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2006年07月25日
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富の未来(下)

 未来学者アルビン・トフラー氏の話題の最新作「富の未来」の下巻をつい最近読み終えた。

 アメリカだけでなく、ドイツ・フランス・イギリス・日本に韓国まで、第二の富の体制下において作られた諸制度が、第三の富の体制への移行というパラダイムチェンジともいうべきものによって破綻しかかっていることが説かれる。教育、そして日本でも少し前にものすごく話題になっていた年金(まだ解決しているわけではないが、郵政などで一気に霞んでしまった気がする)などが聴きに陥っていること、そして危機は、国家レベルだけでなく、国連や、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)などの国際機関においても発生していることが説かれる。

 危機が発生するのは、その第二から第三の富の体制への移行において、はっきりとした移行の以前から起こっている、その基礎的条件の深部にある時間・空間・知識が変化をするからで、そして民間セクター(企業)などは、その変化についていこうと加速していくが、公共セクター(官僚そして法律)は、そうではないため、民間と公共で大きなギャップ(非同時化)が起こってしまうというわけだ。思い出せば、自分も、保険会社時代を思い出すと、とにかくスピードアップが説かれていたし、知識の共有化が大きなテーマになっていた。そういった意味では、民間企業は、基礎的条件の深部の変化に対応しようとしていたんだと思う。

 上下巻を通して、思うことは、とにかく第二の富の体制=工業社会を前提とした均質性・標準化といった大衆を意識した制度ではなく、第三の富の体制=知識社会を前提とした制度に変更することだ。没個性の大衆(マス)ではない、カスタム化された、非マスの対応をすることが、市場の商品だけでなく、教育でも、福祉でも求められているのだ。

 そして最後に、アルビン・トフラー氏が示唆していることが、とても印象的だった。第二の波によって、経済中心の考え方が生まれ、文化・宗教・芸術すべてが、その副次的なものとなったが、第三の波の革命的な富では、知識の重要性が高まり、経済は、中心ではなく、大きなシステムの一部となり、文化・宗教・倫理などが中央に戻ってくるということだった。まだまだ経済が中心であることには変わりないと思うが、本当にそうなるのだろうか?とも思いつつも、この上下巻を読むとそう思わせるだけのさまざまな例証がなされている。未来学者アルビン・トフラー氏渾身の1冊だった。


富の未来(下)
著者:アルビン・トフラー&ハイジ・トフラー
訳者:山岡洋一
発行所:講談社 定価1,900円+税
2006年6月7日第1刷発行


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最終更新日  2006年07月25日 20時43分04秒
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