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不動産屋さんの内覧を舞台にしたミステリー。しかも開店するのは午前2時だから訳ありの人が部屋探しにやってくる。ワケあり格安物件の部屋謎に残された違和感から真実を探る「日常の謎解き」ミステリー。一緒に謎を探る不動産屋の社長がイケメンの若者というのはどうかと思ううが、事件性よりも人の心に寄り添う展開が多く、読み終えた後は温かい余韻が残ります。まさに「ほっこりミステリー」。軽やかに読めて、じんわり心に残るハートフルな一冊だった。午前二時不動産の謎解き内覧 [ 奥野 じゅん ]価格:759円(税込、送料無料) (2025/8/31時点)楽天で購入2025/8/25読了 大がかりな犯罪や事件が描かれるわけではなく、ほんの小さな違和感やささいな物の配置から真実に迫っていくのが面白い。「日常の謎解き」という言葉がぴったりで、日常生活に潜むドラマを丁寧にすくいあげていると感じた。 この連作集の魅力はそれぞれの短編のラストにあって、謎が解かれることで「人の心のつながり」や「その人らしい生き方」が見えてきて、読者の心にも温かい余韻が残る。まさに「ほっこりミステリー」。単なる知的な謎解きの楽しさだけでなく、人間味を感じさせるハートフルな後味の作品。 軽やかな読み心地ながら、じんわり心に残る良作です。暮らしの中に潜む小さな「謎」と「物語」に触れてみたい方におすすめの一冊でした。 ご訪問ありがとうございました。しばらく本が読めませんでしたがぼちぼち復活したいと思います。
2025.08.31
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・マイブームのAIの医療関連本は4冊目(たぶん)。表紙の猫ちゃんの画像が印象的。これもAIで作成した画像なのだろうと思う。医療者のためのChatGPT 面倒な事務作業、自己学習、研究・論文作成にも! [ 松井 健太郎 ]価格:3,080円(税込、送料無料) (2025/5/2時点)楽天で購入2025/5/1読了・AIを活用している現役医師3人による執筆。実践的で初心者から役に立つのだけど後半第4章は学会発表や論文執筆にための話なので今の自分には関係なく読み飛ばし、あと初版が2023年12月なのでまさに日進月歩のAI分野の本としてはちょっと情報が古いのかもという懸念もあり。もちろん基本や概観を知るには読みやすくていいと思う。ご訪問ありがとうございました。
2025.05.02
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〇「もしも坂本龍馬が西郷隆盛と木戸孝允にパワポで薩長同盟のプレゼンをしたら」という序章「薩長同盟『水と油を混ぜるぜよ!!』から始まる・歴史の本かと思って読みはじめたら実は歴史好きな著者が書いたプレゼンのテクニック本だった。【楽天ブックス限定特典】歴史的プレゼン(大久保利通+木戸孝允の「明治政府の廃藩置県を知藩事に納得させるテレビショッピング風プレゼン!」動画) [ 前田鎌利 ]価格:2,068円(税込、送料無料) (2025/5/2時点)楽天で購入2025/5/1読了・プレゼンとはまた違うのだけど講演でPPTを使う機会はある。これを機会にちょっとブラッシュアップしてみようかという気にさせられたので読んでラッキーだった。なので、予想とは違ったのだけど読んで良かった本にランク付けされたのでした。役立つテクニック・「めくり効果」でワクワク効果を演出・視覚の基本は「Zの法則」・左から右への視線誘導・左グラフ右メッセージ・伝えることを3つに絞る・キーメッセージは「13文字の法則」・1スライドは105文字まで・補足するなら40字程度に・「セブンヒッツ理論」で記憶に残す・「公式法」ですぐわかる ・自分ごとにさせる4つの「つかみ」=①質問②数字③マイストーリー④宣言→いろいろテクニックはあるが、とりあえずは「つかみ」が大事かなと考えたご訪問ありがとうございました。
2025.05.02
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荻原浩さんの作品は外れなくいつも「うまいなあ〜」と唸らされる。舞台は“神森”と呼ばれる不思議な森。そこで起きたのは、ASD(自閉スペクトラム症)の少年・真人くんの「神隠し」事件。警察も地域も大騒ぎになる中、物語は真人くんがその森で過ごした“7日間”の謎が主題。笑う森 [ 荻原 浩 ]価格:2,420円(税込、送料無料) (2025/4/23時点)楽天で購入2025/4/17読了 だけど、この物語の主役は彼だけじゃない。真人くんが偶然出会った、大人たちがまたそれぞれに問題を抱えていてむしろ群像劇だたとえば——・美那:彼氏の死体を森に捨てに来た女性。事情はあれどインパクトがすごい。・拓馬:原始的生活を売りにするユーチューバー。森の中で理想と現実に苦しむ姿がなんとも…。・谷島:病気の娘のためにヤクザの金を持ち逃げして逃げ込んだ父親。泣ける。・理実:人生に疲れ、自殺するつもりで森に入った中学教師。思わず応援したくなるキャラ。 そんな彼らが、真人くんとの交流を通じて少しずつ変わっていく様子が、静かで、それでいてどこか可笑しい。森の中で共同生活のような時間を過ごすうち、誰もが「なんでこんなところにいるんだっけ?」という気持ちになっていく。それが面白い。 荻原さん独特の、ちょっととぼけたユーモアが全編に効いていて、テーマは重いはずなのに読後感はふわっと軽やか。一人ひとりのキャラクターがちゃんと生きていて、なんだかんだで「案外みんないい人だったな」と思えてしまう。 笑えて、ちょっと切なくて、でも最後には優しさが残る。荻原浩さんらしさがギュッと詰まった、群像劇の傑作でした。 ご訪問ありがとうございました。
2025.04.23
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新川帆立さんの小説『ひまわり』を読んだ。読後、しばらくそのままページを閉じられず、心の奥に何か温かいものがじわじわと広がっていくのを感じていた。久々に「泣けた」と言える小説だった。■作者についてまず作者の新川帆立(しんかわ・ほたて)さんについて。東京大学法学部卒で、弁護士としての実務経験も持つという、まさに“書ける人”だ。デビュー作『元彼の遺言状』で注目を集めて以来、ミステリーだけでなく、人間ドラマにも深みを持たせる作風が印象的だ。本書もその延長にありつつ、ひときわ静かな熱量に満ちている。ひまわり [ 新川 帆立 ]価格:2,090円(税込、送料無料) (2025/4/14時点)楽天で購入2025/4/9読了■物語のあらすじと印象主人公のひまりは、33歳のOL。ある日突然、交通事故により頸髄損傷を負い、首から下を動かせない四肢麻痺になる。そこから入院、手術、リハビリといった過酷な日々が始まる。物語は一貫して淡々と進むが、だからこそ一つひとつの出来事が、心にしっかりと届く。「自分を支えるチームを自分で作るってことですか?」このセリフは、ひまりの再生の大きな分岐点だ。人生は誰かに支えてもらうのを待つものではなく、自ら支えを求め、作り上げるものだという気づき。これは、彼女が再び前に進むための“自力で見つけた灯”だったように思う。■人との関係の織り成す物語この小説は、障害をテーマにしているというよりも、“つながり”と“再構築”の物語だ。元同僚、リハビリ仲間、幼なじみのレオ、そして何より大きな存在感を放つのが、介護者としてひまりを支える女性・ヒカルだ。ヒカルは、最初から最後まで、ひまりのそばにいた。時に頼もしく、時に不器用で、それでも決して揺るがずに。彼女の存在がなければ、ひまりは弁護士になるという目標を持つことすら難しかったのではないかと思う。介護者としての距離感だけでなく、一人の人間として、友人として、ひまりを支えるその姿に、深く胸を打たれた。最初は少し距離があったふたりが、心の奥で静かに結びついていくプロセスは、華やかではないけれど、じんわりと心に沁みてくる。■ひまわりが象徴するもの作中、弁護士バッジのモチーフとして登場する「ひまわり」。その花は、内側にある「はかり」とともに、公正・平等、そして自由と正義を象徴しているという。「でも、ひまわりがどうして自由と正義の象徴なのか、誰も知りません」この一文がずっと心に残っている。ひまわりは、根を張ったその場から動けない。それでも、太陽に向かって首を伸ばし、まっすぐに咲く。その姿は、体の自由を奪われながらも、自分の意思で未来を切り開こうとするひまりそのものだ。自由とは、どこまでも走り回れることではなく、「自分で選び取る力」を持てることなのかもしれない。そう気づかされる。■現実に重ねて医療に関わる立場として、これまでに何人か頸髄損傷の患者さんと出会ってきた。友人にも一人いる。どれほど多くのものを失い、それでもなお「何かを取り戻す」ために歩み出す姿には、いつも言葉にできない感動を覚える。本書はフィクションではあるが、モデルとなった方が実在するらしく、その方は男性なのだとか。実話に基づいていなくても、「現実にありうる」と読者に思わせる力を、この物語は確かに持っている。■さいごにこの物語は「奇跡の感動作」ではない。劇的な展開もない。それでも、ひまりの生き方に、登場人物たちの支え合いに、読む側が自然と涙を流してしまう、そんな静かな力がある。読後、私はふとベランダの鉢植えのひまわりを思い出した。去年の夏、陽射しに向かって咲いた、あのまっすぐな姿。動けなくても、咲ける。どんな場所でも、まっすぐに陽を見ていられる――そんなメッセージを、この小説から確かに受け取った。新川帆立さんの筆致はやわらかく、それでいて芯がある。読後しばらく、彼女の作品をもっと読みたくなってしまった。静かな力強さに満ちた一冊でした。ひまわりの花が好きな人にも、人生に立ち止まっている人にも、ぜひ手に取ってほしい物語です。ご訪問ありがとうございました。
2025.04.14
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・中野京子さんの『怖い絵』シリーズと、早川いくをさんの『へんないきもの』シリーズ、二つの異色ベストセラーが合体したような、奇妙で美しくてちょっと怖いもの好きにはたまらない一冊。対談形式で読みやすく、動物と絵画、両方の「怖い」や「変」を楽しめる構成になっている。怖いへんないきものの絵 [ 中野京子(ドイツ文学) ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2025/4/13時点)楽天で購入2025/4/13読了・ただ、タイトルにかなり期待してしまったせいか、実際に読んでみるとその分肩透かし感も。もう少しディープな「怖さ」や「キモさ」を想像していたので、やや物足りなさを感じたのも正直なところ。・西洋絵画においてヌードを描くのが当たり前のような約束事だったことや、ギリシャ神話・キリスト教が画題の定番であるという再発見は興味深い。日本美術とはまったく異なる価値観と文化の土壌があるのだなと改めて感じた。・深淵をのぞくつもりで開いたら、意外と親しみやすい奇妙な動物園と美術館だった、そんな一冊。ご訪問ありがとうございました。
2025.04.13
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・どうにも変なタイトルの本がある。「死んだ山田と教室」。ぱっと見、なんだそれ?と声に出しそうになる。山田が死ぬ?教室?それでいて本屋大賞の候補になったっていうじゃないか。そりゃちょっと読んでみっか、と思うのが人情ってもんだ。・読んでみたら、これがまた、アホみたいにバカバカしい。いや、バカバカしいってのは褒め言葉だ。何しろ、冒頭から死んだ山田が教室のスピーカーに憑依して、クラスメートとワーワーやってる。下ネタだの悪ふざけだの、あんたほんとに死んでるのか、ってくらい元気いっぱいの幽霊である。死んだ山田と教室 [ 金子 玲介 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/4/13時点)楽天で購入2025/4/12読了・正直に言うと、最初のうちは「こりゃ合わねえかも」と思った。こっちはまあまあ年も食ってるし、青春のドタバタには付き合いきれんぞ、と思った。でも、ページをめくる手がなんとなく止まらない。気がついたら、山田の声と、それに応じるクラスメートたちのやり取りが妙に面白くて、なんだか懐かしい気分になってきた。・そうだよなあ、と思った。オレも高校生だった。もう50年も前のことになる。制服はあったけど自由があって、男女共学で、スカートの短い女子をチラチラ見ては叱られ、授業中にくだらない手紙を回してはバレて怒られ、放課後に無意味に河原を歩いたりした。とにかく、無駄なことばっかりやってた。けど、その無駄が、なんだかとても大事なものだった気がする。・最近の高校生は酒もタバコもやらんのだろう。真面目でえらい。でも、会話のテンションとか、くだらなさ加減とか、ああ、そうそう、こういう感じだったよなあって思わずニヤニヤしてしまう。・んで、話はだんだん進むにつれて、ちょっとだけシリアスになっていく。生きてる連中は当然、未来に進んでいく。進学とか、恋愛とか、別れとか、いろんなことが起きる。でも、山田は変わらない。スピーカーの中にいて、ずっと同じ教室にいる。これが、なんとも切ない。・時間が経てば、どんな仲間も変わっていく。みんな、なんとなく離れていく。オレも昔のクラスメートと会うことは、もうほとんどない。山田のように、過去に取り残されて、それでも「みんなといたい」と願う気持ちは、すごくわかる。あの時間にだけ流れていた、特別な空気ってのがあるんだよな。・でもまあ、最後の展開は、ちょっと驚いた。というか、「なんじゃこりゃ!」って叫びたくなるくらいのカオス。物語の終わらせ方としてはどうなんだ、と言いたくなる気持ちもあるけど、それでも妙に嫌いになれない。・この作品は、たぶん、思春期っていう季節の中の、一瞬の永遠を描いてるんだと思う。すごくバカで、下らなくて、でも忘れられない時間。オレにとっては、それが妙に懐かしくて、ありがたかった。・星いくつかって? そうだな、終盤のドタバタを含めても、オレ的には星4つ。山田、よく頑張った。お前、いい幽霊だったよ。ご訪問ありがとうございました。
