2016.08.27
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テーマ: 香水(985)
カテゴリ: <香水>


秋冬の新製品やクリスマスコフレの情報も出始める時期になったというのに
今回は去年のクリスマスコフレ『レディースミニチュアコレクション』。
香りの豊作でラルチザン、ディプティック、トッカ、トムフォード、イプサ
と同時期に購入し四季の移ろいに合わせのんびり使っていたら、
こんなに時間が経過していました。

『レディースミニチュアコレクション¥8,100-』は6種類(各5ml)のセット。
■MURE ET MUSC EXTREME
■LA CHASSE AUX PAPILLONS
■AMBRE EXTREME

■CALIGNA
■ROSE PRIVÉE


歴史の古いものからレポ。




■MURE ET MUSC EXTREME ミュールエムスク エクストリーム
(EDP for women and men) 1993

『究極の黒いちごとムスク』という名前から
可愛らしいベリー系の甘さを思い浮かべそうですが
『男性が(も)似合う』ベリーの香りにクリアなムスク。

トップのベルガモットはよくあるビターなスプラッシュといった弾ける強さではなく
カシス、ブラックベリー、レッドベリーといったベリー系の甘さが
広がりすぎないよう手綱を引きバランスを保っているように感じます。

このあたりが「男性でもキャラクターによってはこれは似合う…」と思わせる部分で
パチュリ、オークモスといった男性的な素材が少し出てくるためかなぁと。

EDPにしては軽やか、持続は短めに感じますがムスクが淡いながらも最後まで残ります。

女性なら20代であれば季節は問わず通年可能ですが、
30代以降は真冬にはムスクの重みが物足りない/浅い気がするので3月から初夏までがお勧め。


名前では『EXTREME』の有無ですが、
EDTとEDPでは香りがしっかりと違うようなのでいつかじっくり比べてみたいです。

■EDT『ミュールエムスク(黒いちごとムスク)』
 1978/調香師ジャンラポルト
フレッシュ フルーティ ムスキー
・トップ:レモン、オレンジ、バジル、ミント
・ミドル:ブラックベリー、フレッシュジャスミン
・ラスト:ムスク、パチュリ、オークモス

■EDP『ミュールエムスクエクストリーム(究極の黒いちごとムスク)』
 1996/調香師ジャンルイシュザック
フルーティムスキー
・トップ:ベルガモット、カシスのつぼみ、オレンジブロッサムリーフ
・ミドル:ブラックベリー、レッドベリー
・ラスト:ムスク、パチュリ、オークモス




■LA CHASSE AUX PAPILLONS シャッセオパピオン
(EDT for women)1999

ラルチザンパフュームで上位を争う人気の香り。
南仏の太陽が注ぐ夢の庭園をイメージ…という香り。

トップは、瞬間的に様々な香りが弾けるイメージで、
柑橘の香りが軽やかに、
そして草原のようなビター感が広がります。

そのビターさに重なってくるのが、とてもクリアなチュベローズ。


チュベローズというとマイケルコースの香水を思い出すのですが

あちらはカシミアのような温かさ/クリーミーさを感じるのに対し

ラルチザンはとってもエアリーでフレッシュ。


その後、イランイランとジャスミンの濃厚な香りがプラスされるものの

基本的な軽やかさは保ちつつ香りの奥に蜂蜜のような甘さを感じます。

ラストへ進むにつれベチバーの清涼感で香りが一度まとめられ

バニラの香りでしっとりと仕上げられます。



春/初夏に合う軽やかでクリアなチュベローズの香りをお探しの方に。

こちらのEDTとEDPの調香師はどちらもアンフリッポ。

■『LA CHASSE AUX PAPILLONS(EDT for women)』1999
『シャッセオパピオン/ちょうちょをつかまえて』
フレッシュフローラルブーケ
・トップ:ベルガモット、ライムブロッサム、ピンクペッパー
・ミドル:オレンジブロッサム、チュベルーズ、ジャスミン、菩提樹
・ラスト:チュベルーズ、イランイラン

■『LA CHASSE AUX PAPILLONS EXTREME(EDP for women and men)』1999
『シャッセオパピオン エクストリーム/究極のちょうちょをつかまえて』
スアーヴ フローラルブーケ
・トップ:ピンクペッパー、サフラン、オレンジブロッサム
・ミドル:ジャスミン、菩提樹、チュベルーズ
・ラスト:チュベルーズ、バニラ、ベチバー、イランイラン




■AMBRE EXTREME アンバーエクストリーム
(EDP for women)2001

東洋のスパイスに、パチュリ、ターキッシュローズがとけあう洗練されたアンバーの香り。

日本の線香というには艶っぽくやや喧噪な雰囲気で行ったことはないけれど
東南アジアの雑踏とした暮らしのなかにある寺院を
懐かしい気持ちで思い浮かべてしまいます。
というのも、お腹が空きそうなスパイスな香りがトップから広がり、
蜂蜜やバニラ、アーモンドといった甘い香りは
飲食店や家庭から漂ってくる料理の隠し味として微量に感じるような匂いで
それにサンダルウッドが濃厚に揺蕩う先は寺院のお香。
と、そんなシーンを想像というより妄想を逞しくさせてくれるストーリー性が強い作品だからです。

