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木曜日に、宝生能楽堂に、「野村万之介七回忌追善 第76回野村狂言座」を観に参りました。
この日の番組は、小舞「蝉」、狂言「二千石」・「鏡男」、素囃子「早舞」、狂言「鉢叩」。
解説は、野村萬斎さんでした。
今回の会は、万之介さんの七回忌ということで、万之介さんのゆかりの曲を選ばれたそうです。
「鏡男」の上演は珍しいなあと思っていたのですが、
万之介さんの得意な曲だったので、選ばれたのですね。
「鏡男」についての思い出話も語られました。
以前、萬斎さんが主宰なさっていた「新宿狂言」の折り、
この「鏡男」を上演予定でしたが、
開演の30分前に、万之介さんが急病で来られないとの連絡が入り、
急きょ、萬斎さんが演じることに。
他の演目と違い、万之介さんが専門に演じられていたので、
めったに演じたことがなく、30分で覚えて…。
大変だったそう。
そして、この「鏡男」」の舞台は、新潟県の松の山。
とても山深い所で、ここで毎夏、狂言の会を開いていたという事でした。
実は、私は、この「新宿狂言」で、萬斎さんがあたふたしながらも、
見事に「鏡男」」を演じた舞台も拝見しましたし、
また新潟の松の山で開催されていた狂言の会も、毎年行っていました。
なので、思わず、私自身の観劇の歴史を思い起こしていました。
小舞「蝉(せみ)」。野村裕基。
僧の前に現れた蝉の亡霊が、烏に殺された最期の有り様や地獄の責め苦の様を舞います。
裕基君、また、大きくなりましたね、多分180センチ近くあるのではないかな。
初舞台の時の小さなお猿さんが今でも目に浮かびます。
狂言「二千石(じせんせき)」。
無断で外出していた太郎冠者(高野和憲)が帰宅したと聞いて、
主人(野村万作)は、太郎冠者の私宅に叱りに出かけます。
昔は、勝手に出かけてはいけないのですね。
太郎冠者は都見物に行ったことをひたすら謝るので、
主人は許して、都の土産話をさせます。
都で流行っているとう謡を太郎冠者が謡いだすと、なぜか主人は怒り心頭。
その謡は、主人の祖先が源義家の奥州征伐に従軍した時に、酒宴で謡い、
ほどなく敵を滅ぼすことができたため、
謡いのおかげだと恩賞を賜った大事な謡いなので、
唐櫃に封印し、神聖な乾(北西)の方角に保管したものだそうなのです。
それを持ちだして、都で流行らせたのだろう…、許せん~と太刀を振り上げます。
あわや~ですが、その時、太郎冠者はなぜか感涙。
その太刀を振り上げたお姿が先代に生き写しだと。
まあ、親子なんだから当然なんですが。
それを聞いて主人も感涙。
と、めでたし、めでたし。
謡いの由来を語る所がこの狂言の見せ場ですが、
さすがに万作さん。
めでたい良い狂言でした。
狂言「鏡男」。
訴訟のため、長く在京していた越後の松の山の男(石田幸雄)が、
訴訟が無事に済み、ようやく帰国できることになっため、
妻(竹山悠樹)への土産を買いに行きます。
そこで、鏡売りの男(岡聡史)から、
女性にとっては重要な道具だからと鏡を進められ、大金を払って買って帰ります。
久々に帰宅した夫に妻は喜び、美しい飾りがほどこしてある鏡までもらって上機嫌~なのですが…
実は、生まれて初めて見る鏡…、
妻はとんでもない反応を示すのです。
15分の休憩時間が終わって、素囃子「早舞」、
のはずでしたが、なかなか始まらない。
だいぶたってからアナウンスが入り、「早舞」は割愛するとのこと。
演者になにかあったのかな。
このあとの狂言にも、囃子は入るので大丈夫かな~と思っていたのですが。
狂言「鉢叩(はちたたき)」。
都に住む鉢叩僧たち(野村萬斎他一門)が、北野天神に参詣します。
末社の瓢の神は、鉢叩の氏神なので、
その前で瓢箪や鉦鼓を叩き乍ら念仏を唱えていると、
瓢の神(野村万作)が姿を現し、人々に富貴栄華を約束するのでした。
テンポのよいこれもおめでたい狂言でした。
万之介さんの初舞台は、「靭猿」ではなく、
この「鉢叩」の瓢の神だったそうです。
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