2025.04.13
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・入りが素晴らしくていきなり掴まれる。著者の職業は医師、鮎川哲也賞を受賞してデビュー。・生殖医療がカギとなる医療ミステリーだとは早いうちに気が付くが、タイトル「禁忌の子」の意味がまさかそう言うことだったとは!禁忌の子 [ 山口 未桜 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2025/4/6時点)楽天で購入2025/4/6読了『禁忌の子』は、現役医師である山口未桜氏が第34回鮎川哲也賞を満場一致で受賞し、デビュー作として世に送り出した医療ミステリーである。さらに本作は、2025年本屋大賞にもノミネートされており、その注目度の高さがうかがえる。物語は、32歳の救急医・武田航が、自身と瓜二つの溺死体と対面するという衝撃的なシーンから幕を開ける。この冒頭は、読者を一気に物語の世界へと引き込む力を備えている。 武田と同僚の城崎響介は、事件の真相を追う過程で、不妊治療クリニックの存在、そしてそこで行われていた特殊な医療の実態に迫っていく。生殖医療が物語の鍵を握ることは早い段階で示されるが、タイトル『禁忌の子』の真の意味が明らかになるにつれ、読者は想像を超える展開に驚かされることとなる。 本作の魅力の一つは、現役医師ならではのリアルな医療描写にある。救急医療現場の臨場感あふれる描写や、専門用語の的確な使用は、物語に深みと説得力を与えている。 また、武田と城崎の関係性も見どころのひとつである。冷静沈着で論理派の城崎と、感情豊かな武田の対照的なコンビネーションが、物語に絶妙なバランスをもたらしている。 ご訪問ありがとうございました。
2025.04.06
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実は私、在宅療養支援診療所で、終末期医療や在宅看取りに関わる医師をしています。日々、患者さんやご家族の人生の最終章に寄り添うなかで、自分自身の価値観や考え方も揺さぶられることが少なくありません。そんな日常の中で手に取った一冊、藤岡陽子さんの小説『森にあかりが灯るとき』は、まるで私たちの現場にそっと灯りをともしてくれるような、温かくて切実な物語でした。森にあかりが灯るとき [ 藤岡 陽子 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/4/6時点)楽天で購入2025/4/5読了 舞台は、特別養護老人ホーム「森あかり」。主人公は、かつてお笑い芸人を目指していたという異色の経歴を持つ青年・星矢。介護の世界に足を踏み入れたばかりの彼の視点を通して、介護の現実、そしてそこで働く人びとの葛藤や願いが浮き彫りになっていきます。 この小説が素晴らしいのは、介護現場の理想と現実、その「どうしようもなさ」までもを、誠実に描いている点です。「ぎりぎりの現場」「誰が責任を取るのか」という問いが繰り返し立ち上がる場面では、まるで自分が現場にいるかのような臨場感があります。 読み進めながら、私自身の臨床での経験が何度もよみがえってきました。たとえば、ある場面で登場人物が「無理に食べさせる必要、あるんですかね」とつぶやきます。これは終末期ケアに関わる者なら一度は向き合う問いです。こ こで、ふと私自身の思いが引っかかりました。経口摂取が難しいと判断された高齢者に対し、「誤嚥のリスクがあるから」「スタッフの手間がかかるから」といった理由で、本人の意向を無視して経管栄養を条件に受け入れを判断するような施設が、もし今もあるとすれば、それはとても悲しいことです。たしかに経管栄養は安全で効率的かもしれません。けれど、最期の時間を「食べたい」「味わいたい」と願う方にとって、それを口から楽しめることの意味は計り知れないのです。 介護の現場で働くスタッフや医療職も、決して冷たいわけではありません。ただ、制度の制約、人的資源の限界、訴訟リスク……そうした“見えない力”に縛られて、理想を貫けないジレンマの中に置かれていることが多い。藤岡さんは、そうした現場の現実を一人ひとりの視点から丁寧に描き出し、読者に「簡単にジャッジできることではない」と伝えてくれます。 物語後半、かつて劇団に所属していた施設長が、入所者たちの前で一幕の芝居を演じる場面があります。一見冷淡だった彼の過去と心が明らかになるこの場面には、何かしら「人としての回復」のようなものがあって、思わず胸が熱くなりました。「自ら光を放つ、小さな灯火たれ!」この言葉が、まるで作中の登場人物たちだけでなく、今を生きる私たちすべてに向けられているようでした。 一方で、介護の未来に対する提言が「ロボットの導入」に偏っていたことには、個人的に少し物足りなさを感じたのも事実です。テクノロジーは確かに大切です。でも、それだけでは足りない。「誰かに大事にされている」「気にかけられている」――その実感こそが、人生の終末期における“あかり”ではないでしょうか。 『森にあかりが灯るとき』は、在宅医である私にとっても、ケアの本質を改めて考えさせてくれる作品でした。そして、医療職だけでなく、介護に関わるご家族や、人生の最終章にどう向き合うか悩んでいるすべての人に読んでもらいたい一冊です。 ご訪問ありがとうございました。
2025.04.06
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中島京子さんの新作『坂の中のまち』を読んだ。読み終えてすぐに、これは「東京地形文学」とでも呼びたくなるような一冊だと感じた。もっとも、そんなジャンルがあるのかどうかはさておき、この作品がその先駆けのひとつにはなるだろうと、私はやや誇張ぎみに断言したいのである。 なにしろ、出だしからして異色だ。坂の中のまち [ 中島 京子 ]価格:1,760円(税込、送料無料) (2025/4/5時点)楽天で購入2025/3/31読了 物語は、文京区の台地の成り立ち、二百万年前の地層の話から始まる。坂に始まり坂に終わる、というより、坂の中で生き、坂の中で暮らし、坂の中で秘密が明かされる。いっそこれは「坂文学」と呼んでもよい。ついでに、もし本書が中学校の教科書に採用されるならば、地理と国語の二科目分を同時に履修できるに違いない。 さて、語り手は富山から上京した短大生・真智。東京での住まいを祖母の親友である志桜里さんの家に間借りすることになり、坂の多い町にやってくる。ところが、この志桜里さん、ただの「祖母の親友」ではなかった。ネタバレを恐れずに申し上げると、実は真智の「実の祖母」だったというのである。 まったく、祖母というのは小説においては実に都合のいい存在である。しかもこの志桜里さんが破天荒な元ヒッピー、かたや戸籍上の祖母・澄江さんは真面目一辺倒の女学生だったというから、まるで昭和の女学生小説と平成の自由人ドキュメンタリーを合体させたような、時空の綱引きが物語のなかで繰り広げられている。 しかもこの物語、坂の話だけにあらず。冒頭から幽霊が登場する。「フェノロサの妻」と題された章に現れるのは、明治の西洋婦人・メアリーさん。読者としては、え? 幽霊? そっち方面の話? と戸惑うが、その戸惑いすら作者の術中である。次の章では、またしても幽霊のような文学青年・エイフクさんが登場するが、こちらは生きていた。つまり幽霊かと思えば人間で、人間かと思えば幽霊である。なんとまあ、物語というのは便利なものである。 ところでこの真智という娘さん、なかなかに「普通」なキャラクターである。彼女自身が「私はぱっとしない」と述懐する場面があるが、それがまたよい。小説の主人公というのは、つい奇抜にしたくなる誘惑に駆られるものだが、彼女はその点、まるで読者の隣の席にいそうな存在感を保っていてくれる。だからこそ、この町と坂と建物と地層の話が、どこか身に迫ってくるのだ。 作中、「わたしはあくまで澄江さんの娘って決めたの」という真智の言葉がある。血のつながりではなく、心の選択で家族を決める。まるで『父と暮せば』のヒロインが言いそうな台詞ではないか。井上ひさしを引き合いに出すのもなんだが、これは作者の倫理観と優しさの表現であると私は読んだ。 ともかく、大事件もなければ、大爆発もない。殺人事件も隕石もタイムスリップも起こらない。なのに、じんわりと心にしみて、なんだかもう一度東京の坂を歩きたくなる。いや、できることなら「坂に住んでみたい」とすら思わせるのだ。これは文学にして都市案内でもある。小説にして心の地図でもある。 中島京子さんは、文学を「記憶の建築」として扱う数少ない作家だと思う。本書においても、建物が消えても、道が変わっても、坂のかたちは残る。そしてそこには人の記憶が折り重なっていく。これこそが、文学ができる「時間の保存」なのである。 何て言うんだろう、大きな盛り上がりもないし山場もない、ましてやミステリーでもないのに読後感が良くてまた次の作品も読みたくなってしまう作者だ。熱烈ではないけどファンなのだ。 ご訪問ありがとうございました。
2025.04.05
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いやはや、タイトルに「実践」と書いてあるから「これで診療所が劇的に変わるぞ!」と期待していたのだが、蓋を開けてみればなんとも近未来の話が多い。電子カルテの効率化や音声入力でカルテがサクッと仕上がる――そんな夢のような場面を思い描いていたのだが、どうやらその夢が叶うのはまだ先のようだ。医療のための生成AI実践ガイド [ 長 英一郎 ]価格:2,750円(税込、送料無料) (2025/3/27時点)楽天で購入2025/3/27読了・とはいえ、この分野の進化は恐ろしいほど速い。もしかすると、この本を読んでいる間にもどこかで画期的なツールが生まれているかもしれない。そう思うと少しワクワクしてしまうのが正直なところだ。・内容自体は興味深く、未来への可能性を感じさせるが、診療現場で即使える実践的な情報にはやや欠けている印象。それでも、これから先に訪れるであろう生成AIの進化に思いを馳せるきっかけには十分な一冊だった。さて、飲んで一息つきながら、AIがどんな相棒になっていくか、楽しみにしていこうと思う。
2025.03.27
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・還暦を過ぎ、診療所の所長として日々診療に励んでいるが、業務の効率化は常に頭にある課題だ。紹介状やカルテ記載のサマリをもっと手早く作れないか、また在宅医療や緩和ケア研修の準備にChatGPTが使えないかと思い、本書を手に取った。医師による医師のためのChatGPT入門 臨床がはかどる魔法のプロンプト [ 大塚 篤司 ]価格:3,850円(税込、送料無料) (2025/3/27時点)楽天で購入2025/3/21読了・内容はとにかく豊富で、一度読んだだけですべてを吸収するのは難しい。しかし、特にありがたかったのが付録のプロンプト集だ。必要なときに見返せばすぐに使えそうな実践的なものが揃っている。紹介状のテンプレートやカルテのサマリ作成のアイデアは、業務の効率化に直結しそうである。・また、ChatGPTは単なる文書作成ツールにとどまらず、在宅医療の説明資料作成や研修の講義準備にも活用できそうだ。たとえば、患者やその家族に対する説明文を分かりやすく作成する際にも、ChatGPTのサポートは有効だろう。専門用語を噛み砕いて伝える作業は案外手間がかかるが、適切なプロンプトを工夫すれば、より伝わりやすい文章を短時間で作成できるかもしれない。・研修講師の準備にも役立つと感じた。講義の流れを考えたり、スライドの構成を組み立てたりする際に、ChatGPTを活用すれば作業の負担が軽減されるだろう。実際にプロンプトを活用しながら試してみたが、思った以上に実用的なアイデアが出てくる。これまで手探りで作っていた資料が、より効率的に作成できるのではないかと期待している。・本書を読んで、AIが医療現場でどこまで役に立つのか、その可能性を改めて考えさせられた。ChatGPTは万能ではないが、使い方次第で医療業務の大きな助けとなるツールになり得る。AIをうまく活用すれば、業務の負担を減らしつつ、患者と向き合う時間を増やせるかもしれない。こうした技術が身近になった時代に生きていることに感謝しつつ、本書を参考にしながら、まずは紹介状やカルテ記載の効率化に取り組んでみようと思う。今後も試行錯誤を繰り返しながら、自分なりの活用法を模索していきたい。ご訪問ありがとうございました。
2025.03.27
