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2009年12月25日
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カテゴリ: カテゴリ未分類


ノエルがぽつりと呟きました。
そして、目の前にいるトナカイ、ルドルフに挨拶をします。




「やぁどうも。初めましてルドルフ。


「・・・・・・サンタ・・・クロ・・・・。」


その言葉を聞いて、ルドルフ怯える目でノエルを見ました。

その目を見て、ノエルはルドルフがどんな目に合ったのかを思い、心を痛めました。




「わしは、決してお前さんの敵では無いよ。」

優しい眼差しでルドルフを見つめます。

しかし、ルドルフはノエルに応えることはなく、その瞳は怯えたまま。



「はて・・・。どうしたものか、困ったのう。」

ノエルはポリポリと、頭をかきました。



どう言う経緯でここに追いやられたのかはわかりませんが、ルドルフの心はちょっとやそっとじゃ解放することはできないでしょう。


ノエルは痛めた自分の足と、クッキーの材料を見ました。
このままでは本当に、子供たちのプレゼントが間に合わないかもしれません。



はぁっと、大きなため息をつきました。


それから、お?と、顔を上げました。。








「ルドルフや、お前さん、クッキーはお好きかね?」

「・・・・?」

ノエルの突然の問いに、ルドルフは警戒しながらも首をかしげました。


「今年はな、子供たちに手作りのクッキーをプレゼントするのじゃよ。
たくさん作るでの、お前さんにもやろうと思ったんじゃ。」

にこにこと語るノエル。ルドルフの顔は変わらないままです。

「しかしのう、困ったことに、わしは足をくじいてしまったんじゃ。
このままではクリスマスまでに手作りクッキーが間に合わん。
会ったばかりで申し訳無いが、わしのそりをひいて、家まで送ってくれんかのう。」






・・・サンタクロースのそり。


サンタクロースのトナカイに生まれながらも、ルドルフはそのそりを一度もひいたことがありません。

ひきたくてしょうがなかった。

大空をサンタクロースや仲間たちと駆け回ってみたくて。

子供たちの笑顔を見てみたくて。



・・・・なのに、鼻が赤い、と言うだけでのけ者にされた。



皆と違う。



たった、それだけのことで。



昔の想いが蘇り、ルドルフは涙を流しました。



抗うことの許されなかった運命に。

自分をこんな風にした仲間たちに。

自分が、皆と違う存在だと言うことに。





「・・・ルドルフ・・・・。」




「・・・ボクは、必要とされないトナカイなんだ。」

ボロボロ涙をこぼしながら、ルドルフは口を開きました。




「何もしていないのに、ついてくるなと言われた。
そりをひかせてもらえなかった。
一家から追い出された。
・・・・誰もボクを・・・愛してくれなかった。」 

次第に大きくなる感情に身をまかせながら、ルドルフは続けました。


「だからボクは、見つかったら厄介になるからって・・・北の山に閉じ込められたんだ。
でもハーミーが現れて道しるべを作ってもらったから、ボクはまだ希望が持てたんだ・・・。」

