Aires IIIc

Aires IIIc

Airesiiic

- Impression -

 ワタシは “Leica” のカメラを唯の一台すら所有して居ない。
それは、あの高額な対価を払ってまで欲しくはない!とも言える (強がれる?) が、ライカの周りに蠢くある種の権威主義が鼻持ちならないと言う理由にもよる。
 しかし一方で、「クローン・ライカ」 とも呼べるようなカメラはチョコチョコッと数台持って居るのだから、大見得を切ったところで高が知れようと言うものだ。

 これは、日本製の “Aires iiic” である。
ニセ・ライカとしては比較的に珍しい “M3” のクローンだ。
 と言うのも、バルナック型であれば、戦時中における国策製品として各国製が存在するワケだが、そもそもM型は戦後のプロダクトであり、それをここまで堂々と臆面も無くコピーしちゃったところが凄い!
 今の日本の製品でこれをやったら、それこそ大変なバッシングを受けるであろうし、間違いなく巨額の賠償請求をされるであろう事は想像に難くない。

 それだけこのAires iiicが売り出された1958年頃は、まだまだ日本の工業力など欧米先進諸国から見れば “ひとつの萌芽” に過ぎなかったのだし、Leitz社が横綱の懐の深さを見せた・・・とも言えるワケだ。

 そんな 「物真似お猿さん」 のようなカメラではあるが、レンズは開放f値が1.9だし、パララックスの自動補正まで装備して居たりと、なかなかに侮れない仕様なのだ。
 今では中古市場でそこそこに人気の機種ではあるが、このiiic型発売の2年後にアイレス写真機製作所自体が倒産してしまった事実は惜しまれる。
 それは、未だに存続して居たら、その後どんなに世間がアッと驚くようなクローンを売り出したか?が実に気に掛かるからだ!

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