狂奇乱舞-断頭式への招待状-

 




傷


無涯に会ったのは中学に入ってすぐだった

同じクラスの屑桐無涯、頭が良くてスポーツ万能…

最初のイメージは≪一匹狼≫といった感じだ。

だけどある日、無涯は全くそのイメージをぶち壊した…

「ぇ、と…屑桐君?」

無涯は屋上で紙飛行機を飛ばしていた

「…何だ」

「いや、何してるのかなって…先生呼んでたよ?」

「わかんねぇのか?折り紙だよ。教室には行かない…」

屋上は立ち入り禁止だ

何故無涯がそこに居たのか、そして何故私もソコに居るのか…

知らない間に足が向いた、

知らない間に体が屋上を目指していた。

「…何折ってるの?」

「鶴」

「私にも教えて?」

「あぁ…」

これが始まり…

それから毎日私と無涯は屋上で折り紙を折りつづけた。

そして御門と知り合ったのは中学に入って2ヵ月後、

やたらと無涯に構っていた。

アイツは異常だ、毎日毎日…無涯に野球の話。

そして無涯もその話にのる、凄く浮れて私には見せた事の無い笑顔をアイツに見せつける。

いわゆるオトコの世界ってヤツ…ハッキリ言って悔しかった。

隣に座ってるのに私に目もくれず、野球に夢中。

そして結局2人は野球部に入部、私は2人を目で追うことになった。


「屑桐君のばぁ~か」

玄関前でそう呟いた…帰りも1人、友達は委員会。

何時もは無涯と一緒に帰宅していたので、少し寂しい。

そう思いつつ靴を取り出すと、手紙が…入っていた。


「な…手紙?」

急いで開けてみるとこう書いてあった


      乃亜      


いきなり野球部に入ってスマン…どうしてもやりたかったんだ。

許してくれ、それと牛尾も。

アイツは、お前が1人になっているのを知ってからこう呟いている…

『彼女にマネージャーをやらせては?』

俺も本心を言うと、お前にはマネージャーをやって欲しいが無理にとは言わん

気が向いたらでいいので、やってみてくれ…


      屑桐      


その時、思わず涙が溢れた…そして帰らずにそのまま職員室に直行、

その場で野球部マネージャーとなった。

それから2年、私達は野球というスポーツをこよなく愛した。

これ言ってたの…御門か;

決して御門と無涯は馴れ合うことをしなかったが、確かに友情はあった。


…だが、3年の夏事件は起きた。

「ぶっ殺す!!!」

「っ…屑桐!」

教室であの2人が大喧嘩をしていた。

「誰か屑桐を止めろぉ!」

歓声が飛ぶ中私は無我夢中で男子を割ってその 輪 の中に入った

「ちょっ…何してんのよ!!!」

乃亜の怒声が飛んだ瞬間、教室中が静かになった。

「乃亜…」

「何喧嘩してんのよ、アンタ達ちょっと来なさい!」

まただ、また体が勝手に動いて…知らない内に御門と無涯を引っ張って屋上に居た。

「乃亜、首絞まる!」

「ぁ、ごめん!」

無涯のシャツを引っ張っていたから首が絞まった…

「ぃ…一体なんなんだい、乃亜…」

「なんなんだい?だって?…ふざけないでよ御門!何喧嘩してんのよ、馬鹿!」


私が叱ったせいか話は丸く収まったが…

この喧嘩が引き金で無涯と御門の間に亀裂が入った

そして御門も無涯も、喧嘩の原因は教えてくれなかった

この喧嘩はタダの序の口にしかすぎなかった。


「ぇ、と…水素とー、炭素とー酸素?」

この日、私達のクラスは理科の実験を行っていた

「当たり!凄いね、乃亜」

「ぃや、御門の教え方が良いからだよ~ね、無涯v」

「別に…」

「何なのよ~、…ぁ、火つけないと」

そう言ってクリップを勢い良くひねった。

「乃亜!」

「ん~?」

ボン!

