嘔吐112.

July 6, 2006
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カテゴリ: 幻想即興曲


それでも確かにこの身を切り裂いてゆく。


何も望むもの等ないのだと、何もこの世界にはないのだと。
私は私で、彼は彼。それだけが至上の悦びなのだと、私は無意識にも感じ取っていた。

そんな愚かな惑いが崩したのは、私に世界を教えてくれた彼に他ならなかった。
彼は優しく私の髪を撫でた後、最期の言葉をこの世界に残した。

『どんな世界にも、見えるものと見えないものがあるんだ。
 其れは僕にとって、何よりも重く理解するべきことだったんだ』


単調な雨の音と共に、彼は言葉を吐き捨て消えていった。



< 祝うべき十五の誕生日、彼の死によって私の世界を終わることになった >


碧。


盲目の君、求めるは虚ろなき世界を。
切望なる君、絶するは終わりなき世界を。

美しきは制限なる無知、愚かしきは制限なき虜囚。
求めるは、儚き世界の幻影を。


止まぬ雨に頬打ち付ける貴方へ。

願わくは、終わりなき空虚なる問いを、・・・永久に。






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Last updated  July 6, 2006 10:28:20 PM コメントを書く


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