Windows 10は「Virtual Secure Mode」(VSM)と呼ばれる広範なセキュリティ機能を備える。VSMは仮想化ベースのセキュリティ機能で、「Virtual Trust Level」(VTL)と呼ばれる信頼性のレベルに基づいて、「Isolated User Mode」(IUM)という分離環境を作成する。分離環境ごとにメモリ領域が割り当てられ、下位のレベルで実行されるコードは上位のレベルにアクセスできない。IUMは、保護されたランタイム環境となり、攻撃によってメインのOSが侵害されても機密データや認証情報は保護される。
BitLocker
Windows 10の一部のエディションにはストレージを暗号化するデータ暗号化機能「BitLocker」が組み込まれている。OSドライブだけでなく、外付けHDD、USBメモリ、SDカードなどのリムーバブルメディア(取り外し可能な記録媒体)も「BitLocker To Go」を使用した暗号化が可能だ。
多要素認証
Windows 10は、パスワード不要の認証機能「Windows Hello」と「Microsoftアカウント」、およびクラウドサービス版のディレクトリサービス「Microsoft Entra ID」(旧「Azure Active Directory」)との連携を通じた多要素認証(MFA)をサポートしている。Windows 10でMFAを使用するには、エンドユーザーのMicrosoftアカウントでMFAを有効にするか、組織がMicrosoft Entra IDを通じて強制する必要がある。
Windows 10とデータプライバシー MicrosoftはWindows 10搭載デバイスを診断し、アクティビティーデータを収集する。UX(ユーザーエクスペリエンス)の改善や広告のパーソナライズが主な目的だ。ユーザーは、Windows 10のプライバシー設定で、Microsoftに渡す個人情報の範囲を調整できる。