行住坐臥

行住坐臥

2007年12月16日
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カテゴリ: 本の感想
黒龍の柩


林蔵の貌(かお)(上) 、間をおかずに 下巻 も読み終えた。


タイトルそのまま、蝦夷地の地図を作り上げた間宮林蔵が主人公。

間宮林蔵が幕府のスパイである公儀隠密だったらしい、ということだけは聞きかじっていたが、上巻では冒険家としての林蔵が、下巻では隠密としての姿をまといながら、幕府のためではなく共のために日本を文字通り縦断する林蔵が、より強く描かれている。

歴史で習ったシーボルト事件にも関わっていたのは、初めて知った。もちろんフィクションとして色づけはされているが、読了後にちょっと調べたら、ごく自然に史実に沿う形で話が進められていて驚いた。

物語の空気は、雪に閉ざされた蝦夷地で始まるせいか、なんとなく暗い。描かれる林蔵の人間性も相まって、全体的なトーンが抑えられたまま終わりまでいってしまった気がする。地味といえば地味な小説家も知れないが、人物が思いを述べる一言の台詞に、何度か心を動かされた。


黒龍の柩 よりも、こちらを先に読めば良かったと思う。蝦夷地と水戸藩というキーワードで、この二つの物語はつながっている気がした。











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最終更新日  2007年12月16日 15時54分50秒 コメントを書く
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