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『なれのはて』という小説を読んだ。これがまた、なんとも暗く、重く、どろどろしていて、読んだ後になんとなく胃のあたりがもやもやするような話だった。いや、別に「読後感が爽やかでない小説はダメだ」と言うつもりはない。むしろ、人間の業とか過去の罪とか、そういうどうしようもないものを描く小説は嫌いじゃない。なれのはて [ 加藤 シゲアキ ]価格:2,145円(税込、送料無料) (2025/3/25時点)楽天で購入2025/3/19読了物語の中心にいるのは、無名の画家の作品に関する謎であり、問題を起こしてテレビ局の報道部から左遷された元報道記者である主人公と、その周りにいる人たちだ。報道の世界の厳しさ、業界の理不尽さみたいなものがビリビリ伝わってきて、「ああ、こういうことってあるよなあ」と思わされる。登場人物たちはそれぞれに事情を抱えていて、みんなちょっとずつ壊れている。そこにまた現実味があって、妙にリアルなのだ。それにしても、読んでいる間ずっと「これはなかなか骨太な作家だな」と思っていたのだが、読み終わってから娘に「加藤シゲアキってアイドルだよ」と言われてのけぞった。何だって? こんな話を書く人間が、歌って踊るアイドルだというのか? それはちょっとイメージが結びつかないではないか。正直なところ、アイドルが書いた小説と聞くと、もっと軽くて爽やかな話を想像してしまう。「芸能界の裏側」とか「光と影」みたいなテーマはあるかもしれないが、こんなに深くて暗くて、人間のどうしようもなさを突きつけるような話は想定外だった。しかし、ここで問題がひとつ浮上する。アイドルが書いたと知らずに読んだときは、「なかなかやるな」と純粋に思っていたのに、「アイドルが書いた」と知った途端に、「アイドルなのにここまで書けるのか!」という余計な評価ポイントが加わってしまうのだ。無意識のうちに過大評価してしまっている可能性もある。もし、この小説が無名の新人作家のデビュー作だったら、同じように感心しただろうか? それとも「まあまあ読めるな」くらいの感想だったのか? どうにも判断が難しい。これはまるで、美術館で見た無名の画家の作品を「すごい!」と思ったあとで、それが実は有名俳優の趣味の絵だったと知り、「え、そんなにうまいの?」と驚いてしまうのと同じ現象ではないか。作品そのものを評価しているつもりが、作者の経歴が入り込んでくることで、どうしてもフィルターがかかってしまう。とはいえ、そんな先入観を抜きにしても、この小説がしっかりと練られたストーリーを持ち、登場人物たちにリアルな深みがあることは確かだ。加藤シゲアキという作家は、アイドルの肩書きに甘えることなく、本気で小説を書いているのだろう。次回作を読むときは、もう「アイドル作家だから」なんていう驚きはない。純粋に一人の作家として、彼の作品をどう評価するのか。それが自分の中で試されることになりそうだ。ご訪問ありがとうございました。
2025.03.25
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・今年はヘビ年である。ヘビ年だからといってヘビを飼うわけでもないし、ヘビを食べる機会が増えるわけでもないのだが、なんとなくヘビに縁を感じてしまう年である。そんなわけで『ヘビ学: 毒・鱗・脱皮・動きの秘密』という本を読んでみたのだが、これがまた驚きの連続だった。ヘビ学 毒・鱗・脱皮・動きの秘密 (小学館新書) [ ジャパン・スネークセンター ]価格:1,155円(税込、送料無料) (2025/3/25時点)楽天で購入2025/3/13読了・まず、ヘビの分類について。アオダイショウやヤマカガシといえば、日本ではそこそこ有名なヘビだが、彼らが「ナミヘビ科」に属することを初めて知った。「ナミヘビ」? そんなヘビの名前、聞いたことがない。ナミってなんだ、普通ってことなのか? ナミって言われると、どうもありがたみが薄い。せっかくカッコいいアオダイショウも、ちょっと「普通のヘビです」みたいな扱いになってしまう気がする。・次に、ヘビとトカゲの違いについて。普通なら「トカゲには足がある! ヘビにはない!」という単純な説明で済ませてしまいそうだが、どうもそうじゃないらしい。世の中には「足のないトカゲ」なんていう、なんともややこしい生き物がいるのだという。だったらもう、それはヘビなんじゃないのか? と思うが、そういうわけでもないらしい。じゃあ何が違うのかというと、ヘビには瞼がない。だから目を閉じられない。ヘビは一生、目を開けっぱなしで生きているのだ。寝るときも目を開けたままらしい。そんなの、ものすごく目が乾きそうだが、そこはうまくできていて、透明な膜で守られているという。さらに驚くことに、ヘビには耳がない。鼓膜すらないので、基本的に音は聞こえていないのだ。たしかに、ヘビに向かって「おーい」と呼びかけても無視されるわけである。・そして、本書で最も衝撃だったのは、「ヘビはトカゲよりもエライ!」という事実である。普通、進化というのは足が生えて便利になったもの勝ちのように思う。しかし、ヘビの場合は逆だったのだ。トカゲが「足なんかもういらねえや!」と潔く捨てて進化したのがヘビなのだ。つまり、ヘビは不要なものを削ぎ落とした究極の存在なのだ。しかも、ただくねくねしているわけではない。ヘビがスムーズに動けるのは、体の側面の鱗と地面の摩擦をうまく利用しているからで、まるでベルトコンベアのような高度な仕組みを持っているのだという。なんだかヘビがますますカッコよく思えてきた。・さらに、ヘビ毒の話も実に興味深かった。ヘビの毒というと、フグのような神経毒で「噛まれたら即死!」みたいなイメージを持っていたのだが、実際は種類によって全然違うらしい。例えば、日本でおなじみのニホンマムシの毒は、筋肉細胞を壊し、最悪の場合、腎不全にまで至るのだという。地味に怖い。そしてヤマカガシの毒は、血栓を過剰に作らせる作用があるため、血が止まりにくくなるのだそうだ。しかもヤマカガシは「噛まれてもそんなに痛くない」ので油断しがちだという。そんな罠みたいな毒があるなんて、もう何も信用できない。・そんなこんなで、ヘビという生き物は、実に合理的かつ奥深い存在だった。足を捨て、耳を捨て、まぶたすら捨てて進化した究極の生命体。それがヘビなのだ。トカゲよりもエライのだ。こんなにエライ生き物なのだから、ヘビ年にちょっとくらい敬意を払ってもいいのかもしれない。とはいえ、やっぱり道端で遭遇したら全力で逃げるとは思うのだけれども。ご訪問ありがとうございました。
2025.03.25
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・この作品は、最初は自殺を助ける会社の代わりとして働くスガが、どんどん多くの業務をこなしていく中で、実は彼自身が物語の中心にいる人物であったことが明かされる展開が始まる。・自殺を助ける会社を舞台に、主人公が次第にその中心人物であることが明かされる物語。 三途の川を意味する「さんず」というタイトルに気づくのは物語が進んでからで、最初は少しモヤモヤ感が残ります。医師としては、死というテーマにもっと深く掘り下げた視点を期待しました。独自のテーマや最後の衝撃はこれからですが、もう少しストーリーテリングに工夫が欲しかった印象です。さんず [ 降田 天 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2025/3/23時点)楽天で購入2-25/2/22読了・ただし、全体的に感じたのは、途中で少しテンポが遅くなる場面があった。 仕事をこなしていく過程での展開はやや冗長に感じ、特に感情的な盛り上がりが少し欠けていたように思います。また、スガが主人公であることが痛かった時点で、彼の人物像や心情にもっと寄り添っていたと思いました。 彼の行動に対して理解が追いつくまでに時間がかかり、そのために感情移入がしづらかったが正直な感想です。・作品全体としては、テーマの独自性や最後に明かされる事実の衝撃など、一定の面白さはありました。死や人生に対して考察が込められている点では、次に読んで何かを考えさせられる部分もあり、他の人にはぜひ読んで手に入れたいと思わせるところもありますが、個人的にはもう少しストーリーテリングに工夫が欲しかったなと感じました。ご訪問ありがとうございました。
2025.03.23
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高橋秀実さんの本は何冊目だろう?ちょっと変なノンフィクション作家でラジオ体操の本が面白かったし、TV化された「弱くても勝てます」は母校の小田原高校で撮影されたらしいので親近感を持っていたのだけど・・・ご冥福をお祈りします。ことばの番人 [ 高橋 秀実 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/3/23時点)楽天で購入2025/03/06読了 日本語はとても奥深く、同時に曖昧さを持った言語です。本書『ことばの番人』では、その言葉を見守り、適切な形へと導く校正者の仕事を通じて、日本語の難しさや変遷に光を当てています。 特に興味深かったのは、日本語の歴史をたどりながら、古事記から現代の憲法に至るまでの言葉の使われ方について考察している点です。時代とともに言葉がどのように変化し、社会や政治にどのような影響を与えてきたのかを再認識させられました。言葉が生き物のように変わっていく過程で、失われたものもあれば、適切化が求められたものもあると感じました。 本書の中で特に印象に残ったのが、憲法における言葉の問題です。翻訳の際に生じる誤訳や、意図的な「誤訳」、あるいは曖昧化によって、言葉の持つ意味がいかに変わってしまうかを考えさせられました。憲法という公的な文書においても、言葉の選び方ひとつで解釈が変わることを考えると、言葉の力の大きさを改めて実感しました。 また、間違って使われた言葉が次第に広まり、それが「正しい」とされていく現象にも触れられています。言葉は静的なものではなく、社会とともに変化し続けるものであることを再認識しました。「誤用」とされていたものが、時を経て正しい表現になることもあり、その変化をどこまで受け入れるべきなのかという点も考えさせられます。 本書は、高橋秀実らしい軽妙な語り口で進んでいきます。時に斜に構えた視点や、少しひねくれたようなユーモアを交えながら、日本語の奥深さや言葉を守る大切さを語る筆致が魅力的です。普段何気なく使っている日本語が、実は繊細で美しいものであることを改めて感じさせてくれる一冊でした。ご訪問ありがとうございました。
2025.03.23
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・タイトルに「カモ」とありますが、鳥の話ではありません。詐欺師に「カモ」にされないために、我々が陥りやすい思考パターンと詐欺師の手口についていろいろなデータで解説している本です。詐欺対策にとどまらず日常の仕事にも応用が利く普遍的な考え方だと思う。「医療現場での行動経済学」と共通する見方だと思う。 全員“カモ” 「ズルい人」がはびこるこの世界で、まっとうな思考を身につける方法 [ ダニエル・シモンズ ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/2/12時点)楽天で購入2025/2/11読了・いままで自分の中でモヤモヤしていたけどうまく説明できなかったことが序盤で説明された4分割の考え方でスッキリした。例えば・・・ある治療(例として風邪薬)で患者さんが良くなった場合が4分割の左上、その治療を受けなかったので悪くなった場合が右下だとする。そこだけに注目すればその治療(風邪薬)は有効だと考えてしまうのだけど、その治療を受けなかったのに良くなった左下の人や治療を受けたにもかかわらず悪くなった右上の人たちの存在をきちんと意識して判断することが必要であるし、そのことが無視されがちであるということ。・うまい話に騙されないためには立ち止まって考える、相手に有効な質問をする、という態度がポイントだという話しだったと思うが、これってやっぱり仕事でも日常生活でも大切だと思う。とくに最近ではインターネットの情報に対してのリテラシーの重要性もすごく感じるしね。 ご訪問ありがとうございました。
2025.02.12
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・バリ山行といってもバリバリ山に登ることではなくて、登山地図に示されたルート以外のバリエーションルートを歩く登山のことです。沢登りや岩登り、冬山でしか歩けないルートなどをさすことが多いと思っていたけど、この本では六甲山中の登山道のない沢登りと藪コギの世界が中心で、なるほどこんなバリの世界もあるのかと思いました。バリ山行 [ 松永K三蔵 ]価格:1,760円(税込、送料無料) (2025/1/30時点)楽天で購入2025/1/29読了・で、バリバリ山に登る話ではなくて、リストラに会った主人公が新しい職場で誘われた山登りをきっかけにバリ登山に目覚めるまでを会社の運営や人間関係をからめて書かれたお話で山岳小説ではなかったのだけど・・・・怪しい上位企業の人に感化されて変節した社長と会社がどうなるのかはらはらしながら読んだのだけど結末は書かれていなかった。会社を去っていったバリ山行の師匠メガさんの行方も分からず、含みを持ったエンディング。・自分も山登りをやるのだけど、初めて沢登りをした時の新鮮な興奮を思い出した。そしてそれから沢登りにハマってしまったのだ。沢登りには藪コギがつきものなので共感しながら読めた。バリ登山アイテムなど)・メガさんは地下足袋派だったけど、沢登りではフェルト底のアユ足袋や渓流シューズを履く。地下足袋にワラジという人は今ではいないかな?で、雪山で使うものとばかり思っていたチェーンスパイクを活用するというアイデアには目からウロコだった。・ピックステッキ:ピッケルとストックのハーフ。これもバリで役立ちそう。〇「うまいんだよ」とカップ麺の残り汁に冷や飯を入れコッヘルに戻し、刻んだソーセージ、チーズ、味噌、胡椒を加えて再び煮立て、オジヤにして食べるという。 ・これは応用できそうだとメモメモです。 ご訪問&最後まで読んでい頂きありがとうございました。
