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Adeltraud

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2021.01.25
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カテゴリ: 日記
でぃは、トイレを教える。うんちの時だけは吠えて教えるが、おしっこの時は吠えずにおもちゃを持って来たり、はしゃいで教える。


パピの事を思い出した。
パピは、私の目の前でうっかりキャットフードを口に入れた。
そして、いけない事をしたという顔をして、ゆっくりとキャットフードを吐き出した。
普通、犬はキャットフードも食べる。臭いがキツいせいか下手な安物のドッグフードよりも食い付きがいいらしいが犬の体には悪い。
そういえば、おすしとかいう駄犬にされたポメも野良猫が吐いたキャットフードを好んで拾い食いしていた。
パピが口に入れたキャットフードはレオがゲージから掻き出し飛ばした物だったが、パピは私と目が合うと吐き、二度と口にしなかった。すごいなと思いパピを大袈裟に褒めてドッグフードをたっぷりあげたが、さて、パピはなぜキャットフードを食べてはいけないと知っていたのだろうとしばらく考えて思い出した。パピが仔犬の頃、食べて良いものと悪い物をしっかりと躾けた事を。
私が忘れても、パピは絶対にルールを忘れなかった。

脚側停座から、アトエの声符できっかり半歩後退する。この際、指導手は軸足を残して45度後ろに回転せねばならないのに運動音痴な私は3度も軸足を動かしてしまった。パピは完璧なのにボンクラな私が足を引っ張る。パピは何度でも私が出来る様になるまで根気よく練習に付き合ってくれた。
間違える度に、パピごめんねと自分の不甲斐なさに苦笑いしながら練習する私。
パピは犬の素晴らしさと優しさを全て私に教えてくれた恩人ならぬ恩犬だ。
おすしも最初はパピに似たポメらしい可能性を見せた。飼い主を見抜き見下すのも早かった。流石はドイツにルーツを持つ使役犬の小型化だけある。
欧米の犬種はその多くが訓練を前提に作出されている。しっかりと訓練せねばその魅力は引き出されない。
パピは生涯を通してフルコートの美しい毛並みのままだった。トリミングもベイシングも普段のブラッシングも全て私がやった。元来、私は自分の犬を他人に触らせるのが嫌いだ。トレーニングの必要性があって街で出会った子供達に触らせていた。だから、手入れも全て自分でやる事を想定して犬種を選んだ。
最初は、長毛種の毛の手入れに不慣れで、パピの体を梳かしている時はその小さな体が東京ドームぐらいの面積に感じるほど苦痛だった。何よりも、不慣れな私に辛抱強く耐えて上達するまで付き合ってくれたパピに申し訳ない気持ちだったから、早く上達したくて本を買い漁っては読みイメージトレーニングをしたものだった。
私は犬をトレーニングする上で犬を叩かないが、自分の手はよく引っ叩いた。このバカチンが!とよく自分で自分の馬鹿さ加減に苛立ち自分を叱ったものだった。
パピはポメだったから生後6ヶ月の頃は、ポメに詳しい人から教わった通りにびっくりするほど禿げた。その後、まるでナントカ増毛法のCMみたいに美しい毛に覆われた。
ブラウンの毛が風にそよいでふわふわと揺れながら、完璧な位置で散歩するパピを眺めるのが好きだった。パピは基礎訓練も応用力も犬格も全てが完璧だった。長毛種を飼う楽しさはやはりフルコートにある。その美しい容姿を褒められる度にパピは何処か誇らしげだった。
脚側も然り、フセ一つとっても職人芸だった。

いずれ死ねばまたパピに逢える。その日を楽しみにあと僅か生きようと思う。

私はいつも死ぬ事ばかりを考える。子供の頃からずっとそうだが、私の様な不用品をいつまでもこの世に繋ぎとめているのが、でぃだ。でぃの寿命までは、迷惑だろうがしばらくこの世の人間共には辛抱して貰うしかあるまい。人類に不幸なニュースがあるとすれば、それは、でぃ亡き後も私が図々しくも生き永らえる事だろうが、その時は私も潔く死ねる様に私なりに努力するつもりだ。





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最終更新日  2025.10.08 19:23:59


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