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日本では見られないベニハゼの仲間、ストライプヘッドドワーフゴビーです。REEF FISH Identification TROPICAL PACIFICによると生息域はモルディブからGBR・PNG・パラオ・フィリピンと広範囲にわたっており、セブでは水深5mぐらいの浅場のいたるところにいる普通種でした。日本でも近い将来発見されるかもしれませんね。
2006/06/27
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前回から引き続き「悲願達成」つながりということで、今日の写真はトゲツノメエビです。ごらんのようにかなり美しいエビで、個人的には一目みたい切望ランクのかなり上位に位置していたエビなのですが、今までまったく出会う機会がなかったのです。名前の由来は、棘棘の体と(トゲ)と角(ツノ)状の眼(メ)をしたエビだからだそうですが、このエビがダイバーの間で話題に上がり始めたころは、トメソデエビと呼ばれていました。こちらのほうは、近縁種のフリソデ(振袖)エビに対して、挟み足が小さいので留袖をイメージしたようです。個人的にはトメソデエビのほうが愛着があるし、断然センスもよいと思うのですが如何でしょうか?このエビの名前に限らず、ダイバー間で自然発生的にひろく定着した通称が学者が提唱する標準和名によって無味乾燥な名前に変えられることが多々あります。新種の発見という点で我々ダイバーが果たしてきた貢献度はかなり大きいと思うのですが、どうして尊重してくれないことが多いのか残念でなりません。生息環境は、フリソデエビと同じく転石やサンゴの瓦礫が重なった隙間などでのようですが、この写真を撮った場所もそうでしたが、ガレ場とはまったく関係のない場所でも現れたりするようです。餌はフリソデエビと同じくヒトデ類を食べるようで、お世話になっているネイチャー石垣島DSさんのこちらのページではフリソデエビと仲良く?並んでヒトデを食べているすごい写真が掲載されています。
2009/07/22
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ガラパゴス諸島に暮らす種々の動植物を語る時、それら生物がどのようにしてガラパゴスへ渡ってきたのかということがしばしば議論にあがります。ガラパゴスの生物達は、そのほとんど全てが南米大陸に暮らす種と非常に近い関係にあるので南米から渡って来た事は確かなのですが、南米大陸とガラパゴス諸島の間に、1000kmもの距離を隔てている太平洋の存在が問題となります。鳥類やアシカ、ペンギンなどは問題ないとしても、自ら移動できない植物や巨大なゾウガメやイグアナなどの爬虫類、コメネズミなどの陸棲哺乳類などはどのようにして、ガラパゴスへ到達したのでしょうか?この議論が学者の間で交わされ始めた初期の頃は古来、ガラパゴスは南米大陸と陸続きで、南米の生物達がガラパゴスのあたりまで進出したあとにガラパゴスと南米の間の陸地が海中に没し、現在のガラパゴス諸島の生物層になったとする「沈降説」が有力でした。しかし、ガラパゴス諸島は一度も南米大陸とは地続きになった事はなく、生物達は何らかの方法で海を越えてガラパゴスへ到達したとする「海洋島説」も少数派ながら唱えられていました。「沈降説」支持者が「海洋島説」を否定する根拠は、「海洋島説」の場合、多くの生物が1000kmもの距離の海を泳いで諸島にたどり着いたとはとても考えられない。という至極自然な考えが強力な根拠となっていたからでした。しかし、一方、ガラパゴスには両生類が存在しないなど、(両生類は卵も成体も真水がないと生息できないので、 この事実からは「海洋島説」が理にかなっている)非常にいびつな生態系であることや、地質学的な検証から導かれる結論が、ことごとく「海洋島説」を支持するなど、両説に決定的な確証は得られない状況が続きました。この2つの学説に結論を導くことになったのは、近代その説が確立された、プレートテクトニクス理論でした。この理論は、ドイツの気象学者アルフレート・ヴェーゲナーが1912年~15年にかけて提唱した「大陸移動説」を基本に、1968年にカナダ人地球物理学者のテュゾー・ウィルソンが提唱した学説で、地球の表面は、何枚かの固い岩板(プレートと呼ぶ)で構成されており、このプレートが地球内部にあって対流しているマントル層に乗って互いに動いていると説明されるものです。