2025.01.30
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・「体育がきらい」というタイトルに魅かれて図書館本。告白しますが、実は僕は「運動神経が鈍い」人間で、思春期は「体育が大きらい」でした。学生や社会人になってからも恥をかくのが嫌で体育やスポーツは嫌で避けていました。体育がきらい (ちくまプリマー新書 437) [ 坂本 拓弥 ]価格:968円(税込、送料無料) (2025/1/20時点)楽天で購入2024/12/29読了・社会人になって始めた登山にハマり(あまり運動神経に関係ないし)、中年を過ぎてから登山のトレーニングで始めたマラソンにもハマってトライアスロンまでやるようになって・・・勘違いされて?「スポーツマン」と呼ばれるようになった時期もあり、いやいやそうじゃないんですよと思いながらも嬉しかったりしていた。・トレーニングの仕方を勉強したり、故障してから医師という職業柄もあったので体のケアの仕方を学んだりしたことは面白かったしとても役に立ったと思う。この本を読んで、これこそが「体育」だったのではないかと分かった。「体育」=「スポーツ」でもないし「運動」というのとも違うのだ!ということで、自分の経験も踏まえて思うところとか語りたいこともたくさんあるのだけど・・運動神経の鈍い自分にも「体育」というものは学ぶべきものだったのだなと改めて確認された。ただ悲しいかな教える方にそういう思想がないということか。・自分が子供だった時代には、体育は好きな教科のトップだったし、嫌いな教科の最下位だったらしい(1989年統計)、実感としてもそう感じる。ところが今では好きな教科の第2位に転落して嫌いな教科の第3位に躍進?しているらしい(2021年)。昔はただ教室で勉強しなくていいからとか、放課後の遊びの延長みたいな体育が好きっていう感じだったと思うけど、今は感覚が変わっていているようだ。・本来動くことが好きだった子供たちが何で体育嫌いになってしまうのか体育の先生が考えた。「運動嫌い」と「体育嫌い」は別物、「体育の授業が嫌い」「体育の先生が嫌い」「体育の先生が嫌い」「運動部が嫌い」「スポーツが嫌い」「そもそも運動が嫌い」といろいろな側面からアプローチしてくれている。・けど「運動神経の鈍い」自分にとっては公開処刑のような体育は本当につらかったのだ。たまたま登山やランニングに目覚めてスポーツを楽しめるようになったし、それを通して自分の身体に向き合ったりトレーニングについて勉強することもできて「体育」の面白さや大切さに気が付くことができたのだけど。・運動神経が鈍くて球技や器械体操が苦手な子にも体のことや運動のことを学べる「体育」の授業が理想だと思うけどなかなか難しそう。・ところで、僕は息継ぎが出来なくて水泳は25m泳ぐのがやっと、得意な泳法は「犬かき」で大人になった。その後30年、水泳教室に通う娘に教えてもらったらその日に平泳ぎができるようになって、スグにクロールも。それからトライアスロンにも出場するようになった。小中高と習った体育の授業って何だったの!?と思ってしまった。・もはや読書感想ではなくなってしまった感はあるが、今までネガティブなイメージしかなかった「体育」に対して、本来の「体育」とは何か考え直すことは「体育きらい」だった自分を肯定的に捉え直すきっかけになったような気がする。スッキリしたわけじゃないけど読んでよかったな。ご訪問そして最後でお付き合いありがとうございました。
2025.01.20
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・行列に並んでいるのだけど何の目的でいつから並んでいるのか分からない、自分が何者かも思い出せないという設定の難解というか、登場人物や読書である自分の立ち位置もつかみどころがなく居心地の悪い小説でちょっと苦手な小説だった。列 [ 中村 文則 ]価格:1,540円(税込、送料無料) (2025/1/17時点)楽天で購入2025/1/8読了・だんだん明らかになってくる主人公のこれまでの人生と並んでいる列で起こることとの交錯、主人公がサルの生態研究者だったということにもまた意味がありそうだけど、・確かに人生とはそんなものかもしれないという話しだった。ご訪問ありがとうございました。
2025.01.17
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・荻原浩さんはどうも11作目になるようです。引き出しが多い作家で色々楽しめるし自分的にはほとんどハズレがないと思っている(た)。・中学2年生の時にいじめに合っていた「トロ𠮷」が、4年後の高校3年になった夏に次々とクラスメートに復讐をしていく、当時にいじめにあった内容にちなんだ方法で出席番号順に狙われていく。彼は当時のひ弱なイメージとはガラッと変わってモヒカンヘアで迷彩服を着た大柄な男になっていた。設定がとっても面白くて惹きつけられた。・・・のだけど、結末がイマイチ不完全燃焼気味。なんで当人が自殺してしまったのかがはっきりしないし、生前に彼が立てた計画を両親が代行していたという結末も不自然で強引すぎるように感じた。【中古】 コールドゲーム / 荻原 浩 / 新潮社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】価格:234円(税込、送料別) (2025/1/13時点)楽天で購入2024/12/25読了〇「①できるのに何もしなかった罪 ②見ているのに見なかった罪」・「トロ𠮷」と友達だった主人公光也は積極的にいじめに加担しなかったにも関わらず、重い罪を課せられていた。 そして彼に対して「ふざけるな、見ていて見ないふりをしていたのはお前も同じじゃないか」と反論するのだが・・・ご訪問ありがとうございました。
2025.01.13
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2025年、あけましておめでとうございます。中央アルプスの宝剣山荘で年を越し、元旦は快晴で、富士山の左肩から昇るいわるる「ダイヤモンド富士」の初日の出をお額ことが出来ました。 前日31日は悪天候で山小屋に停滞したので、小屋の蔵書からコミックの「バジリスク」「ゴールデンカムイ(10巻まで)」を読みふけりましたが、酔っぱらったせいもあって登場人物が誰が誰だか分らなくなってしまいました。三浦しをんさんの文庫本も持って行ったのだけどコミックの魅惑には勝てませんでした。山小屋では年越し宴会あり、年が明けてからは来光を拝んだ後で朝食にはお雑煮もふるまわれました。駒ケ岳山頂に雪に埋もれた祠にお参りさらば木曽駒ヶ岳、宝剣岳と南アルプスが見える千畳敷カールを振り返る千畳敷カールと宝剣岳還暦からさらに5年を経過、読書では新しい世界にチャレンジしたい気持ちもあるけど、過去に読んだ本をまた読み返してみたいとも思っています。しまった!ピッケルを駒ケ岳ロープウエイ山頂駅に置き忘れてきてしまった!30年ものだし高級なものでもなかったと思うのだけど愛着がある品なので問い合わせ中です。元旦早々初物忘れでした。ご訪問ありがとうございました。
2025.01.02
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・なんで勘違いしたのか中島京子さんの作品だと思って読んでいて半分以上読んでから角田さんの作品だと気が付いた。角田光代さん、作風変わった??もっと尖がって世の中につっかかって行くようなちょっと斜に構えた暗いイメージだったのに・・・丸くなったというかこんな温かい作品も書く人だったんだと再発見だった。 あなたを待ついくつもの部屋 [ 角田 光代 ]価格:1,705円(税込、送料無料) (2024/12/23時点)楽天で購入2024/12/21読了・帝国ホテルというのは、東京と大阪そして上高地の3か所にあるそうで、そのホテルの会報誌に連載していたものを加筆修正して一冊にした本。・その3つの帝国ホテルを舞台にした短篇集。 ほのぼの?あるいはしみじみするちょっといい話のショートショート42話。 「母と柿ピー/月明かりの下/十八年後の、新たな幕開け/父のちっぽけな夢/変わって変わらず/父の秘密/とくべつな場所/あの日の出会い/いくつものありがとう/架空の再会/あたらしい場所/しあわせは……/私のはじまり/もうじき会える/未来の花火/だれかのための/家族の元旦/いちばんうつくしい山/黄色い花と金曜日/私の舞踏会/あのころの私と出会う/山の名前/ジャズと幽霊/忘れものの重さ/彼女の真実/秘密を解く鍵/ここが彼女の家/未来を泳ぐ/ママにさよなら/違う道をいく/礎の一日/ベビールームの思い出/それぞれの季節/はじまりの一日/画面越しの乾杯/あなたを待ついくつもの部屋/このうつくしい世界で/幸福を切り取る/父と娘の小旅行/あなたはあなたの色で/花の妖精/光り輝くその場所」・読み終わってからまだ数日しか立ってないのに、このタイトルだけを見て内容を思い出せるのは悲しいけどほとんどない。タイトルを意識して読んでなかったせいもあるかもしれない(そうだと信じたい)。言い訳がましいけど、個別の話は覚えてなくても全体を通しての雰囲気というか味わいは印象に残っているしそれはとても心地の良いものだということは1話1話は味があってとってもいいのだけど42話通して読み切るのはちょっと辛いかなと感じた。・主人公の年代もいろいろ、でもやはり自分と同じ世代が主人公の作品に特に親近感というか共感をかんじた。ところで65歳の自分の世代って何て呼ぶの?と調べてみたら、厚労省の定義によると「中年」とは45-64歳、それ以上は「高年」になるらしいのでワシは堂々と「高年」であることが分かった。ちなみに「壮年」は25-44歳、「青年」は15-24歳となっている。・ホテルのロビーでコーヒーやウイスキーでも飲みながらパラパラめくりながら読んだらいいのかなと思います。 ・最後まで読んでいただいてありがとうございました。
2024.12.23
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・木曽駒ヶ岳に登ってライチョウに会いたいと思って計画するも挫折ばかリの今日この頃、今日もせっかくの平日休みだったのにいろいろあって挫折、その代わりにライチョウの本を読んだのだった。・著者はワシと同い年1959年生まれの山岳ジャーナリスト近藤幸夫さん、信州大学農学部出身の元朝日新聞記者で、移動の内示をけってライチョウの取材を続けるために退社してしまった人。なんだか羨ましい人生だと思ってしまいます。・とにかく信州大学教育学部の中村浩志教授→名誉教授のライチョウに対する愛情と復活に対する執念がスゴイです。今でこそ「パワハラ」とか「アカハラ」とか言われそうですけどね。でも中村先生がいたからこそできた木曽駒ヶ岳でのライチョウ復活だったのだと思います。ワタシとライチョウとの出会いの記憶)・思い起こせばライチョウと初めて出会ったのは30年くらい前の12月、雪山登山の御嶽で、白いライチョウだった。その頃は野鳥には全く興味なく「おったな」という感じ。その後で覚えているのは10年くらい前?の北アルプス水晶小屋近くの縦走路と南アルプス南部上河内岳付近だったけ?でいずれもけっこうな深部で親子連れだったと記憶している。今でこそ鳥オタクだけど当時はあまり関心がなかったので忘れているかも?・で鳥オタクとなった昨今、直近では、今年の5月に木曾駒ヶ岳で出会ったのだった。ライチョウ、翔んだ。 [ 近藤 幸夫 ]価格:2,200円(税込、送料無料) (2024/12/15時点)楽天で購入2024/12/6読了〇日本のライチョウは、最終氷河期に日本列島と陸続きだったユーラシア大陸から入ってきた。その後、温暖化によって北アルプスと南アルプスの高山帯に生息地と遺伝的な継投が分かれたことが判明している。・ライチョウに関する本は何冊か読んでいたので、木曽駒ヶ岳にライチョウを復活させるプロジェクトが成功していることは知っていたけど、正直軽く考えていてこんなに大変な事業だとは全く知らなかった。しかも木曽駒ヶ岳で半世紀ぶりに発見されたライチョウが乗鞍からやってきたらしいということ自体も凄すぎるけど、その「飛来メス」が実は絶滅した木曾駒ヶ岳のライチョウと同じ遺伝子を持っていた(はく製の遺伝子から確認した)とは知らなかった。外部からの移植ではなく正統派の血を受け継いだライチョウの復活だと知るとどうしても応援に力が入ってしまうな。〇つがいを形成するのは繁殖期のみだが、繁殖期が終わって次の年になっても必ず同じペアで繁殖するのだ・それまでは縄張りを見張っていたオスは卵がかえると子育てはメスに任せて巣を離れて放蕩生活をする?らしいが、また繁殖期になると同じメスのところに戻ってくるらしい。ライチョウの一夫一婦制は凄いなと感心する。それに、人間から見ると足環の色でしか識別できないけど彼らにはちゃんと去年までのペアが認識できるんですね。〇腸内細菌を獲得するために母鳥の盲腸糞をついばむ(口絵)・母親の腸内細菌を取り込まないと高山で食べる植物の毒素に対応できないということで、動物園で生まれ育った親から生まれたヒナは高山に適応できないという問題が・・・□ライチョウ年表(抜粋)-----------------------------------------------------------2018/7木曽駒ヶ岳で半世紀ぶりにライチョウが発見される(「飛来メス」と命名)2019/7ライチョウの「復活作戦」が始まり、中央アルプスで半世紀ぶりにライチョウのヒナが孵化した(その後しんでしまった)2020/8乗鞍岳から木曽駒ヶ岳にライチョウ3家族をヘリコプターで移送2021/7中央アルプスでライチョウの自然繁殖によるヒナが誕生2022/8那須どうぶつ王国で繁殖させたライチョウ3家族を中央アルプスにヘリ移送、初の野生復帰に成功2023/7中央アルプスでケージ保護を実施。飛来メスが六羽のヒナを育て上げ、那須どうぶつ王国生まれのメスも繁殖に成功*図書館本だったけど、改めて購入して手元に置いておきたい本だなと思う。今年は断捨離で何百冊も本を捨てたのだけどそれでも手元に置いていきたい気がする本です。
