
セルジュ・ルタンスは暑いマラケシュの街中から自宅に戻り庭で休んでいた。
いつの間にか空気が透明になり、虫たちの話し声が聞こえ出し、
空には星の姿が映り始め、夜の帳が下りる。
“なんという素敵な時間なのだろう”
“この空気や気配、すべてのものをラッピングしてプレゼントして差し上げたい”
美しい夜行性の虫たちがリクエストする。
「もしもしお嬢さん。このあたりの空気をぜんぶ包んでいただけますか?」
「贈り物ですか?」
「ええ、あなたへの」。
高貴なキンモクセイとマンダリンの香りが伴う、
透明な空気を通して香るほのかなフルーティー・フレッシュノート。
神秘と繊細さで彩られる夜行性生活の秘密への賛辞。
■香調:透明なホワイトフローラルの香り
中国のキンモクセイ、マンダリン、ホワイトフラワー
■感想:私の好み度<70-85>
洋梨っぽいキューカンバー×ホワイトフローラル
全体的にやわらか、まろやか、まるみのある、おだやか、といった雰囲気の
それぞれの要素の青味と若干の臭み(生っぽさ)を引き出されたような香り。
トップのキューカンバーは瓜系の青味があるけど野菜っぽいフルーティーさ
(野菜というには果物感が強い)
まとまるとさっぱりとした洋梨、それにホワイトフローラル。
同時に4-5月には感じにくかったけれど、
梅雨時期6-7月ではカマンベールチーズの白カビっぽい匂いもあり、
これはハニー、アーモンドと花のめしべかおしべの苦味が混ざったもの?
よって、時期によってはトップはやや個性的、クセのある香りかも。
瓜系が苦手な私ですが、このトップの瓜の表現については許容範囲です。
十数分後にはウッディとムスクが感じられ、この作品ではトラディショナルな時。
ここでも表現はやわらかまろやか…といったものなので
ウッディ、ムスクが苦手な人でも受け入れやすい濃さと思われます。
その表現で終わるのかと思っていたら
オスマンサス、ジャスミン、リリーの青白さを引き出したような感じ。
オスマンサスを日本で一般的なオレンジ色の金木犀の香りと比較した場合、
あの黄桃のような甘さではなく、
熟れていない白桃の皮をむいた青い水っぽい透明な甘さ、烏龍茶の桃フレーバーみたいな…。
それに混ざるフルーティーノート、マンダリンも同じく完熟ではなく、青いバナナのようなイメージ。
骨太なゴージャスではなく、青白さのあるフローラルフルーティー。
ちなみに、ムエットでは生花のフルーティーなローズのようでしたが、
肌ではかなり印象が変わるタイプでした。
ネーミング、コンセプトの『夜』ですが、
色っぽい夜ではなく、月が星が夜空がきれいだな、夜風がここちいいな
なと自然を感じてゆったりしたりほっとするようなシーンを思います。
でも日中も合わせやすい香り。
■液の色
淡いベージュオレンジ系
■拡散性・持続性
拡散性は普通からやや強め、持続性は普通。
■季節
通年。似合うのは春から初夏。
梅雨明けの7月では香水として骨格はしっかりあるものの重さはないため使いやすいです。
セルジュルタンスで同じような重さは『サンタルブラン』。
季節ごとに表情の違いをしっかり感じたので、試香はいつもより回数を重ねた方がベター。
私の場合、試香が梅雨時期なら買わないけれど(70)、
春ならちょっと買ってみようかな(85)、と珍しい感覚。
■年齢
20代後半以降。オフィスなら30代前半あたり。
カジュアルなら年齢問わず。女性向き。
■リピートは?
サンプルサイズで満足したのでレギュラーボトル購入予定はなし。
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