愛いっぱい 介護生活の便利な介護グッズ♪♪アンチ寝たきり byホームヘルパー愛

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おむつトラブル解決法.2




「以前は使い終わった紙おむつを一つ一つ丁寧に袋に詰めて、臭いがもれないようにガレージのポリバケツに捨てていました」。


東京都に住むIさん(57歳)は、使用済みおむつの処理に、ほとほと困り果てていたといいます。どんなに気をつけたところで、可燃ごみの回収は週に2回。おむつは山のように溜まり、漏れてくる排泄臭は防ぎようもありません。ガレージにはつねにむっとした空気がこもるように。ポリバケツの蓋を開ける瞬間は、思わず気の遠くなるような悪臭に耐えねばなりませんでした。







誰もが持て余す、使用済みオムツの臭い。在宅介護のストレスをいやがうえにも増す、頭の痛い問題です。
昨年6月、長瀬産業が発売した「おむつぽい」はそんな悩みに着眼した商品。おむつを入れたパック袋の口をパック器が完全密閉し、排泄臭をシャットしてくれるそう。さらに容量を約半分にまで圧縮。「臭いうえにかさばる」、実に厄介な使用済みおむつが、その名のとおり気軽に「ぽい」と捨てられるゴミに変身するというのですから、これは便利と言わざるを得ません。
はてさて、その効果は果たしてどれほどのものなのでしょうか?同社ヘルスケア事業部の大坪寛明さん、販売担当の日本マート東京営業所・岡田貞彦介護用品事業部長のご協力を得て、実際に検証させて頂きました。


効果を検証!
一見したところ、家電製品というよりまるで道具箱といった風情の「おむつぽい」。けしてスマートとは言えませんが、大きさは幅360ミリ・高さ139ミリ・奥行き175ミリと、かなりハンディ。ただし、重さは3.5キロあるそう。


実際に防臭効果のほどを実験したいのですが――という私の希望に応えて、あらかじめ、コーヒーを沁みこませた紙おむつが用意されました。


「それでは実験を始めましょうか」


まずは紙おむつをパック袋に。次にパック器の蓋を開け、パック袋の両側に開けた穴を、パック器内部の棒に通します。蓋を閉めれば、セット終了。あとは自動的に袋が圧縮パックされ、口の部分がヒートシールされるのを待つだけです。待ち時間はおよそ3分間。







さて3分後、終了を知らせるブザーが鳴りました。完全密閉された袋はたしかに先ほどの半分ほどの容量。
「かいでみてください」
岡田部長の言葉に促され、鼻を押しあててみましたが、においはまったくせず。もっともコーヒーですから、アンモニア臭のあの強烈さとは比べるべくもありませんが。しかし、これだけ徹底的に密閉、圧縮されていれば、なるほど臭い漏れはなさそうです。








※取材後、パック袋を1枚頂いた私は自宅に帰り、「ナンプラー(魚醤)」を使って再実験してみました。ナンプラーはご存知の通り、かなり強烈なニオイのするアジア料理の調味料です。キッチンペーパーに大量に沁みこませ、パック袋に入れた場合と、買い物袋に入れた場合とで比較。口部分はとりあえずテープでふさいでみました。軍配はやはり、パック袋に。臭い洩れはまったくなし!恐れ入りました。


ペットボトルの材料が臭いをシャット
さらに詳しいお話をお二人に伺いました。


―このパック袋は特殊な加工がしてあるのですか?
大坪さん 二層構造になっているんです。内側はポリエチレン。買い物袋などを作る素材で、粒子は粗めです。外側はポリエステル。ペットボトルを作る素材で、こちらは粒子が密。ポリエステルで臭いをシャットし、熱に弱いポリエチレンを溶かすことで、ヒートシールします。しかも、燃やしても有毒成分は一切出ません。ですから、通常のゴミとして出すことが可能なんです。
岡田部長 中を見てください。おむつを入れる袋にはストローと、それを覆うカバーが取り付けられています。このストローを通してほぼ真空の状態になるまで空気を抜きます。結果的に容量は元のほぼ半分に。さらに撥水性の樹脂で作られたカバーが汚物をシャットします。







―パック器が熱くなって危険となることは?
大坪さん 触ってみればわかるように、熱くはなりません。大丈夫ですよ。


高い買い物?安い買い物?
―ところで価格のほうは。
大坪さん パック器は税別2万9800円。パック袋は60枚入りで税別3000円です。


―介護家庭は何かと経済的負担が大きくなりがちですが、割高な感じを抱く人も少なくないのでは?
岡田部長 捨てるものにそれだけのお金をかけるのはバカバカしいと思う人もいるでしょう。しかし、臭いによるストレスを解消できるなら安いもの、と感じる人も多いはずです。


―ランニングコストはいくらくらいかかるのでしょうか。
大坪さん このパック袋は紙おむつが2枚入る大きさとなっています。排尿したおむつの場合、とりあえず1枚だけ入れて、次のおむつ替えまで専用クリップで止めておけばいいでしょう。排便時のみ直ちに処理するようにするわけです。言い換えれば2袋で1日3回のおむつ替えに対応できるということ。つまり、60枚で1ヶ月分。尿取りパットなら5、6枚は入りますよ。ちなみに電気代は月々、10円に満たないほどです。


―耐久年数はどれくらいなのですか?
大坪さん 1年間は無償保障しています。しかし、発売後1年以上経った今も、故障したケースは出ていません。唯一、消耗しやすいのはパック器のゴム部分ですが、これも付属の保護器を付けることで、傷みを防ぐことができます。



介護者の視点に立った商品を
冒頭のIさんはゴミ出しの際も「カラスに破られないように」などと近所を気遣い、肩身の狭い思いをしていたとか。しかし、「おむつぽい」を購入後、悪臭や周囲への気兼ねから解放され、気持ちにゆとりが生まれてきたといいます。3万円近いパック器に、月々3000円のパック袋代--コストの高い、安いは別として、長いことおむつ処理に悩んできた人たちにとっては意味のある商品だと言えそうです。



介護する側の視点に立った、ありそうでなかったこんなグッズ。これからもますます登場してくれるといいですね。

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