2024.12.15
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・「ロストケア」でハマって読んだ「絶叫」に続いてあれこれ読んで著者の作品は7作目。この作品も確かに面白い作品ではあるのだけど、何だかだんだん自分の思っている世界から違う方向に離れていっているような気がする。改めて当初の2作を読み直してみればまた違う見方もできるのだろうか?ロング・アフタヌーン (単行本) [ 葉真中 顕 ]価格:1,815円(税込、送料無料) (2024/12/7時点)楽天で購入2024/11/28読了・冒頭の短編小説「「犬を飼う」作/志村多恵」は、SF小説的で猟奇的ともいえるどんでん返しがあってけっこうに面白かった。なので、この本は短編小説集だったのだなと思い直して読み進めたら実は、この小説の中の小説という設定だったのだった。・この「犬を飼う」という小説内小説こそ秀逸ではないか?争いがなくなった未来社会でのペットの「犬」とのほのぼのととした小説家と思いきや、実は未来社会とは三つの愚行である「差別」や「富の独占」、「戦争」を好んで女性を虐げてきた男性が排除され、女性だけの社会で、男性は「犬」としてペット化されて存在を維持していた・・・という驚きの事実が明らかになるという大どんでん返しのお話。後味はあまり良くはないけど面白かった。面白かっただけで終わらない後味の悪さはジメジメした夫婦の確執が絡んでいるからだと思う。、また次の作品が出たら読みたいかと聞かれたら「イエス」と答えると思う。けど小説全体でまた著者の作品をぜひ読みたいかと聞かれたらちょっと迷いそうな感じ・小説はこの短編小説を投稿した女性「志村多恵」と出版社の編集者で彼女の作品を認めた「葛木梨帆」の二人の人生が現実には絡み合わないのだけど交錯する?・冒頭の小説のインパクトが強かったので、本編のほうが何だか物足りないような気がするし、多恵の夫や彼女の夫に対する感情だったり次第に共感していく梨帆の感情が何だかジメジメした感じでやるせなくなってしまった。・まったく立場が違うと思える二人の女性が共感しあい共犯?になるという設定は確かに面白いのだけど、冒頭の小説に負けないインパクトが本編にも欲しかったし、でいたらもっと前向きなラストが欲しかったかも?つたない感想を最後まで読んでいただいてありがとうございました。
2024.12.07
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・ある食堂にまつわる人たちの連作短編小説。語るのは雨を降らす研究をしている「先生」で彼の父親は手品師だった。不思議な帽子屋さん、劇団員の女優さん、果物屋さんの若者などそれなりに味のある登場人物が出てくる連作小説。父親が手品をしていた劇場の地下にあるエスプレッソを入れるコーヒー店が過去と現在をつなぐ場所となったというお話でもある。森沢明夫さんの「虹の岬の喫茶店」にもちょっと似た雰囲気のある作品です。つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫) [ 吉田篤弘 ]価格:638円(税込、送料無料) (2024/12/6時点)楽天で購入2024/12/3読了・今現在の自分の心境ではあまり理解したり共感したりできなかったけど、ほのぼのして「三丁目の夕日」的ノスタルジックな味のある作品だった。また違う精神状態の時に読めば印象は違ったのだろうとは思う。
2024.12.06
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・しをんさんは好きな作家さんなんだけど、以前に読みはじめたエッセイがボーイズラブの話だった?かなにかで途中で嫌になってしまった記憶があって避けていたのだけど。たまたまタイトルに魅かれて図書館でついでに借りて読んだら面白かった!椎名誠、北大路公子、大宮エリーに続いて4大笑える面白エッセイストにさっそく認定した。お友だちからお願いします (だいわ文庫) [ 三浦しをん ]価格:748円(税込、送料無料) (2024/11/27時点)楽天で購入2024/11/19読了・しかしながらこういうエッセイは、面白かったことや雰囲気は覚えているけど、どんな面白いことが書かれてあったかいうことはすっかり忘れてしまってほとんど「?」のことが多い。ずっと心に残る作品というよりも何となく消費される作品という気がする。・エッセイとはそういうものかもしれないけど何かしら記憶にとどめておきたい気もしていくつかメモを・・・〇「本書はふだんよりもよそゆき仕様の一冊である(自社比・本人談)! 」・ってこれで「よそゆき」?って感じ・「ごるぁ!」という心の中の怒りの叫びがらしくて面白い。たぶん以前の「こるぁ!」から進化したものだと思う。〇そんなわけで、長年シャワーだけで済ませてきた(外出の予定がないときは、シャワーすらも浴びない。ちなみに私は、ほぼ外出の予定がない)・何だか親近感を感じてしまうが、しをんさん、あんた女性なのに大丈夫なのかい!?と当然思ってしまう。(これはかなり心に残りそうなエピソードだ)〇「そうだろう。親というのは、そういうものだ」・お父さん(実は学者さんで名誉教授?)、味があるというか家では普通のお父さん、しをんさんも普通に娘さんだったりするちょっと笑える日常の切り取りが面白い。〇「・・・犬?」と母は言った・負けず劣らずお母さんも面白い人のようです。〇私の携帯は、鳴らないことで有名である。ほとんどだれからも、電話もメールも来ない・・・・これは意外だったけどまた面白い。書かれたのが2012年だから今ではまた状況変わっているでしょう。〇以上で本書はおしまいです。いかがでしたでしょうか。お友だち以上になっていただけそうですか?(あとがき)・ということで、タイトルの「「お友達からお願いします」というのは著者が誰かに言われたことも誰かに言ったこともない台詞で、読者に語りかけている言葉のようでした。ご訪問ありがとうございました。
2024.11.27
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・これってリアル?小説なのでもちろんフィクションなのだけど、これがリアルだとしたら酷すぎる!おそらくほぼリアル??これはウクライナの話だけどイスラエルではもっとリアルだと考えて間違いなさそう。ウクライナにいたら戦争が始まった [ 松岡 圭祐 ]価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/11/17時点)楽天で購入2024/11/7読了・日本人女子高校生が父親の赴任地ウクライナに行ったら戦争が始まってしまった。ロシア軍が非戦闘員である市民も無差別に侵略していく、訳も分からず巻き込まれて必死で逃げ惑う主人公家族。・全体としては、不穏だった家族内の不和が困難を乗り越えることによってハッピーエンドになるというストーリーだけど、それよりもウクライナの現状を知らしめる小説として多くの人に読んでいただきたいと思う。・多少は現実と違うところもあるかもしれないが、戦争は庶民の知らないところで始まって被害を被るのは庶民であるということは間違いないと思う。これはお勧めだと思います。ご訪問ありがとうございました。
2024.11.17
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・この本を読むことになったきっかけは2つ、まず「颶風の王/河崎秋子著」読み返したこと、そしてこの夏に趣味の野鳥観察目的で根室落石港からクルーズ船に乗って訪れたユルリ島が小説のモチーフになっているということに気づいたこと。まさかあのユルリ島に置き去りにされた「アオ」の子孫の馬たちが野生化してまだ生きていたとは、そして遠くない将来に絶滅していく運命にあるとは・・・と知ったからだった。さすがに図書館本に蔵書はなくネットで注文したのだ。エピタフ 幻の島、ユルリの光跡 [ 岡田 敦 ]価格:2,970円(税込、送料無料) (2024/11/17時点)楽天で購入2024/10/3読了・調べてみるとユルリ島はエトピリカの国内最後の繁殖地で、希少鳥類に指定されているチシマウガラスも繁殖していて自然保護のため立ち入り禁止になっているということだった。許可を得て日本最東端根室沖にあるその無人島に通い詰めた写真家岡田敦さんが書いたのがこの本。インタビュー記事とエッセイのある写真集というよりも記録集だろうか。掲載されているたくさんの写真は写実的でかつ哀愁を感じさせられる。2023年度JRA賞馬事文化賞受賞作。・戦前から根室は道産子の産地としてたくさんの牧場があり軍馬や農耕馬を育てていたので馬が豊富だった。戦後、新たに昆布漁を始めた猟師達にはすでに陸地に昆布の干場がなく、干場を求めてユルリ島に渡った。その漁師たちが荷の運搬のために馬を島に渡らせてその馬たちが活躍した時期があった。ところが1970年以降、動力の自動化や干場の確保などの事情でユルリ島に昆布干し場の必要がなくなりそして馬たちも仕事を失った。ところがそのときには、馬を陸地に戻すことが難しくなっていて置き去りにされ野生化して世代を受けつぎながら生き続けていた。しかし人間の都合で牡馬を間引きをしてこの先は消滅していく運命にあるという。・当時を知る人たちを訪ねるインタビュードキュメント、島に渡ってコンブ漁をしていた人たちや馬を育てていた馬牧場の人たち、高齢で最後の語り部になった人たちの貴重な話が聞かれる。〇「冬の馬は本当にたくましいぞ。黙々と生きるからな、あの雪の中でもよ。人間が教えなくても、ちゃんと生き方を知ってるんだ。・・・なんも人間が手をかけなくても、ちゃんと生きていられるんだ」(最後の島民泰三さん)〇僕が近づくと、馬が寄ってきて・・・「やっぱり人が懐かしんでない? いまはね、こうして馬も楽をしてるけどね、ワシら島にいたときには使われたんだよ・・・」(最初の馬主ヨネさん)・人と馬の微妙な距離感、実際には当時の馬ではなくて次の世代なのではと思うが受けつがれているのかもしれない〇【追記】2018年、そんな馬たちによって紡がれてきた島の歴史が途絶えてしまうことを危惧した市民の手により、ユルリ島の草原には新たに3頭の仔馬が放たれることになった。・3頭の仔馬が雄なのか雌なのかでも話が変わってくるけど、本当にそれでいいのか、誰かが責任もって管理できるのか?(しなくていいのかもしれないけど)。嬉しい情報だけどちょっとばかり心配だったりする。
2024.11.17
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〇「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」・口コミを利用して販売戦略をするつもりが、現実に足首を切られる連続殺人事件が起こってしまったという話しで思わず図書館で借りてしまった。読メで見る限り荻原さんの著書は10作目のようです。噂 (新潮文庫 新潮文庫) [ 荻原 浩 ]価格:935円(税込、送料無料) (2024/11/10時点)楽天で購入2024/11/03読了〇「きもさぶ」・ラスト1行、えっこれってまさか彼の娘?!!どうなんだろうと考えてしまうが・・・・まさか犯人が足フェチで、しかも当初から登場していた彼だったとは!?「推理小説」としても面白かった。荻原浩さん、作風のジャンルが広すぎる!外れのない読むのが楽しみな作家さんですね。ご訪問ありがとうございました。
2024.11.10
