| 株式会社 北川本家 |
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| 〈沿 革〉
創業は江戸時代の初期、酒株制度が起こった明暦3年(1657)以前と伝えられています。当時伏見は酒造業者が盛業を極めていて83軒もあったということです。宇治川の沿岸で船宿を営んでいた鮒屋四郎兵衛が酒を製造し、「鮒屋の酒」という銘柄で、伏見の代表的な清酒として、水路で三十石舟に積まれ大阪へ運ばれ、さらに江戸へ送られてあずまびとの舌をとらえたといわれています。明治43年(1910)、10代北川三右衛門が、中国の四書五経の中より「富此翁」の表現をみつけ、爾来酒銘を「富翁」といたしました。「富此翁」の「富」は貧富を表すのではなく、精神的な富をさし「心の豊かな人は、晩年になって幸せになる」という意味です。法人化は昭和11年(1936)5月。今後も御愛飲者の心を豊かにする酒造りを継承してまいります。 〈現 況〉 元来乾蔵(本蔵)と玉水蔵(支店)の二蔵で醸造しておりましたが、近年の蔵人の老齢化にともない、昭和61(1966)年乾蔵に統合し、エレクトロニクス化し、機械造りでありながら、特定名称酒などの手造り清酒と同様の高品質の酒造りができるようになりました。その結果、製造コストを極力下げ、価格面品質面でも、御愛飲者より高い評価を得ております。 昭和58年初めて全国新酒鑑評会に出品以来5年連続、現在まで8回の金賞を受賞いたしました。酒造りは「心」であり「技術」であり、日本の文化であります。それを後世まで継承していくことが使命であると考えております。 営業面では、時代に即した御愛飲者の方の嗜好の変化を早く商品にとり入れ、当社商品に何を求めておられるのかを考えて、商品開発を行うことが必要と思っております。平成8年(1996)に“アンテナショップ”としてこだわりの米と酒の店「おきな屋」を開設いたしました。今後もさらなる研鑽をはかってまいります。 |