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今日は第13巻でした、
コタ直江相手には妙に素直な高耶さん...!その言葉、直江に聞かせてあげて欲しかった!な、内容です(笑)
開崎直江、登場します。







                重い雲から舞い落ちてくる粉雪が、彼の肩にかかって、音も無く溶けて消えた。
 深い湖が茫漠と広がる山懐の光景を桟橋から見つめ、......いつか見たさびしい場面を思い出して、あの面影と哀しい背中をまぶたに浮かべながら、男は低く呟いた。
「ーーー寒い思いを、してるかもしれない」
 男は空中に静かに手をさしのべて雪を受けとめる。冷たい空気しかつかめないさびしい腕を、誰かを抱くように折り、胸にあて拳を握り、静かに瞼を閉じ、押し殺した声で何か呟いた。











 闇のなかに、白いものがちらついた。火照った頬に小さな冷たさが舞い降りたのを感じて目をあげる。
 四角い都会の夜空から、小さな雪が降ってくる。
 体に降りかかる雪に、高耶はなぜかぬくもりを感じた。誰かの想いが降ってきて、自分を包んでいくような気がして、心臓の痛みがわずかだがやわらいだ。
 早くここに来い......、と。
 返事をかえすように、高耶は虚空に呼びかけた。
 自分はここにいるからーーー。
 おまえの腕じゃないと駄目だから。
 抱き起こして、
 はやくこの痛みを取り除いてほしい。

 遠くから、おまえが呼ぶ声がする。

 はやくきてほしい。
 はやくここに、......きてほしい。




「景虎様?」


「直江……」
「…………」

「言いたいこと?」

「オレに、伝えたいことはないのか」
「景虎様。仰っている意味が」
「あるだろう!言いたいことが!いま言わなきゃならない言葉があるだろう!いまおまえがしなきゃならないことが!おまえにしかできないことが!」



      わがままな景虎様…(汗)
      おろおろと動揺を隠せない、気の毒なコタ。





「……怪我、してますね」
「…………」



「転んだんですか」
「…………」
「岩場での怪我は甘くみないほうがいい。痛くなくても、ちゃんと消毒したほうがいいですよ」



 ふわっ、と包みこむように、ぬくもりが背中から被さった。相手の体温がそのまま背を覆ったような感じがした。それとともにどこかで嗅いだ香水の香りをかすかに感じて、高耶は目を見張った。
「…………」

「……海風は冷たいから。体に気をつけて」








「も、もうっ。しっかりしてよ、景虎。気にすることなんてないわよ。たまにいるのよっ、あーゆーいきなりわけのわかんないカッコつけする男!真に受けちゃ駄目よ!あんたはそうじゃなくても年上の男に弱いんだからっ」
「誰が男に弱いって」
「こ、言葉のあやよ」




      ねーさん、ぜんぜんフォローになってない(笑)





「―――-今日、江ノ島で彼らに会った」
「彼ら?……!会われたのですか……っ」
「ああ」

「寒い瞳をしていた……」





(あんたなら、とっくにそうしてやってたかもしれないわね、直江)
 直江だったら迷わずこんなとき、高耶の胸を強引にこじあけてでも、聞いてやったにちがいない。閉ざした心を、強姦でもするかのような強引さで、こじあけて、楽にさせてやったはずだ。








(……ああ、そうか)

(あのときか……)
 夕暮れの中禅寺湖で、直江が告げた言葉だ。
 体に気をつけて、と。


慰めなど期待するな、と突き放すようなことを言いながら、あのときだけ。あの言葉だけはひどく優しくて、かけられた上着のぬくもりとともに、……忘れられなかった。
(どうしてだ……)


(……こんなはずじゃなかったのに)




(おまえのせいだ)
 わがままに求めてもいいのだ、と。
 おまえが、手を広げて許したりするから。そうやって甘やかしたりするからいけない。本気で求めてしまう。求めてしまった。
(オレは、求めてもいいんだろう?)
 欲しいと言ってほしい。もっと欲しがってほしい、離れないでずっとそばにいてほしい。独りにさせないでほしい、と。おまえに求めてしまうことを、おまえは許してくれるのだろう?
 許してくれていただろう?
(ちがうのか、直江)


 直江はどんなに荒んでも-――どれほど深く絶望しても、最後には、……そう。いつも無償のぬくもりをくれた。見返りを求めないあの深い優しさで、包んでくれた。
 ―――大丈夫。……怖くない。





「おまえ、オレのこと『高耶』って呼ばなくなったな……」
「?」

「どうしてなんだ?」

「……おまえにああやって呼ばれるの、別に…嫌じゃ…なかったのに……」
「そちらの名前でお呼びしたほうが、よろしいのですか」
「…………」

「よろしいとかよろしくない、とか。そういう問題じゃない」

「じゃあどうしておまえは、オレのこと『高耶』って呼んでたんだ?ずっと『景虎』でだけ呼んでたらよかっただろう?記憶がないオレに気をつかってたのか。ただそれだけなのか?」
「…………」
「だったら思い出したあとまで『高耶』で呼ぶこと、なかったはずだろう。どうしてなんだ?なんで『高耶』って呼んだ。どうしてそう呼ばなくなった」

「別にどっちじゃなきゃだめだってわけじゃない。……ただ、オレは」

「『高耶さん』って呼ぶときのおまえが、なんだか……好きだったからーーーー-……」



      どこまでもコタを追いつめる高耶さん、酷なご主人だ(笑)
      しかし本物の直江相手にはこんなこときっと一言だって言ってあげた      りしなかったはずなのに、とても素直な高耶さん…!





「おまえはもう、やめたのか……」

「もうなにも感じないのか。オレのことも、もうどうだっていいことなのか」
「……どうでも…なんて……」
「オレはいまでもやめてない。いまだってずっと考えてる。どうしたら一番いいのか。どうあるのが一番いいことなのか。探してる、考えてる、こんなに!なのにおまえはなにも探してない!探るどころか、断ち切っていった!どうして……!」

「オレたちはこれからだったんじゃないのか!これから探し出すんじゃなかったのか!終わりにするんじゃなくて、これから!ふたりで!探り出すんじゃなかったのか!」

「なにもかもこれからだったのに!」





「感じればいいのですか。ここであなたに性欲をおぼえるのが正しいのですか」





     どこまでもかみ合わない…コタ、気の毒だが、自業自得か(?  笑)     高耶さんもあまりに素直でイタい…
     結局、どの巻も、イタい。


(出典:集英社コバルト文庫 炎の蜃気楼シリーズ 第13巻 桑原 水菜 著)





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Last updated  2005.04.28 20:14:24
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