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・著者の作品は「ロストケア」が初読みで、続いて「絶叫」を読んで、その後に読んだ作品は自分的にはイマイチだったけど、たぶんこれが5作目だと思う。これがまた思いのほか面白かった!凍てつく太陽 (幻冬舎文庫) [ 葉真中 顕 ]価格:1,023円(税込、送料無料) (2024/11/7時点)楽天で購入2024/11/1読了・主人公の特高刑事日崎八尋は父親が日本人、母親がアイヌ。アイヌ民族や朝鮮人のこと、皇国臣民になろうとしてなれなかった人たち、大日本帝国の政策や思想統制のこと、その大日本帝国に幻滅してその存在を破壊しようと考えた人たち、そんな様々な人たちの群像劇。時代は終戦直前の北海道。・「カンナカムイ」とは怒り出したらすべてを焼き尽くしてしまうというアイヌの神。・まさか終戦直前、日本でも原子爆弾=ウラン爆弾が製造されて使用が計画されていた!?その軍事機密「カンナカムイ」をめぐるエンターテイメント小説。ネタバレになるけど、さらに結局それすらも虚構だったというオチ。壮大な歴史物語だと思わせておいて結末が近づくにつれて案外に私的なせせこましい話に収束してしまったような気がしないでもない。そう言ってしまえばそれまでだけど、いわゆるページをめくる手が止まらない的な読ませる小説だった。・登場人物それぞれの立場に立って共感できてしまう。「拷問王」こと特高の先輩三影にでさえ最後では共感とはいかないまでもその行為の深層にある感情を理解することができる。・収容された網走刑務所内の状況とか、「カミサマ」と呼ばれる囚人とか、脱獄シーンなども興味深く楽しめた。ご訪問ありがとうございました。
2024.11.07
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・歴史ものエンターテイメントとしての今村翔吾さんに外れはない! 私の場合、まず「童の神」との出会いきなりハマってしまった。時代は平安、侵略者である京の都に住む大和民族の人たちに立ち向かう先住民族の闘いだという解釈の物語で、息も付かせぬスリリングな展開とストーリーでページをめくる手がとまらなかったと記憶(かなり記憶が誇張されている危険性あり)。その後読んだ「じんかん」「覇王の楯」も素晴らしかった(と記憶)。「イクサガミ」も毛色は違っていたけどスリリングで面白く、コミック向き?新境地開拓中?と思ったけど歴史ものエンターテイメントとしてはやっぱり面白かった。「幸村を討て」は今一つで「くらましや家業」シリーズはちょっと好みではないのだけど、この「海を破る者」はまたものすごく面白かったぞ!今村翔吾の歴史ものエンターテイメントに外れなしだと再確。読みはじめたら止まらなくなって夜になっても眠れず睡眠不足必至かも?海を破る者 [ 今村 翔吾 ]価格:2,200円(税込、送料無料) (2024/11/4時点)楽天で購入2024/10/24読了・時は鎌倉時代、初回の元寇は幸運にも神風と呼ばれる台風で何とか撃退できたものの、予想される2度目の元寇に備える鎌倉幕府の元で、承久の乱で没落した伊予の御家人河野家の六郎がどう生きたのかを記した物語。〇「糞をしてくる」〇「今、お主は何を見ている」・序章で登場する、河野家の血筋で僧侶となって踊念仏を広める一遍上人(史実かどうかは確認していませんけど)も絡み、、・元に侵略されて家族を失い売られてきた奴隷で六郎に買われた「ハン」と「レイナ」が物語の中で重要な役割を果たし最後には希望を託されて船で西方に去っていく。〇「他人のために戦をするな。我らは高麗人と争うつもりはない。」・防護壁の前に陣取った六郎たちが元の軍船集団を前にして喚いたが効果なく戦に突入したのだが、この行為は他の武士たちの河野の武士たちを見る目に影響を与えないではおかない。・で、戦は続き、なんだかんだでご存じのとおり歴史的事実としてまた野分=台風が来て大和の国はラッキーにも元を侵攻を打ち破ったのでした。・国内的には有名な村上水軍の祖先がでてきたり、元の隆盛に関わる世界史にも目が向いて日本史と世界史がフュージョンした感覚になったりも楽しめました。・この本の面白さ語りつくせませんし、感動したのに忘れていることもたくさん。いつか読み直してみたい本です。ご訪問ありがとうございました。
2024.11.04
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・初読みの作家さん、直木賞受賞作。全体を通して本格的時代小説にしては軽い感じで書かれているので読みはじめてまず面食らってしまった。木挽町のあだ討ち [ 永井 紗耶子 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2024/10/25時点)楽天で購入2024/10/17読了・美少年菊之助は見事に仇討ちを果たした。その真相を訪ねて菊之助の身内を名乗る武士(終盤で彼が義兄だとわかる)が菊之助が世話になっていた芝居小屋の関係者に話を聞いて回るという構成の連作的小説。仇討の経過や真相だけでなくそれを語る関係者それぞれのこれまでの生きてきたヒストリーを聞いていくうちに人生観というか視野が広がっていく。人の生きざまそれぞれ、価値観もそれぞれだけど、菊之助は皆に受け入れられて援助された。そして結末はハッピーエンドになる。・ネタバレになるけど、実はこの仇討自体が、芝居小屋の恩人たちがうった大芝居だった。仇討が果たされて首をとられたやくざ男が実は仇なんかではなくむしろ忠義の人、しかも本当は殺されていなかった!大どんでん返しというよりも予定調和的な結末、ちょっとミステリーの味もある人情噺であった。読後感は良い。・江戸時代の芝居文化についてちょっと触れることが出来たのもよかったかな?というのが追加の感想。
2024.10.25
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・中島京子さんは初読みが「妻が椎茸だったころ」で不思議な魅力を感じ、認知症を患った夫への愛情を書いた「長いお別れ」で感動してかなりやられてしまったものの、その後も熱心な読者という訳ではなく、大きな外れのない作家さんという位置づけであれこれ図書館で借りているうちにこの本で8作目になるらしい(読メ記録で)。これまで読んだ作品を振り返って改めて引き出しの多い作家さんだなあと思う。・著者が実家に引っ越して亡父の本棚にあった井伏鱒二の「荻窪風土記」を読んでインスパイアされて書いたというインタビュー記事を読んだ。・壮大なストーリーとかではないけど、コーヒーでも飲みながら1章ずつ気軽に楽しく読み進めていくのが良い感じの小説だと思う。通勤電車の中でもいいし。うらはぐさ風土記 [ 中島 京子 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2024/10/24時点)楽天で購入2024/10/14読了・登場人物のキャラが面白い。特に仕事をすることになった大学の学生「マーシー」は凄く真面目なのだけどめちゃくちゃ間違った敬語を使う。で彼女に弁論大会で、大学の敷地が戦争中には特攻基地だったことを語らせる。その友人で陸上部エースのパティのキャラもいい。・考えてみれば自分が今住んでいる土地にも戦前どころか江戸時代、はたまたそれ以前は海だったのかもしれないけど人々が生きてきた歴史が埋もれているのだなと思ったりする。第2次世界大戦の戦争体験者が亡くなる中でどう伝えていけば良いのかという問題意識を持っているというインタビュー記事を読んでなるほどと思った。・もちろん商店街の足袋屋さん、秋葉原さん夫妻のキャラもいい。商店街がさびれて担っていた人たちが年老いて去っていくのは寂しいけど仕方がないことなのでしょう。・離婚を機に30年間暮らしたアメリカから帰国して武蔵野で再出発の生活をすることになった沙希が、当初の浦島太郎的な感じから、新たな人とつながりから「うらはぐさ」という土地の歴史を知って愛着を感じていく。「風土記」というタイトルが何とも云い得て妙だと思う。〇そういえば、星一徹だって、寺内貫太郎だって、神経症だなんていう扱いは受けていなかった。昭和の親父といえばそんなものだと・・・ 「・ストーリーには関係ないけど、ちゃぶ台返しの「巨人の星」星一徹や寺内貫太郎は、戦争帰りで実は兵士のPTSDではなかったのかという今まで考えもしなかった驚きの視点が新鮮で示唆に富んだものだった。当時はそんな概念もなかったのだろうけど、どうなんだろう・・ご訪問ありがとうございました。中島京子さんはやはりええですねえと再確認しました。
2024.10.24
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・「書店員は見た!」でおすすめされていて読んだ図書館本。突然消息を絶った旅客機が10年後に3日間だけ乗客もろとも帰ってくるという設定のSFというかファンタジーなのか的な設定のお話。神はサイコロを振らない (中公文庫) [ 大石英司 ]価格:737円(税込、送料無料) (2024/10/11時点)楽天で購入2024/10/6読了・量子物理学的な話はよく分からないけどあってもいいのかとも・・・・、タイムスリップもの共通の問題として過去が変われば未来である現在も変わってしまうという問題はどうしても避けられない。・10年の間に社会では阪神大震災がありオウム真理教の地下鉄サリン事件もあり、飛行機事故で亡くなった思っていた乗客や乗務員それぞれの家族にもそれぞれの変化があり・・・乗客は、芸能人や音楽家、駆け落ちカップル、不正を行って関係者を自殺に追いやった政治家を殺害しようとしている彼の息子、謎の男Xなどなどで、3日間に様々なドラマや事件を巻き起こして・・・物理法則による予言通り?3日後にまた消えてしまう。・設定や発想はSFとしては陳腐なのかもしれないけど、それぞれの登場人物のエピソードがそれなりに楽しめて面白く読めた。確かに面白いのだけど、それぞれの登場人物のもっと深い情動みたいなものがもっと伝わってきたほうが良かった気がする。TVドラマや映画向けの作品かなという感じかな。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー毎日のように新しく本が発行されていて、世界に存在する本をすべて読むなんてことは残念ながら不可能です。還暦も過ぎた私の人生残り時間は限られています。ならばどの本を読めばいいのかが悩みどころ。今まで読んだ本で良かったのもを読み返す、好きな作家のまだ読んでない本を読む、新し世界を期待してまだ読んだことのない作家にチャレンジするなどいろいろな選択があって迷いながら、本の海で吞んだくれて活字の海で酔っぱらっています。ご訪問ありがとうございました。
2024.10.11
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・ワシと同郷の岡山出身の房野君という歴史好きの漫才師が書いた本。まあ面白かった本。歴史嫌いの人が歴史好きになるには戦国時代がうってつけだと思うし、語りも軽いけど分かり易い。まあいろんな解釈があるのでこれが正しいと思ってはいけないけど面白い。・関ケ原の合戦って何となく分かりにくかったけど、家康vs石田三成でそう言う感じだったのねって今更ながら全体像が見えてきた感じです。【新品】笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代 [単行本] 房野 史典価格:2,680円(税込、送料無料) (2024/9/26時点)楽天で購入2024/9/14読了ご訪問ありがとうございました。読書ってホント面白いですよね。
2024.09.26
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〇「病人はいないか、子どもは元気か」 1930年代、戦前、戦中の貧困と保険制度のない時代に広く人々に医療を提供し、日本の医療制度の改善を求めた無産者診療所。東京女子医専卒業後、農民運動に疲弊した新潟の診療所に飛び込んだ満すゑは、勤務先の診療所で検挙される。両親との死別、三度の投獄を経て、満すゑが生きた時代、彼女が考えていたことや見たものとは?淡々と述べられているが内容はとても・・・これは小説ではなくノンフィクションである。ザボンよ、たわわに実れ 民主医療に尽くした金高満すゑの半生 [ 力武 晴紀 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2024/9/26時点)楽天で購入2024/9/23読了・現代よりはるかに分かり易い階級闘争の時代、それだけに治安維持法が制定されて取り締まりが強化される中、運動に加わればほぼ確実に反体制として目を付けられて官憲に引っ張られてしまう時代、自分の父親は「戦争には負ける」と知っていながら自説は胸にしまったまま終戦を迎えた人だったが、どっちが正しいとかは言えないはと思うけど・・・・今は「無産者診療所」の歴史を受け継ぐ「民医連」の医師として働き還暦を迎えたのだけど、自分が当時に生きていたら果たしてこの運動に加わってともに戦う医師・医学生になっていただろうか?と考えてしまった。〇戦後の荒廃のなか、無産者診療所の歴史を受けつぎ、医療従事者と労働者・農民・地域の人々が、各地で、『民主診療所』をつくりました。そして1953年、『働く人々の医療機関』として全日本民主医療機関連合を結成しました。・ただ、民衆の立場に立って戦っていた医師たちがいたことは素晴らしいことだと思うし忘れてはまらないこと、我々はその歴史を引き継ぐものとして誇り高く理想を失わずに日々の医療活動、社会活動に精進していかねばならないのだ。〇軍港・佐世保・話の主流ではないけど満すゑの故郷佐世保が人口3000人の寒村だったにも関わらず明治政府の方針で軍港になって幾多の戦争を繰り返すうちに人口も29万人になったっていうはなしに驚いた。明治時代って今から思えば江戸時代終わったばっかですよね。・淡々と述べているだけにリアル、もっと感情的だったり著者の思いをストレートに書いても良いのではないかと思うくらい。正直なところ関心のない人にはつまらないかもしれないけどできたらたくさんの人に読んでもらいたい本でした。ご訪問ありがとうございました。本は本当に面白いですね。
