Momente der Geborgenheit

Momente der Geborgenheit

2005.01.11
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朝からグナーに電話をした。二日酔い、とかでテンションが
低く、寝ぼけているときとあまり変わらない。

しかし、ふと思った。

この人、もしかして普段はものすごく落ち着いてるのかも。

そりゃ、35歳の男がいつもゲラゲラ笑いながら面白可笑しい
話をしていたら変といえば変だし、アタクシの記憶の中に
あるグナーも非常に真面目で、ライアンとアタクシと一緒に
はしゃいだりしたことがなかったような気がする。

アタクシだって普段は真面目とは言わないまでも、ヘラヘラ


だからアタクシはグナーに言ったのだ
「こんなに笑ったのは本当に久しぶりだ」と。
そしてそれ以来あんなに笑っていない。グナーが
「僕もだよ」
と言ってくれたとき本当に嬉しかった。

アタクシはあの晩、酒を一滴も飲んでいなかった。だからあの
笑いがアルコールによるものではなく純粋にグナーと一緒に
いた時間が本当に楽しかったからあんなに笑えたのだ。本当に
今思い出しても胸の奥がこそばゆくなるくらいに。

でもグナーはデロデロに酔っていた。普段はあんなに飲まない
のに。そして普段はあんなに笑わないのに。沢山飲んで、

だったらいいなぁ、と素直に思う。

二人が共鳴しているみたいに思えるから。一緒にいると
お互いのいいところがキラキラしていくような。

これからそういう時間をどれだけ共有できるかなんて何の
保証もないけれど。


戻って、何となくそんなことを思ってみたりした。

グナーに会いたいと心から思う。

********************************************************

電話でグナーに変なことを聞かれた。

「今度いつ日本に来るの?」

「9月に変える予定だけど本当はその前に5月当たりにちょっと
帰りたいような気もする」
と煮え切らないことを言って誤魔化した。本当はいつでも
飛んで帰りたい。日本の友達に会いたい。家族に会いたい。
東京の汚い空気を吸いながら雑踏の中で無色透明人間に
なりたい。そんなことを少し想像していたらグナーが続けた。

「ウチの両親が一度日本に来たいって言ってて、4月頃が
いいと思うんだけど」

「ああ、4月の上旬は桜が綺麗だからベストシーズンじゃない?」
と言って、心をくすぐる春風の中、桜を見上げながら
千鳥ヶ渕を歩いている自分の姿を想像した。そうだ、4月が
ベストシーズンだ。

そうしたらグナーが言った。

「キミもそのときに一緒に日本に来れないか」

そう打診する正当な理由が彼にはあった。遠い日本まで
年老いた両親が二人きりで来るのは非常に心配である。
日本、特に東京をよく知っている人があちこち案内してくれ
れば楽しさも倍増である。温泉に行った時に女湯に母親が
一人で入るのはきっとツマラナイだろう。など。

そしてそれを嫌がる正当な理由もアタクシにはある。
第一にグナーの両親を知らない。二人とも飛行機で10時間程の
旅が健康を害するほどの高齢ではない。だいたいグナーが
住んでいるのは東京ではないが、成田発着ではない飛行機は
アタクシにとって都合が悪い。しかも4月は航空券が高い上に
同僚との兼ね合わせで非常に休暇を取るのが難しい。
大体日本に帰ったのに親ともろくに時間を過ごさないで
別の家族にくっついてフラフラしてるなんて親不孝だ。
だから無理。絶対に無理。

しかしグナーは納得しない。仕舞いには、僕が金を払う、とか
キミの両親も温泉に来ればいいじゃないか、とか言い出す始末。
それじゃあ、結婚前の双方両親交えた親睦旅行みたいだ。
絶対ダメ。

これ以上、4月の日本の話をすると本当に帰りたくなるから
もうやめて。と、早口で言い放ってしまった。グナーは
「その話は会った時にゆっくり両親も交えてしよう。きっと
彼らもキミを連れて行きたくなるくらいキミが気に入るはず
さ」と言っていた。

面倒くさいこととか、リスクとか、あらゆるマイナス面を
考えても、桜咲く日本に帰るのは非常に魅力的な話である。


しかし・・・・



絶対に無理。



******************************************************

5歳までアタクシは日本の土を踏んだことが無かった。

5歳の春初めて日本に降り立った。今日からここがおうちよ、
と両親に言われた見知らぬ家や、今日からこの幼稚園に
通うのよ、と連れて行かれた知らない子が沢山いる幼稚園。
幼心に混乱した。

今まで暮らしていたオウチにはいつ帰れるの?と
何度も聞いた。

桜が咲いていた。それが印象的だった。生暖かい風が吹く度に
雪のように花びらが舞うのを見て、嗚呼この国なら好きに
なれそう、と思った。

だから桜の咲く春がいつもいつも大好きだった。何もかもが
マッサラに生まれ変わるようで。


グナーが日本の春のことを話題に出してから、あの生暖かい
風が頭の中を吹き抜けている。今すぐもう一度電話を掴んで
「やっぱり4月に東京で会いたい」とハヤル気持ちを抑えつつ
頬を紅潮させて言いたい。言ってしまえたらいいのに。

でも絶対にダメ。

もしも桜咲く東京で春風に吹かれたら、里心がついてしまう。
二度とドイツに戻れなくてもいいから、一年に一回この
桜が咲く何日間かだけのためにずーーーっと日本に住んでも
いいような気持ちになってしまうだろう。


本当に帰りたい。桜の日本へ。そこで両親や友達やそれから
グナーに会えたら、何て幸せなんだろう。







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最終更新日  2005.01.11 18:35:03
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