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「新エネ等電気利用法」、「新エネ特措法」、「新エネRPS法」、「RPS法」、これらはみな同じものです。「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」のことです。(RPS法ホームページから、法令及び関連資料がダウンロード可能となっています。この法案が審議された際、自然エネルギー、再生可能エネルギー促進派の人たちから支援を受けた野党4党(民主党・日本共産党、社会民主党・自由党)により「自然エネルギー発電促進法案」が共同提案されました。この法案の文面や、国会での動きなどは、自然エネルギー促進法推進ネットワークのサイトに、くわしく掲載されています。「RPS法」と「自然エネルギー発電促進法案」とを比較しながら、この法律の詳細を見ていきたいと思います。この「RPS法」は、「目的」を、第1条で次のように規定しています。「この法律は、内外の経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保に資するため、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する必要な措置を講ずることとし、もって環境の保全に寄与し、及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」RPS法では、「内外の経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保」が主目的で、ついでに「環境の保全」や「国民経済の健全な発展」も望めます、といっています。これに対して、「自然エネルギー発電促進法案」の第1条では、「この法律は、自然エネルギー発電を促進するための措置を講ずることにより、枯渇しないエネルギー資源の有効な利用及び温室効果ガスの排出の抑制による地球温暖化の防止を図り、もってエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保及び環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の構築に資することを目的とする。」となっています。こちらには、「自然エネルギー発電」とわざわざ銘打った上で、「枯渇しないエネルギー資源の有効な利用及び温室効果ガスの排出の抑制による地球温暖化の防止」を図り、これによって、「エネルギーの安定的かつ適切な供給の確保及び環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の構築」もできますよ、といっています。みなさん、どうでしょうか?のっけから、再生可能な自然エネルギー、地球温暖化のために温室効果ガスの排出を抑制すること、持続可能な社会の構築、などへの思いの違い(RPS法は、これらにまったく言及していないが、自然エネルギー発電促進法案には、明確に謳われている)が、如実に表れていると感じませんか?
2006.12.02
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寒くなってきました。今日も午前7時40分ごろ温度計を見たら、外気温がまだ6℃、棟温も9℃。ところが室温は20℃あり、室内はまったく寒くありませんでした。OMソーラーのおかげです。さて、表題のRPS法です。新エネルギー法について、これまで書いてきましたが、ずいぶんと硬い文章で、読む気が失せた方も多くいると思います。そもそも新エネ法からRPS法について述べていこうと思ったのは、私たちが再生可能エネルギーを利用しようとしても、国はどうもそれを支援してくれている雰囲気ではないなあ、冷たいなあと感じているからです。つまり、1997年のCOP3・地球温暖化防止京都会議における京都議定書調印以降の日本のエネルギー政策は、再生可能エネルギー、自然エネルギーを推進するような体裁、形式をとっているけれど、実際のところ、むしろもっと拡大していいはずのこれらのエネルギーを抑制するものになっているのではないか、そのためにヨーロッパでできているこれらのエネルギーの拡大が日本では押しとどめられており、風力で圧倒的に差をつけられ、太陽光でもせっかく日本が維持してきた世界一の座をドイツに明け渡すことになってしまったのではないか、すなわちその法体系、あるいはこれらの法を施行する政府の政策や電力会社などの姿勢に問題があるのではないか、ということを述べたかったわけです。で、新エネルギー法を検討した結論としては、その規定・定義からして、再生可能エネルギーが新エネルギーの一部として位置づけられ、本気で推進する体制になっていないこと、新エネルギーに廃棄物を焼却して得る熱利用や発電、そして燃料製造といったエネルギー利用が含まれる、この廃棄物利用エネルギーが新エネルギーの主役になっていること、を述べました。前置きが長くなりましたが、ということで、次にRPS法について述べていきます。日本政府は、新エネルギーには経済性、出力安定性、利用効率に問題があり、この新エネルギーの利用を促進する措置が必要だということで、そのために、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案」を、平成14年度通常国会に提出しました。この法案は2002年4月26日衆議院本会議で採択し、5月31日には参議院も通過、成立しました。2003年4月から施行されている「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」は、略して「新エネ等電気利用法」とも呼ばれるが、さらに略されて、通常「新エネRPS法」あるいは「RPS法」と呼ばれています。RPSというのは、Renewables Portfolio Standardのイニシャルをとったものです。Renewables(sをつけない場合も多い)というのは、再生可能なもの、ずばり再生可能エネルギーのことです。このRPS法で対象となるエネルギーは、再生可能エネルギーと称していることもあり、新エネルギー法で規定されたものと若干異なります。これはまた後に説明します。次にPortfolio・ポートフォリオというのは、もともとの意味は、紙ばさみ、紙を簡単に綴じるファイルケースのことですが、「個々の機関や個人が保有する証券はそれぞれ紙ばさみにはさんで保管されていたことが多かったため、保有者ごとにはさまれた複数の証券を一つの資産として見なし、それをポートフォリオ(紙ばさみ)と呼びました。そして、現在では証券のみならず不動産等も含め多種多様な運用商品を組み合わせてできた投資資産全体をポートフォリオと呼んでいます」(東海東京証券のサイト。http://www.tokaitokyo.co.jp/main/investment/fp/fp_po_1.html)ということです。で、そのStandard・スタンダード=標準・基準を定めたものということで、電力会社が新(再生可能)エネルギーの決められた義務量(基準利用量)を達成するのに、市場メカニズムを通じた投資分散戦略を活用しておこないなさい、というものです。すなわちこのRPS法は、再生可能エネルギーによって発電された電気の目標量を購入する義務とするとともに、「グリーン証書」の取引という市場メカニズムを通じて、市場の参加者の間に競争が起こり、決められた再生可能エネルギーの総量をもっとも安いコストで達成できる制度証書などの発行や取引などをおこなうものです。長くなってしまったので、今日はこの辺で。
2006.12.01
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