「ハーミー・・・。」

ノエルは、ハーミーが喋れることを思い出しました。
通常、喋ることのできないスノーマンが。
するとハーミーは、その力を誰かにもらったと言うことになります。



「しかし、一体誰が・・・。」

考え込んでいるノエルに、ルドルフは鋭く言い放ちます。


「今更ボクを外に出すなんて、一体どう言うことだ。
もう辛い想いなんかしたくない。
ずっと、ハーミーの中で眠っていたかったのに!」

「ルドルフ・・・。」

ノエルの心は、ルドルフの痛みで締め付けられそうになりました。
そしてルドルフを見て、優しく笑いました。


「ルドルフや。それはいかん。
そんなことをしたら、お前さんは本当に皆から忘れられてしまう。」

「その方が楽だよ。」

ノエルが首を横に振ります。






―――ノエル。この世に生まれての、1番の痛みはなんだと思う?―――



再び響く、ノアの声。




「ルドルフ、この世から忘れ去られることは、1番悲しいことじゃ。
自分は、必要とされていないと思うことがな。」

「・・・・・・・。」

「少なくともわしは、今お前さんをとても必要としておる。
何より、一緒に空を駆け巡りたいと思っておる。」

「・・・・・・。」



ルドルフから涙がこぼれます。

しかしそれは、さきほどのものとは違うものでした。



「さぁ一緒に空を飛ぼう。」

ノエルが手を差し出しました。



ルドルフは――――――















「・・・兄貴、時間だぜ。」



ナヴィダの声が低く響きます。



「・・・・うむ。」

重くジニーが頷きました。

「・・・結局、ノエルは帰って来んかったのう・・・。」

ナタリスがうなだれます。



「・・・オレらは、オレらのことをやらなきゃいかん。」


「・・・そうじゃの。」



「・・・ジニー兄貴。」

答えたジニーを、ナヴィダが見つめます。

「・・・ん?なんじゃ?」

そして、ため息をつくと、

「・・・すまん。」

そう言って、ジニーに詫びました。


「・・・過ぎたことをいつまでも咎めても仕方ない。」

目を細めて言うジニーのその言葉を受け、ナヴィダは頭を下げました。





3人は、トナカイが繋いであるそりのところへやってきました。


「ほっほっほ。待たせたの。」

「さぁ、任せたよ、お前たち。」

「おう!出番だぜ!」


サンタクロースたちの言葉に反応し、トナカイたちはいっせいに動き出します。



雪は、さきほどの強風が嘘のように止み、綺麗な星空がサンタクロースたちの背景を演出しています。







3人のサンタクロースたちは、手際よくそれぞれのプレゼントを子供たちに配っていきます。





・・・しかし、ノエルはやはり姿を現しません。






誰もがノエルの登場を諦めたその時、

とてもおいしいにおいが、辺り一帯を包みました。



「・・・・ん・・・これは・・・。」

ジニーがそう言い、トナカイたちが鼻をくんくんさせます。

「・・・・ほっほっほ。全く、ひやひやさせるヤツじゃわい。」

「・・・フン!やっぱりどんくせーヤツ。」



3人が見上げるその先には、

ぴかぴかに光る赤い色をたずさえたそりが、嬉しそうに大空を駆け回っていました。





「・・・兄さんたち!」




そりは3人の前に降り立ちました。

言うまでもなく、ノエルとルドルフです。





「・・・ノエル、ルドルフを見つけることができたんじゃな・・・。」

うるんだ瞳で、ジニーが言いました。

「兄さん、話せば長くなるんじゃが、ノアと言う占い師に導かれて・・・。」

フフッと、ジニーが笑います。

「先代の、希望のサンタクロースじゃよ。」

「えっ・・・?」

「ルドルフを追放したことを悔いた彼は、サンタクロースをやめたんじゃ。
ルドルフに、ハーミーと言う希望を残してな。」

「・・・・あ!」

ノエルはルドルフは希望をもらったと言っていたことを思い出しました。

「・・・そうか、ハーミーは、ノアが・・・。」


「ルドルフ、すまんかった。
わっしではお前を解放することはできんかったのじゃよ・・・。」

「ほっほっほ。
認めたくないがのう。愛の力は1番偉大だったと言うことじゃな。」

「オレは認めねーよ!」


ルドルフは笑っていました。

「ボク・・・ボク・・・サンタクロースのトナカイになれたんだね・・・。」

「お前は最初から、サンタクロースのトナカイじゃよ。
しかも、とびきりのな。」

そう言ってジニーは、ルドルフの鼻にちょこんと触りました。 


「その通りじゃ。
ルドルフのこの赤い鼻のおかげで、迷うことなくわしは家に辿り着くことができ、クッキーが間に合ったんじゃ。」

そう言って、ノエルはルドルフにこそっと耳打ちしました。

「他のトナカイじゃったら、間に合わんところじゃった。」

ノエルのその言葉に、ルドルフは涙を流しました。

見れば他のサンタたちも、おや、何だか良い顔をしています。

もちろん、トナカイたちも。

「ボク、こんなに嬉しいの、生まれて初めてだ。」

「そうかい、じゃ、今日は素晴らしい日だな。」

これはナヴィダ。

「ほっほっほ。さすがはクリスマス。」

ナタリスが微笑みます。

「ほんとにな。新しい家族が増えた。」

ジニー。

「おかえり、ルドルフ。」

そして、ノエル。





「・・・・ただいま!!!」



Fin








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Last updated  2009年12月25日 20時01分56秒 コメントを書く


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