上がって退場。すごいなあ。小島さんの筋力。
桜もそろそろのこの季節に、美しい紅葉狩りをいたしました。
「よし」と言わない 2024年12月06日
意識不明の状態 2024年11月26日
追っかけ日記 No.523~狂言ござる乃座… 2024年10月20日