ガラパゴス諸島の成立についてプレートテクトニクス理論の上で説明すると、南米沖太平洋のナスカプレート内に存在する、ホットスポットから(地殻の奥深くから噴出するマグマの吹き出し口で、 ホットスポット自体は地球上に固定されている)噴出された溶岩によって形成された島が、ナスカプレートのずれに伴って東南東方向へ移動して行く過程の中で、溶岩の供給を絶たれる事により、島自体の拡大は収まり、逆に海中に沈降してくというものです。ガラパゴス諸島の東南東、南米大陸との間に存在するガラパゴス海台(海中にある台地)や、カーネギー海嶺(海中にある山脈)は、現在のガラパゴス諸島が形成されるはるか昔にガラパゴスのホットスポットによって作られた島々が海中に沈んでいった跡だと考えられています。ガラパゴス大百科・水口博也 よりガラパゴス大百科・水口博也 より現在ガラパゴス諸島に生息する生物の多くは、ガラパゴス海台やカーネギー海嶺が海中に没する前の島を飛び石状につたう事で遠距離での海の移動を行うことなく、徐々に現在のガラパゴスへ移り住んでいったと考えられます。事実、ガラパゴスに住むイグアナであるウミイグアナとガラパゴスリクイグアナはDNAの分析から、南米に住むどのイグアナよりも互いに近い関係にあることがわかっています。つまり、これら2種の分岐がされたのは南米からガラパゴスへ向かって大陸を離れた後だと考えられます。しかし、この2種の分岐の年代は現在のガラパゴス諸島が形成された時代よりはるかに古い1000万年以上昔のことであり、このことからも海と陸という劇的な採餌環境の変化を生んだ2種の分岐はガラパゴスと南米大陸の間にかつて存在した、ガラパゴス海台やカーネギー海嶺が海中に没する前の島々のどこかで起こったと考えられています。写真はウミイグアナ、世界で唯一海に潜り採餌を行うイグアナです。時には1時間以上も海中に潜り続けることができます。
2007/07/06
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硫黄島で撮影した婚姻色を出したスジハナダイのオスです。一見、かなり近寄って撮影しているような写真ですが、実は、魚とは2m以上の距離があったはずです。この海域で見られるスジハナダイのオスは30cmほどの大きさがあるのでこのとき使用していた105mmレンズでは、相当離れないとフレームアウトしてしまうのです。(実際、このとき撮影したほとんどのほかの写真はシッポが切れたりしていました。)昨年撮影したものも、やっぱり尻切れなんですよね。1年たっても学習効果のない駄目なやつです。
2009/10/20
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今日の写真は、クラゲとクラゲを住処としている魚たちです。クラゲはオキクラゲだと思われますが、よく解りません。魚はアジ類やハナビラウオ・クラゲウオたちです。彼らは幼魚期だけクラゲを拠り所とし、捕食者から身を守るようです。
2005/11/16
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今日は以前のブログでユニークな求愛行動をご紹介したアオアシカツオドリのその後、産卵から育雛についてのお話です。アオアシカツオドリは、産卵の為に特別な巣を作りません。普通の地面をそのまま利用して営巣します。通常1~3個の卵を産みますが、お腹で卵を温めるのではなく、水かきの有る青い足の裏で温めるようです。雌雄交代で卵を温め、もう一方の親は餌を獲りに行くのでしょう。親が卵を温めているときは、巣の外側に向けて糞を飛ばす為周囲に白い輪の模様が出来ます。親鳥が姿勢を変えた時に撮影、卵の様子が判ると思います。40日程度で雛が孵る事になりますが、その時の餌の状態により、何羽の雛が育つかの確率が変わってきます。それは、一番最初に孵った雛に優先的に親が餌を与える為で、餌が乏しいと、2番目・3番目の雛にまで行き渡らないことが理由のようです。この親は、1羽しか育てられなかったのでしょう。側には、餓死した雛が横たわっていました。餌不足が原因で全ての雛が死んでしまうよりは、1羽でも成長させる方が、確実に子孫を残す為にはより有効な手段である、ということなのでしょう。昨日に続き、一見残酷な写真が続きましたが、このシーンは自然のありのままの姿であり、厳しい生存競争の中で彼らが永年に渡って築きあげてきた繁殖戦略に従っているだけのことなのです。
2007/06/07