持続は良く、朝つけて夜までしっとりと肌に香りがのっている感覚です。
スプレーで範囲を広げ纏うより、極力『点』で香りを置いていく方が香りがぼやけず
全身でムンムンと籠った感じになりにくい気がします。

年齢は30代以降。
季節は秋冬。10-11月から2月あたりのピリっとした寒さになったときに。

調香師ジャンクロードエレナ
オリエンタル スパイシー アンバー
・トップ:カルダモン、ナツメグ&メイス、ペッパー
・ミドル:パチュリ、ターキッシュローズ
・ラスト:ベンゾイン、サンダルウッド、ムスキーノート、トンカビーンズ、バニラ




■TIMBUKTU タンブクトゥ
(EDT for women and men)2004

アクアティックな透明感とセンシュアルな深みを持ったスパイシーでウッディな香り。

トップからピンクペッパーのスパイシー感に
個人的にはクセのあると感じるカルダモンの香りが広がります。
大地、土の匂いのようなワイルドさを感じ取ったかと思えば
青白さを思わせる花の香りが流れてきたり、
擦れたようなドライなスパイシーさに温もりのあるクリーミーさ、
と意識を集中させると相反するイメージが魅力的に表現されています。

サイトの説明に
『肌の奥まで染みこむようなセンシュアルでエキゾティックな香りは、
アフリカの大地とヨーロッパの洗練を感じさせ…』

とあり、その世界観を捉える事ができ心で よしっ! と小さくガッツポーズをしつつ、
そこまで緻密な表現者である調香師に感服。

男女兼用のようですが、個人的には女性用。
私が使うと甘ったるくなりなぜかオリエンタル調に傾いてしまうため秋冬ですが、
ウッディさがでやすい方であれば春夏に、そして男性用となりそうです。

EDTですが、ロングラスティング。
調香師ベルトランドゥショフール
ウッディ スパイシー フローラル
・トップ:ピンクペッパー、カルダモン、グリーンマンゴー
・ミドル:カロカロンデ、インセンス、パピルスウッド
・ラスト:ベチバー、パチュリ、ミルラ、ベンゾイン





■CALIGNA   カリーニャ
(EDP for women and men)2013

スプレー直後に甘めのレモンとベルガモットが香り立ちは
シトラスらしいフレッシュさはありながらもマイルド。
ここからの香りの流れがとてもファンタスティック!
セージの青味、クリーミーなイチジクがベールをかけ
松葉の清々しい苦味がラストにプラスされ時間の経過とともにほろ苦さへ。

ミドルあたりで、ジャスミンやローズといったフローラルさが見え隠れしますが
軸になっているウッディさが男性的なので、ユニセックスですが個人的には男性におすすめ。
派手さはないですが、静かな傑作。

イチジクつながりで私がすぐに思いつくのは
・ディプティック『フィロシコス』
・マークジェイコブス『メン』
カリーニャはそれらより複雑で太陽の陽射しと自然のなかでの風を思わせる日中の香り。
マークはココナッツで甘さがありますが、カリーニャはセージと松葉がキー。
30代後半から50代前半、一番は40代の男性が粋ですね。

春から夏。日中。
男性ならビジネスシーンよりオフ、天気の良い日に。
女性ならビジネスシーンでも、梅雨時期の空気が重い日でも自身の空気を軽くしてくれるはず。

調香師ドラバクリッシュアルノ
フローラル アロマティック ウッディ
・トップ:レモン、セージ、ベルガモット、イチジクアコード
・ミドル:ジャスミンマーマレード、レンティスク、ローズのつぼみ
・ラスト:オークチップ、松葉、オリーブツリーウッド




■ROSE PRIVÉE   ローズプリヴェ
(EDP for women and men)2015

フローラルフローラルした可愛いとかフェアリーといったタイプではありません。
シプレなローズで、2006年の資生堂『ローズロワイヤル』に近い感覚。

トップは、バジルが強めで少しハーバルよりなフレッシュでスタート。
『グリーンマンダリン』だからなのか分かりませんが
柑橘系によくある弾けるような甘みは控えめです。

ハートになる部分は花のブーケですが
ローズ50%、カーネーション30%、ライラック10%、マグノリア10%
といった印象で、私にはローズが思ったより主張しません。

ラストはパチュリがよく香るのでマニッシュなフィニッシュ。

春夏の香りで、それ以外のシーズンでは寒さによって香りが開かず苦味やえぐみがでます。
ほんの僅かなバランスでクラシックな古風な香りになりそうなところを
調香師のセンスでモダンよりに整えられている感じです。
…後日この作品は巨匠といわれる調香師と新鋭調香師によるコラボと知り納得!

調香師ベルトランドゥショフール、ステファニーバクーシュ
フローラル シプレ フレッシュ
・トップ:バイオレット リーフ、バジル、ブラックカラント、グリーンマンダリン
・ミドル:メイローズ 、マグノリア、カーネーション、ライラック
・ラスト:シプレアコード、ヘイ、パチュリ、ムスク





今回のセットにはなかった
・マンダリンEDT
・ティーフォーツーEDT
・プルミエフィグエ/EDT+EDP
も気になるところですが……香りの風はゆっくり追いかけることにしましょう。





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Last updated  2016.09.21 20:53:07
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