爆発音と共にガラスが割れた…

ガスバーナーの横にあった酸素缶が反応したらしい。

「きゃあ!」

「「乃亜!」」

先生が生徒を外に出していく

炎が広がり、他の酸素缶に燃え移る

一層火が強くなり、先生は逃げ出した…

木製の大きなテーブル、カーテン、他の薬品…理科室は一瞬で地獄と化した

スプリンクラーは何故か作動しない、警報機は鳴りっ放し…

「乃亜!逃げるぞ!」

「ちょっと待って!足が…」

私の足は倒れた棚の下敷きになっていた。

「クソ!外れろよ!」

無涯が力いっぱい引っ張ると足はスポッと抜けた

「2人とも早く!」

その瞬間理科室の梁が落ちてきた!

「いやぁっ!」

熱く燃えた木が降り注いできた…

思わず目を瞑ったけど…痛みは無い、まさかっ

「無涯!」

無涯が私の上に覆い被さっていた、だけど顔左半分は火傷を負っていた

「ぁ…無涯ぃ…ゴメンっ、私…」

「いいから逃げるぞ!」

「ぅん!!!」


後から来た先生方が火を消したが、理科室は全焼した…

私達は一命を取り留めた

だけど、無涯は顔左半分を火傷…

御門は両手に大火傷を負った、私を救うために…


そして卒業、御門も無涯も同じチームでプレイしたかったらしいが

無涯は王者華武、御門は古豪十二支へと進路を決めた


「乃亜は何処行くんだ?」

屋上でのんびりしつつ、無涯はそんな話を持ち上げた。

「私…はっきりまだ迷ってるんだ、華武か十二支か」

「何故その2校なんだい?」

「だって…家近いし、野球の名門じゃん」

「そうか…」

「うん、ギリギリまで考えてみる」

「頑張ってね、乃亜」

「うん」


結局私は華武を受験し、見事合格…

卒業式では凄く泣いた。


そして時は3年経った…今は高校3年生

今年も3年目の甲子園へ向けて特訓中

私はまたマネージャー、無涯はエースピッチャーと主将。

この数年で私達は努力の限りを尽くした、高校生活の最後の思い出に…

今日も部活が終り、家路につく。いつも1人、無涯は部活が終っても投げつづけているもの。

…公園の近くに来ると御門が居た。


「御門…」

「やぁ、久しぶりだね」

「ぅん…」

最後に会ったのは、何時だったかな。

私が『無涯と一緒に華武に行く』って言った時、御門は何も言わず悲しい顔してた。

それ以来…卒業式以来か。

「元気だったかい?」

「元気だよ~、御門は調子どう?」

「あぁ、今年の十二支は良いよ」

「なんたって主将だもんねv」

「ふふふ、今年は負けないよ?」

「こっちも負ける気無いよ?なんせ、無涯が居るもの。」

「そうだね…じゃあ」

「またね」


『またね』こう言って良かったの?

別にいいよね…無涯。


家には私1人、親は居ない。

ソファーに座ってうなだれていると

ピピピピピ♪

携帯が鳴り出した

・・・・・――――無涯からだ。

「もしもし?何、無涯…」

「いや、もう家に着いたかと思ってな」

「ふーん、心配してくれてるの?」

「当たりまえだ、大事な親友だからな」

『親友』か…無涯はその程度にしか思ってないのかな

「ねぇ、無涯…無涯は私の事どう思う?」

「何を…///」

「答えてくれるよね?」

「…好きだ」

「私もよ、大好き」

プツッ


こーゆーのって言った者勝ちでしょ?

今頃、どんな顔してるんだろ、無涯。


私は彼方に傷を付けてしまった

その償いは一生を賭けてしようと思う。

だから…愛する。





end




*謝罪部屋*

乃亜、ゴメンよ;

こんなのですみません~

一応、昔の回想・現在ってことで

むがにゃんエピソードっス

次はハーロックかぁ(コラ/逃)

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