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今日の写真は、ホヤの一種、通称「カールおじさんホヤ」です。心霊写真ではありません。こんなふうに、クローン仲間たちと集団生活しています。写真は(隠れてないけど)隠れキャラ入りです。こちらは、ラブラブツーショット。ほんのり頬を赤らめてます。しかし、まったくイメージどおりの写真が撮れませんでした。私の気持ちを察してか、ホヤさんも涙目です。7/29追記2枚目の写真の隠れキャラは、右下に写っているウミグモです。また、3枚目の写真の、向かって右側のホヤの右目がよく見るとハート型になってるんですよね。ほんとにラブラブのようです。
2009/07/26
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またまたサボってしまった…。気が付けば、約2ヶ月ぶりの更新です。先日、ここ数年恒例となっている、トンガ王国ババウ諸島でのホエールスイミングから帰国しました。写真はまだ少ししか整理できていませんが、毎日ザトウクジラの水中撮影ができました。こちらは、往路のニュージーランド航空機内でずっと一緒に遊んでいたkiwi boy。so cute!!HOMEの写真、入れ替えました。
2010/08/24
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今日の写真は、初日に遭遇した母子。泳ぎ去るところを後ろから撮影したもの。この母親の尾鰭だが、子どもの鰭と比較すると、ご覧のとおり先端部が欠損している。サメやシャチに襲われた痕なら、このように両端が同じように欠けることは考えにくい。撮影をしながら頭に浮かんだのが、沖縄美ら海水族館のバンドウイルカのフジのことだった。フジは感染症および循環不全を併発し、尾鰭の約75%を失なったイルカなのだ。この母クジラが、同様の病気に罹っているのか、過去に罹った事があったのか、または全く無関係なのかは不明だが、いずれにせよ、その生を全うし、生まれたばかりの赤ちゃんクジラが無事に独り立ちを遂げることを願ってやまない。
2008/09/02
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ホタテウミヘビです。ウミヘビと呼ばれる生物には、魚類と爬虫類がいることはダイバーの間では有名な話ですが、魚類であるホタテウミヘビは、ヘビではなく、ウナギやウツボに近い種類です。日中ダイバーがよく見かける姿は写真のように砂地に穴を掘って潜り込み、頭だけ出しているところですが、これは休息している状態のようです。そしてそんな頭のところに、よくエビがうろうろしている光景を見かけます。エビは、ホタテウミヘビに付いた寄生虫などを餌としている掃除屋さんで、左右にユラユラと揺れながら盛んに何かを食べているようです。こちらの写真は、石垣島で撮影したもの、オドリカクレエビが付いています。今まで、このようなシーンは何度か観察する機会があったのですが、なかなか撮影までにはいたらず、初めて撮った光景です。こちらはその翌週、沖縄本島で撮影したもの。今までまったく撮影できていなかったものが2週連続で撮れてしまうなんてまぁ、そんなもんでしょう。ちなみにエビはビイドロカクレエビのようです。夜行性のホタテウミヘビですが、夜になると活発に活動し、小魚や甲殻類を捕らえて食べるそうです。ところが、過去に一度だけ、日中に餌を獲っているところを見たことがあります。普段は穴の中でじっとしているはずのホタテウミヘビが、横方向に泳いでいたのです。おーっ、珍しい光景だなーと、しばらく遠めに見ていたところ、向きを上に変え、尾びれを使って砂地に潜り始めたのです。(どのようにして砂を掘っていったのか? ドリルのように回転していたのか、左右にねじりながら進んでいったのかなど、 残念ながら記憶にありません。)ある程度の深さまで掘り進んだところで、一旦穴から出た後、今度は頭を下に穴の中に入って行きました。穴の中でなにやらもぞもぞしている様子。そして再び穴から出てきた時にはその口にガーデンイールを咥えていたのです。穴を掘るときはいつも尾の方向から進むのかどうか定かではありませんが、(頭から掘り進んだところを見た人もいるようです。)めったに観察できるシーンではないと思われることを観察できる機会にめぐり合えたことは幸運でした。
2010/01/30
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