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勿忘草の咲く町で 安曇野診療記 (角川文庫) [ 夏川 草介 ]
今回は90を超えてなお、認知症にもならず高血圧、心不全で自宅療養していた女性。胆石胆管炎で入院し、内視鏡的処置が必用と告げる医療スタッフに、もうそういった治療は要らないと自ら話す。それを尊重して、処置せずきり抜けた母親に「死に損なった」と笑って話しかける息子。
一方で、認知症なのか何かの後遺症なのか、発語もないまま、誤嚥性肺炎で施設から送られてきた高齢男性。身内は孫息子だけ。忙しいのか「胃瘻でもなんでも、できる限りのことをしてあげてください。」と祖父さんの顔も見ずに、医師にそう話して足早に帰っていく。
治療しても早晩旅立つ
治療しなければ間違いなくすぐに旅立つ
本来あるべき姿は、医療者は選択肢を提示する、そして家族が本人と相談して、相談できなければ家族がその意思を推定して、治療方針を決める。
今回の女性患者のケースの方はうまくいっている。
男性患者のケースはうまくいってない。
しかし、日本の現実は大半は後者だ。
だからこそ医療者には哲学が必要なのだ。
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