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「NHK人形劇三国志」との出会いは、93年だったかなぁ。
昼間、TVをつけると、たまたま放送していたのが「人形劇~」でした。正確には、華容道での追撃シーンでしたが、無論、そんな事は分かりません。その時は、ただ「 カッコいい 」としか思えませんでした(特に趙雲!)。
しかし、三国志(演義)2大合戦のひとつ、「 赤壁の戦い 」が終わって(=ストーリーも佳境を迎えて)おり、サッパリ ついていけません 。
そこで、書籍(資料)を当たる事にしました。
横山光輝
「三国志」… 長い
。 未完
(当時)なので パス
。辞典系の物のみ購入、それに従い、以下の作品を読む。
吉川英治
「三国志」…文体が 難解
。「なぜ主人公(善)が負けるのか?」について、 納得できなかった
(「漢が民の信頼を失していた」とは説明されているが、まだ具体的には理解できなかった)。
柴田錬三郎
「英雄ここにあり」… 中途半端
なラスト( 逃げ
)。孔明が早めに(読者の前に)登場するが、これは 逆効果
。オーガスト・ダーレスのクトゥルー神話は駄作ぞろいだが、この両作者のように、作品(キャラクター)に愛情を持ちすぎていると、 失敗
するようだ(永井豪の「デビルマン」が傑作なのは、主人公を甘やかさなかった為である)。
柴田錬三郎「英雄 生きるべきか死ぬべきか」…続編。孔明はラスト1巻には出てこず(その為、中心人物が不在に近く、面白みに欠ける)。孔明が作戦の失敗を「病気のせい」にするシーンは「 カッコ悪い 」としか言いようが無い(「蜀は人材が少なく、孔明の双肩にすべてはかかっていた」と言う事でしょうけど、 幻滅 )。
陳舜臣「秘本三国志」…リアリティがあり、かつ 分かりやすい 。曹操、劉備らが 等身大 で描かれており、また 魅力 がある。
陳舜臣「諸葛孔明」…上記の続編的作品。孔明の 伝記 的作品であり、誕生から描かれるが、柴田版と違い、 普通の人間 (語弊があるか?)として描かれているので、面白く読める。
この他、陳舜臣の「中国の歴史」
、「小説十八史略」なども読み、かなり理解する事が出来た。
なお、三国志演義
は パス
。
分からない点1… 故事 。タイトルレベルでしか紹介されず、詳細が(読者には)分からない。これは、元々、三国志演義が「士大夫(=知識階級)」を読者に想定しており、いわゆる「 常 識 」を省いた為、こう言う事態が起こった(講談においても、聴衆には知れ渡っていたものと思われる)。
分からない点2… 漢王朝が見放された理由 。これは、 政治の腐敗 によるもの( 自業自得 )。「清流派の粛清(宦官の台頭)」も大きいのだが、「皇帝による売官(私腹を肥やす為)」が大きい(と言うより決定的)。これにより、「官位を大金を出して買う→元を取る(さらに利益も得る)為、領民に過酷な税を課す」と言う構図が出来上がった。この後、皇帝は官位の任期を短縮(その方が売り上げが伸びるから)、購入者は、さらに短いスパンで高い税金を課すと言う、 悪 循環 が生まれる。これで 反乱 が起きなければ 不思議 である。
分からない点3… 曹操が悪役 として描かれている事。「 悪には勝てない 」と言う表現で良いのか?(「フィクション」として)。これは、曹操が悪い訳ではなく(詳細に別儀)、後世の歴史(歴史観)によるもの。後漢→三国志(分裂王朝)→晋(西晋。統一王朝)、の次は東晋十六国(五胡十六国。分裂王朝)になり、中国人(漢民族)の王朝は南に追いやられます。この後、隋→唐と統一王朝が続きますが、五代十国(分裂)→宋(北宋。統一)と以降し、宋の時代は遼や金、モンゴルといった「北方勢力(漢民族が見下していた 異民族 )」に 圧迫 されます(北宋は南宋となり、南へ追いやられます。この南宋の時期に、漢民族の誇りを維持する為、過去の18の歴史書を分かりやすいダイジェストにした「 十八史略 」が編纂されました)。
このように、後世の中国人(王朝)がボロ負けメチャ負け惨敗続きの不甲斐ない負け犬である為、三国志演義で南方に陣取った劉備を自らの先駆者として戴き、北方の強大な覇者である曹操を金、遼、モンゴルなどの外敵になぞらえた訳です。…いい迷惑ですね、曹操。と言うか、 名誉毀損 ではないでしょうか?
こう言う歴史ゆえ、現代でも「曹操=悪役」の図式が残っており(払拭されつつあるが)、京劇では「悪人ヅラ」のメイクをされてしまうのです。思い込み(愛国心)って キケン ですね。
こうして、「三国志(正史)」まで読んだ御蔭で、中国の歴史を俯瞰して理解できるようになりました。また、「ヤング・スーパーマン」で、レックス・ルーサーの父(ライオネル)が アレキサンダー 大王 の故事を出してきても、中国の歴史に置き変えて理解でき、「洋の東西を問わず、人間心理(出来事)は同じだなぁ」と理解できるようになりました(特に 春秋戦国 時代は大事)。
高校 の時、世界史の授業では三国志に 1時間もかけませんでした 。間違っています。
曹丕よ、お前もか? 2013.01.15
臥牛山は まだか? 2012.02.19
負け組ですから、愛読書は「水滸伝」です。 2011.05.20