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2006年03月16日
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カテゴリ: 文明論・日本論
世界文明一万年の歴史

 文明崩壊に引き続いて、世界の文明論第2弾。

 この本の最大の特徴は、作者のマイケル・クック氏がイスラム思想史の専門家ということ。

 大体、文明論となると三代文明への言及の後は、西欧かキリスト教に力点が置かれる形で展開されることが多い。

 そういった意味で、イスラムの考えが入った上での展開ということに関心があって、この本を購入した。

 しかし、とにかくかなり読み応えのある書物で、論の展開では正直ちょっと意味がわからんなーというところもあったが、西欧だけに限らず、オーストラリア大陸・アメリカ大陸・アフリカ大陸・ユーラシア大陸の古代中東にインドに古代地中海、そして近代化をもたらした西ヨーロッパと各地の文明が網羅され、世界全体を概観するにはいい。

 不思議に思ったのは、文字である。今や世界中文字で溢れているわけだが、文字を持った文明もあれば、文字を持たなかった文明もある。口伝によって知識を蓄えることも確かにできたが、文字のほうが、正確でかつ圧倒的な量の知識を伝えることができた。なぜ文字を生み出そうとしなかったのか?またどうやって文字を生み出したのか?
 象形文字や絵文字のようなものはわかるんだが、たとえばアルファベットのような文字、AやBが、これだけて何かをあらわしているわけではない。むしろ分からない。しかしそういった文字を生み出したことで、象形文字や絵文字では表せないようなことも、表現し伝えることができるようになり、知識の蓄積量が飛躍的に増大し、発展をもたらした。
 言語だけの世界から、絵文字や象形文字といったその文字自身で意味を表すものから、アルファベットといった文字自体が意味と分離しているものがどのように生み出されていったことに多いな疑問を抱いた。
 文字のロマン・・・

 コーラン関連の書物も書いているように、イスラムの教えへの造詣が深く、イスラム文明という形で章立てして論じられている。私はイスラムのことについてはほとんど知らない。世界史で習ったレベルくらいだが、この書物を読んでみると、やはりかなり違うものだと思わされた。日本人にとって、イスラムの中心地中東は、日常生活については石油という点で本当に密接なものだが、イスラム教やイスラム教信者はとても遠い存在だ。これまで、そしてこれからも中東の石油に圧倒的に頼らざるをえない以上(技術革新でエネルギーの大革新でもおこれば別だが)、この宗教のことを知らなければならない。


 世界文明一万年の歴史
 著:マイケル・クック 訳:千葉喜久枝 発行所:柏書房
 2005年7月1日第1刷 定価:2,800円+税






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最終更新日  2006年03月17日 00時01分59秒
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