2024.09.26
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・桜木さんの作品は「起終点駅」「硝子の葦」に続いて3作目。「ホテルローヤル」とか読んでなかったんだっけ?どれも詳細は覚えてないけど、セックスが絡みながら淡白な男女の話だったような気がする。・この作品も、彼女の出身地北海道が舞台、実際の彼女がアイヌとどういう関係かは分からないが、ダムの底に沈んだアイヌの村出身のアイヌ紋様デザイナー赤城ミワに関わる人たちの短篇連作小説。谷から来た女 [ 桜木 紫乃 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2024/9/20時点)楽天で購入2024/9/12読了・思春期に父親から背中に入れられたアイヌ模様の入れ墨を背負って生きるミワ。その入れ墨は彼女のアイデンティティ、「わたしの背中こわいですか」と聞かれた人たちは彼女自身の魅力に加えてその入れ墨にまた魅かれるようになる。〇アプンノ パイエ ―無事に 行きなさい それは「さようなら」にあたる言葉を持たない民族の、別れの挨拶だった。もう、肌を重ね終えた時の不安に遭わずにに済む。・「谷から来た女」は「谷へゆく女」となって谷に帰って行く。彼女は「谷で生まれた女」だから。・正直なところ、彼女の作品には不思議な魅力は感じるものの、その感性についていけないのかのめり込めないというかあまり共感できないのだけど、この作品は民族問題やアイヌ民族のアイデンティティがテーマとなっていて簡単には捨て置けない作品だと感じた。
2024.09.20
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・夏の鈴鹿に登ると、とくに沢登りするとほぼ漏れなく蛭が付いてくる、血を吸われたことは数知れず蛭の集団に襲われたこともある、身近だけど謎に思うことも多々あるヒル。・「ヤマビル研究会」の少年たちはその謎を解明しながら、次々に新たな疑問を生み出していく。その彼らのセンス、それらを解明していこうというアイデアのセンスに脱帽だ!〇「ヒル研のいいところは、その研究の仕方にあります。学校の理科の実験では、答えが決まっていて、実際にそうなるかを確かめるだけです。でも、ヒル研では誰にもわからないことを自分たちの手で発見していきます。そこがすごく楽しいです。」・少年たちのある意味体を張ったヒル研究は、「サバクトビバッタ・・・」に匹敵する面白エンタメノンフィクションだと思うが、ポスドクの研究者でもない小学生たちの発想と行動力でしかも身近なぶんだけ面白い。今まで謎だったヒルの生態が明らかになってなるほどだった。一粒で二度おいしい的な感じ。ヒルは木から落ちてこない。 -ぼくたちのヤマビル研究記価格:1,430円(税込、送料無料) (2024/9/17時点)楽天で購入2024/9/4読了〇ヒルは、二酸化炭素(の変化)に反応して吸血動物に近づき、そのあと哺乳動物の体温を感じて体に上がってくる。これが結論になった。〇わたしたちでは気づかない二酸化炭素濃度のわすかな変化に、ヒルは気づいているのだ。・水槽で飼っている100匹以上のヤマビルが、息を吹きかけると二酸化炭素に反応して一斉にヒルダンスを始めるらしい。夏に鈴鹿の山で枯れ葉に覆われた登山道を歩いているときに無数のおチビちゃんを主体にしたヒル軍団が興奮して襲いかかってきたことがあるけどワシらの呼気に反応してたのね。テントの中もヒルだらけだった。今思い出してもおぞましい記憶だ。〇ジョニーさんの首にヒルが付いたら上から落ちてきたことに、消防士さんの首につけば下から上がってきたということになるのだ。・ジョニーさんとは「ヒル下がりのジョニー」というヒル除け薬を開発した人で「ヤマビル研究会」のよき協力者。・この実験の前に子供たちは体を張った実験をしていたのだが、これでヒルは木から落ちてくるという迷信が否定されて足元から這い上がってくるのだと証明されたのだった。すごいぞ「ヤマビル研究会」の少年たち!・ワシもずっと前から、ヒルが上から落ちてくるってのはおかしいなと経験的に思っていたんですよね。やっぱりなと納得。水の中でもなく水辺のジメジメした草むらを歩くとヒルが付くと思っていました。んで納得!・とは言え、どんなに用心して足元や袖口など密封して万全だと思っていても何故かどこからかヒルは侵入してくるんですよね。やっぱり「ヒル下がりのジョニー」を使わないといけないのでしょうか。鈴鹿の沢登りはもうずっとご無沙汰です。・ヒルを運ぶのは鹿ではない。水の流れでヒルは移動するのだという説にびっくりした。大発見ではないか!・局所では水の流れ、大きな地域での広がりには鹿が関係していることが後に明らかになる。〇ヒル被害をなくすには、草を刈って乾燥させればいい。〇そのようにひっそり生きてきたヒルが、最近にわかに広がってきたのは、生態系のバランスがどこかで崩れたからである。(手入れの行き届かない山林が増えてヒルの生息に適した環境が拡がったこと、シカが増えたことなど)いろんなジャンルの本があるけど本は面白いですね。次は何を読むかが悩みですが、この本は久々の大ヒットでした。面白すぎたので感想文の投稿も遅くなってしまいました。ご訪問ありがとうございました。
2024.09.17
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・「書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ(森田めぐみ)」は、書店員になった著者が様々な要求のあるお客さんにお勧めの本を紹介するという本で、紹介されている本はどれも面白そうで読んでみたくなるものばかり。59話+最終話それぞれで2冊ずつ紹介しているので全120冊が紹介されている。全部はとても読めないので、特に読んでみたいのだけをピックアップしてもすぐにいっぱいいっぱい、貸出期限になってしまって取り敢えず中途終了でいったん返却としてまた借り直すしかない。書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ [ 森田 めぐみ ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2024/9/15時点)楽天で購入・その中で紹介されていた一冊がこれだった。まずタイトルで興味をそそられて読んでみようかなと思って図書館で借りたエッセー&コミック本。【中古】家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 / K.Kajunsky価格:229円(税込、送料無料) (2024/9/15時点)楽天で購入2024/9/9読了・何だこれ!?不思議な本、夫が家に帰ると毎日趣向を凝らした死んだふりをする妻「ちえ」はかなり変人でその目的も分からないが、それを受け入れて日常生活を送る夫もかなり変な人なのだろう。最後まで意味が分からないけど答えがないのが答えなんだろう。・著者が外国人なのかと思ったらどうも日本人らしい。ますますもって不思議な夫婦だ。ご訪問ありがとうございました。
2024.09.15
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・永遠のヒーロー椎名誠の「失踪願望。」を先月末に読んだ。「本の雑誌」のことを思い出した。椎名さんの後で社長になった目黒さんは自分の中では「東ケト会」の飯炊きメグロさんなのだけど、その目黒さんが亡くなったことを知って、「本の雑誌」創成期の椎名さんと目黒さんを主人公とした漫画があると知ってネットで3巻まとめて注文した。黒と誠 ~本の雑誌を創った男たち~(1) [ カミムラ 晋作 ]価格:1,320円(税込、送料無料) (2024/9/10時点)楽天で購入2024/8/19読了・「本の雑誌」との出会いは大学生の頃1970年代だったので名古屋では一般の書店にはなかったはずだけど、付き合っていた彼女から、こんな面白い本があると教えられたのだけど、当時はほとんど関心を示さなかったと思う。・本を読んでその感想を皆に知ってもらいたいと思って作られた雑誌だと知っていたら関心を持ったのかもしれないが、当時の自分が何を求めていたのか思い出せない。黒と誠 〜本の雑誌を創った男たち〜 : 2【電子書籍】[ カミムラ晋作 ]価格:1,320円 (2024/9/10時点)楽天で購入2024/8/20読了・離れ島で仲間たちとテントを張ってキャンプして大騒ぎする「東ケト会」活動もオヤジ達憧れのシーナ的春だったのだが、その裏で?軽い気持ちで始めた「本の雑誌」を本業にして金も人もない中で真剣に維持して発展させた青春物語として描かれている。・本の感想を書いて人に伝えたい人から始まって、本を創る人、本を売る人、本を書く人、書評を書く人。本に対する立場は千差万別だけど本は素晴らしい文化だと思う。ネットに押されて紙の本の売れ行きは減っているのだろうけど、紙の本文化は絶対に残したい。黒と誠 ~本の雑誌を創った男たち~(3) [ カミムラ晋作 ]価格:1,430円(税込、送料無料) (2024/9/10時点)楽天で購入2024/8/23読了ご訪問ありがとうございました。マニアの人にはお勧めしたいけど、そうじゃない人に共感して面白いと思う人もいるかもしれないけど意味不明な人たちもいるもかもしれません。
2024.09.10
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・自身羊飼いをしながら小説を書く作家河崎さんの再読本。地に足を付けて誠実に生きる生き方の話だったと記憶したけどだいぶ忘れてしまったので何気に8年ぶりの再読。「オヨバヌ」という言葉が妙に心に残っている。颶風の王 (角川文庫) [ 河崎 秋子 ]価格:726円(税込、送料無料) (2024/9/1時点)楽天で購入2024/8/31読了・雪洞の中で愛馬アオに肉を喰らってお腹の子と共に生き延びた母から6世代、馬の肉のおかげでこの世に生まれることが出来た捨造は故郷の東北を離れてアオの血を引く馬と共に北海道根室に渡って、馬を育てることを生業にして「むくいねば」と生きていく。その孫が和子、その孫がひかり・・・・根室の落石漁港沖にある「花島」にコンブ漁のために連れて行った馬たちが台風による土砂崩れで帰れなくなりアオの血を引くワカを含めた馬たちが置き去りになった。そして馬を失った捨造家族は収入が途絶えて十勝に移り住むことになる。・たまたま再読したのだけど、1ヵ月前の7月に野鳥観察目的で行ってきた根室が小説の舞台だったのでとっても親近感をもってイメージしながら読むことが出来た。小説は行ったことのない所や経験したことがないことでも想像で楽しめると考えていたけど、やっぱり具体的に経験したり見たことがあるほうがリアルに入ってくるものだと思った。最初に読んだときには根室のイメージは全くなかったもんなぁ・・・・だいたいの地理関係が分かっているだけでもイメージしやすいし、エゾシカが頻繁に道路に出てくるとか、姿はめったにみられないけどシマフクロウが確かに存在してて道路の橋に旗を立ててて事故を防いでいるとか現地で聞いた話と同じだった。・落石から漁船に乗って水鳥観察クルーズに参加したのだけど、まさにひかりが大学の馬研究会の活動に参加して「花島」に行ったのと同じ、私たちはエトピリカなどの水鳥を見る目的でユルリ島まで行ったのだけど、このユルリ島が「花島」のモデルになっていると思われる。調べると、実際に馬がユルリ島に置き去りにされて野生化して繁殖したものの、牡馬を処分して人工的に絶滅させられている運命があるようだ・別に悲しい結末ではないのに、ラストは感動で涙ぐんでしまった。・また再読してみたいとも思うが、ユルリ島に取り残された馬たちがどうなったのか知ってみたくなった。幸い「エピタフ 幻の島、ユルリの光跡」という本を見つけたので読んでみようと思っている。ご訪問ありがとうございました。
2024.09.01
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・お近くの岐阜県出身で同い年の奥田さんは読んで外れのないお気に入りの作家さんです。2004年に直木賞を取ったの「空中ブランコ」のトンデモ精神科医伊良部シリーズの続編、17年ぶりのたぶんシリーズ4作目。・奥田英朗さん、もっと面白い作品がたくさんあるのに何で寄りにも寄ってあんな作品で直木賞を受賞してしまったんでしょうか?彼の代表作とされると思うとちょっと残念。コメンテーター [ 奥田 英朗 ]価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/9/1時点)楽天で購入2024/8/20読了・まあ伊良部先生は相変わらずぶっ飛んでいて名医なのかただの変態なのか分からないし、マユミちゃんはますますカッコいいし、17年ぶりの新作でやっと慣れてきたのか違和感があまりなくなってけっこう気持ち良かった。今更ながら奥田さんの術中にはまったのかもしれない。まあ軽く楽しめる本です。好き嫌いはあるかもしれません。ご訪問ありがとうございました。
2024.09.01
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「カラス」と言えば松原始か、松原始と言えば「カラス」かと言えるほど「カラス」の本をいっぱい書いている鳥類学者松原さんの、身近な野鳥についてのウンチクを、例によって軽妙な語り口で語ってくれる良書(たぶん鳥好き以外の人にもそうであって欲しいと思っています)。鳥類学者の目のツケドコロ [ 松原 始 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2024/8/28時点)楽天で購入2024/8/16読了カラス)・その「カラス」のナワバリを調べる話題から始まる・カラスと言っても実は「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種類がいて、ワシの住んでる名古屋では「ハシボソ」が多数派、東京では「ハシブト」が多数派だと聞く。・「ハシブト」は本来、森林の野鳥で高い木から獲物を見つけて狩りをするタイプ、「ハシボソ」は田園や草原の野鳥で「ここに餌があるかもしれない」と地べたを歩き周るタイプで、クルミや二枚貝を落として割るなど手間をかけるのも「ハシボソ」の特徴だって。「ハシボソ」と「ハシブト」の生態ってそうも違う?ワシが住んでいる名古屋のゴミ集積場などで検証してみたいと思う。スズメとツバメ)・ツバメはかなりえげつない!?〇巣の乗っ取りを狙うカップルがいたり、他のカップルのメスを狙うオスがいたり、卵を放り出して営巣を放棄させたり、メスだけでなく巣まで分捕るという荒っぽい行動に出ることもありありますサギ)〇食えそうなものは何でも利用します。場合によっては小鳥やネズミをパクっとくわえて食べてしまいますし、アオサギがウサギを丸呑みにしている写真も見たことが・・・・ヘビやウナギを咥えた写真は見たことがあるけど、さすが見た目が恐竜的なだけはあると納得した。セキレイ)・水辺の鳥のセキレイだけど、ハクセキレイは道路を河川に見立てて?都市部に進出、今や駐車場の小鳥になっているのだヒヨドリ)〇突如、「ケケケケ!」と声を上げて、地面を疾走してくる鳥がいます。それがツグミでした。・ツグミがつっかかってくるとヒヨドリは逃げたらしい。ヒヨドリは自分の領地にいる鳥たちを蹴散らす暴れん坊将軍、コミック「とりぱん」でも弱気な印象のツグミが実はヒヨドリよりも強い?今後、認識を改めて観察したいと思います。ミヤマガラスとコクマルガラス)・あんまり身近ではないカワセミ)〇カワセミは土質の崖に横穴を掘って営巣します・・・最初は崖に向かって突進し、ガツンとクチバシをぶつけて突き崩すという荒っぽいことをやりますが・・・・翡翠と呼ばれているカワセミもかなり荒っぽい!・「川をきれいに」という標語や書かれているカワセミのイラストに対する違和感には共感する。見た目きれいな川ではカワセミは住めないのだ!カモ)・アヒルはマガモを飼いならしたもの(生物学的にはマガモ)、アヒルとマガモの雑種がアイガモ、カモ類の非繁殖羽をエクリプスと呼ぶって、そんな今更聞け内的基本的な疑問が解けました。チドリ)・チドリの足指は後ろ向きの1本が退化しているので枝に留まることが出来ないイソヒヨドリ)・都市のビル群を岩場に置き換えて都市部に進出中チョウゲンボウとハヤブサ)・〇分類学的には、ワシとタカに明快な区別はなく、すべてはタカ科です。典型的な「ワシ」であるイヌワシ亜科はタカ科に含まれています。・ですよね~と何となく納得トビ)・見た目ワシなのに「とんび」と呼ばれるけど・・・ウグイス)・ウグイス色は実はもっと地味な色だった?梅にウグイスはメジロの間違えではないか問題についてマニアックなブログにご訪問どうもありがとうございました。
2024.08.28
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・山本周五郎さんは不思議な作家だと思う。、この短篇集も戦後の1950年-60年代作品なので自分が生まれる前後に書かれた小説だから、現代とは言葉も違うし文化もかなり違うし、自分の記憶の断片もない時代の話なのだけど、いやだからこそなのか、大人のおとぎ話のようで妙な味があって面白かった。山本周五郎 ユーモア小説集 [ 山本周五郎 ]価格:1,300円(税込、送料無料) (2024/8/25時点)楽天で購入2024/8/18読了・「ユーモア」ってくくりの短篇集だったので、思っていたのとは違ったので、実は途中で読むのを止めようと思ったのだけど、読んでいくうちにハマってしまって、逆にユーモアもあって何だろうって考えるきっかけになった。答えは分からないけど「日本昔話」的な、何と言うか決して大笑いするようなものではなくてちょっとひねったりくすっと笑ったりして最後には安心できるみたいな・・・やっぱり「日本昔話」的なものなのかなと思った。「評釈堪忍記」「真説吝嗇記」「おしゃべり物語」「ゆうれい貸屋」「よじょう」「わたくしです物語」:既読なはずなのに内容はすっかり忘れていました「ひとごろし」・どの作品も大きな山場はないけど味があって、1本の映画やTVドラマにできそうな感じ。特に「ひとごろし」なんかは作品化されてもいいなと思ったのでけど、「ゆうれい貸家」は実際に映画化されていたらしい。
2024.08.25
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・木曽ひかるさんの著作は「曠野の花」に続いて2作目、名古屋市役所に長く勤務されていて生活保護にも関わっていた著者が書く現代の貧困残酷物語はリアルなのだろうと思う。生活保護をうけたいのに受けられない葛藤もリアル、そんな中で私が勤務する法人の病院でも行っている「無料低額診療」についても言及されていた。舞台となっているN市とは名古屋のことでしょうか? ストーリーとしてはいろいろな不幸や逆境がありつつも最後はハッピーエンドなのでとても救われた。冬萌 [ 木曽ひかる ]価格:2,310円(税込、送料無料) (2024/8/7時点)楽天で購入2024/8/1読了・コロナ禍で飲食業が不況になって失業してしまったという出だしが現在進行形の切実でリアルな話。しかも読み進んでいけば主人公の女性は両親に捨てられて養護施設で育った経歴があって、真面目な分だけ人付き合いがとっても苦手でつつましく目立たないように生きてきたのだけど・・・・職が見つからず、自分に向いてない接客業のキャバクラで無理して働いたりした。実はそこで知り合った訳あり女性たちとの人間関係に救われたりもするのだけど、田舎のキャベツ農園に住み込みで働く職を得てから生きる喜びを知って・・・そこでまた友人だと思っていた人に現金を盗まれるという災難もあるが(これってストーリー的に必要だったんですか?と著者に聞いて見たいポイントだけど)、結局は希望のあるラストがこの小説のよさの象徴かなと思える。・分類のついてはちょっと迷ったけど自分的には「社会派小説」と考えました。・ご訪問ありがとうございました。
2024.08.07
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・シーナマコトは永遠のヒーローなので、70歳になったときにも衝撃だったけどもう77歳・・・つらつらと書いた日記のようなものを1冊の本にしてしまうし、それが読みものとして結構面白くくすっと笑えたりするのはさすがシーナさんだなと思った。・仕事や遊びの仲間たちとは別に、奥さんの一技さんの存在の大きさが書かれていたし、ガクや葉さんという子どもたちや孫たちとの普通の関係も語られていてオモシロかった。・日記とは別に「3人の兄たち」(実兄、社会人になった当時の先輩とカヌーの野田さん)とコロナ闘病記が掲載されている。失踪願望。 コロナふらふら格闘編 [ 椎名 誠 ]価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/8/2時点)楽天で購入2024/7/30読了〇気がつけば東京女子医大のベッドの上だった。2021/6/20・まさかあのシーナさんがコロナに感染して重症化、生還した後も後遺症に苦しんでいるとは全く知らなかった。でそのコロナ感染体験記も収録されている。〇「血液よ、いい数値でいるんだぞ」とお願いしたいくらいだが、血液は全身にいるのでどこに向かって言えばいいかわからない・検査データがよかったら退院OKと言われたシーナさんの心の声(本好きのシーナさんなので話題になった本で読みたくなった本がたくさん)・「黒と誠」(コミック):本の雑誌創刊時のシーナさんと目黒さんが主人公らしい・米原万里さんの著作・「楼蘭」(再読したくなった)〇プロレタリア文学というジャンルがあるということは高校生の頃に知り、大きく刺激された。・・・『蟹工船』が入口だった。・それは知らなんだ。〇「実は数日前から我が家には禁酒法がしかれている。」(7月16日)・77歳の誕生日に喜寿の祝いで集まって飲んだ仲間がことごとく新型コロナに感染、酔いつぶれたまま意識不明で救急搬送されたシーナさんの家では禁酒法がしかれたそうだ。でも罰金を払えば飲んでもいいらしいが・・・何だか切実だけどほのぼの面白い
2024.08.02
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・高周波過ぎて52ヘルツの声で鳴いてもその声は他のクジラには聞こえない。「52ヘルツのクジラ」は、仲間のクジラには聞こえない声で鳴く孤独なクジラだ。2021年本屋大賞第1位受賞作。読むのが辛くなるけど最後まで読めば希望があって救われる物語だった。52ヘルツのクジラたち (中公文庫 ま55-1) [ 町田そのこ ]価格:814円(税込、送料無料) (2024/7/26時点)楽天で購入2024/7/7読了・家族から愛情を受けることなく奴隷のように扱われていた主人公の「キナコ」は、自分を助けてくれたアンさんの死、彼の52ヘルツの声を聴いてあげることが出来なかった後悔と、愛してくれていると思っていた男の真実に気づき、心機一転?誰にも言わずに九州の田舎の古い一軒家に身を隠すように移り住んだ。・そこで、シングルマザーの母親に虐待されている少年にであう。彼は虐待の影響で口がきけない。とりあえず名前が分からないので「52」と呼ぶことになる。彼こそまた52ヘルツのクジラだった。主人公の「キナコ」も自死してしまった「アンさん」も52ヘルツのクジラだ。・52ヘルツの声をお互いに聞くことが出来た「キナコ」と「52(実は「いとし」)の心の交流が話のメインストリームだけど、それを支える人たちの愛情にあふれる行いや言葉たちがとってもハートフルだったと思った。そして52ヘルツのクジラの声に耳を傾けられる人でありたいと思う。
2024.07.26
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・夏休み旅行の友に選んだ一冊。往路の飛行機の中で涙うるうるになってしまいました。・入管問題を題材に心優しい普通の人たちが辛い思いを乗り越えて生きる希望を得ていく物語、入管問題に鋭く切り込むハートフルな物語だ!憤りを感じながらもめっちゃいい話で涙無くては読めませんでした。やさしい猫 (単行本) [ 中島 京子 ]価格:2,090円(税込、送料無料) (2024/7/25時点)楽天で購入2023/7/13読了・地元名古屋の入管で起こったウィシュマさんの死亡事件もあるし、ワシが勤務する医療法人でも在留資格のない無保険の人たちを無料低額診療で診療しているので入管問題は身近であったはずなのだけど・・・今までは何となく理屈で、正義感で分かっていたような気になっていただけかもしれない。様々な理由でオーバーステイになって在留資格を失った人たち、知らなかったのだけど日本で生まれたにも関わらず彼らの子どもたちも在留資格がなく日本人としての人権がない、しかも犯罪者のような監視対象になっている(小説の中の話だけどおそらく事実でしょう。)。たくさんの論文や記事を読むより1冊の小説の力を感じる作品でした。・中島さん、「長いお別れ」も良かったけどますますお気に入りになりました。・社会派小説にカテゴライズしたけどハートフルな小説でもあります。
2024.07.25
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・管理職として勉強しなくては済まされないと必要に迫られて、といいながらも取り敢えず図書館本でパワハラ学習事始め。・読めば読むほど「パワハラ」っていうのが分からなくなる感じ、上司が部下に対して行う行為はグレーゾーンも含めて理解できたが、「セクハラ」と「パワハラ」は違う?上下関係のないはずの従業員同士とか部下が上司に対するハラスメントも「パワハラ」??【中古】パワハラ問題―アウトの基準から対策まで― (新潮新書)/井口 博価格:399円(税込、送料別) (2024/6/23時点)楽天で購入2024/6/20読了〇最も避けるべきことは見てみぬふりをすることである・結局そういうことですよね。そういう職場環境づくりがキモだと思います。・上下関係のある立場でこれまで「指導」として許されていたことが「ハラスメント」になるという時代の変化をしっかり認識することとそれを職場の文化にすることが必要だということですよね。・「ハラスメント」は当事者同士の問題であって職場管理者は傍観者であるという認識は全く甘い!!適切な対応をしていないと「安全配慮義務違反」とか「職場環境配慮義務違反」に問われ、慰謝料も個人よりも職場に課せられるほうが膨大になると知りました。・余談だけど「カスハラ」も怖いですね。そして「カスハラ」から職員を守ることも管理者の責任なんですね。・当然ながらもうちょっと勉強したほうがいいなと思っています。ご訪問ありがとうございました。読書は楽しいですね。
2024.06.23
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