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かとう あきら

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2018/08/30
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カテゴリ: 日記


午前、ひたすら休養。

昼食、安城湯麺
非常にオーソドックスな韓国インスタント麺。
際立った特徴はないのだが、
時々食べたくなって、
たまに通販で買って食べる。美味しいよ。
そんなに辛くない。
安心できる味じゃないかなと思う。
【韓国食品】【韓国ラーメン】農心安城湯麺(アンソンタンメン)


午後、長野ロキシー。
瀬々敬久監督「 菊とギロチン 」(2018)
公開を心待ちにしていた!



これは特別な作品。傑作だ。
凄まじい気迫と熱量。
あっとゆー間の約3時間。感動。
ものすごいインディーズだ。
大手映画会社と関係なく
国映中心の自主映画として撮ったから
これほどの強さを獲得できたのかなと思う。
ここ数年の瀬々監督の商業作品も
どれも高水準で素晴らしかったが、
この作品はちょっと半端ない。
異常なテンションが終始貫かれる。
それなのに語り口は悠然としてる。
マスターピースだ。
熟練と若々しい情熱の両立。
ハンマーで脳天を殴りつけられたような衝撃がある。
監督の執念だな。

除き穴から覗くように映画は始まる。
見世物小屋の覗き穴っぽい淫靡で猥雑な感じもあるし、
現代から過去(大正時代)を覗きこむような感じも起こさせる。

時代設定は関東大震災の頃。
革命を夢見るギロチン社のアナーキストたちと
女相撲一座の物語。
アナーキストたちに女相撲を絡めたところがミソ。
絶妙だ。
アナーキストの男たちは
みんな偉そうに元気よく天下国家を語り、
夢や詩を語る。
でも、
やってることといえば、
金持ちから金を巻き上げて、
酒飲んで女買って抱いてるだけ。
地に足が全くついてない。
まあ、男なんて全世界どの時代どこに行ってもこんな程度のものだ。
まあ、しっかり地に足がついた堅実さがあれば、
革命などなかなかできない。
堅実なリアリストはそもそも革命など考えない。
夢見るように天下国家を語れるから革命を考えたりする。
こーゆー夢見るような男の中でホンの数名だけが革命を成し遂げて世の中を変えて名が残る。
でもほとんどの革命の志士は犬死にだ。

中浜鉄役の東出昌大くんが素晴らしすぎだ。
もう完璧に瀬々組の役者って感じ。
それにしても、
そーゆー男たちに比べて女相撲の一座の女たちはひたすら実質的でしっかり地に足がついてる。
女性差別がごく普通のことだったこの時代。
自分らしく生きるためには強くなるしかなかった。
ここの一座の女性たちはそうやって相撲に身を投じた女ばかりだ。事情は様々だが…

相撲がガチですごい。これはマジで練習したらしいね。
取り組みのシーンはフィクションだとわかって観てても思わず力が入り、前のめりになって観てしまうほどの迫力。
贔屓の花菊の取組なんか、
マジで応援しちゃった。
女子プロレスもそうだが、
女相撲もどこか「キワモノ」っぽさが抜けない。
それでも、戦ってるレスラーや力士たちはもちろんガチで本気なのだ。命がけ。
客もなんとなく「ちょっと裸が見れるんじゃないか」とかエロ目線だったり、
キャットファイトを暇つぶしで見るような感覚で観にきてる人が当時も多かっただろう。
しかし、いざ取り組みが始まるとその勝負はひたすら真剣で、男の相撲と何ら変わらない。もちろんエンタテインメントな興行なので、胸ポロリみたいなお色気サービスがちらっとあったり、歌や踊りもあるし、口で米俵を持ち上げるといったサーカスみたいなことだってやっちゃう。でも、正式な取組になると豹変する。

女相撲の相撲甚句、いいなー。特にラストの相撲甚句は超泣けた。マジでボロボロ泣いた。仁科あいさん、感動的名唱だ。

彼女たちは本気で強くなって勝って番付を上げたいと思っている。
不純なエロな動機で来た客たちも、いつの間にかマジで熱く応援するようになってる。
めっちゃかっこいいんだよな。
一座の結束感も半端ない。ほんとの一座みたい

十勝川の天皇陛下万歳のシーンに心引き裂かれた。
十勝川役の韓英恵さん、凄い演技。
このときの在郷軍人会のリーダー役の大西信満さんの悲喜劇的に高らかな爆裂的万歳がこれまた凄まじくて、十勝川の万歳の悲劇性がより一層際立つ。大西さんこーゆー役もすっごくいいなあ。
当時の日本の在郷軍人会の雰囲気ってのは、この作品を観るとすごくよくわかるかも。

在郷軍人会もそうだけど、
第一次大戦が尾を引いてるんだな…。
世界中がそうだった。
だから世界中がどうしようもない勢いで第二次大戦に突き進んでいった。
日本で言えば、おそらく日露戦争から第一次大戦を経てずっと何か尾を引いているように思う。今も。ずっと。

十勝川役の韓英恵さんはこの作品の中のエロ要素の全てを背負って立つ存在。全く脱がないし濡れ場もほぼないのに異常にエロい。説得力あったー。凄かった。おれも、もし十勝川が側に居たらたまらん。
彼女はエロの象徴でもあり、朝鮮人で人種差別の象徴でもある。女性で朝鮮人で、しかもエロくて男にモテまくる。幾重にも差別される存在。

こうやって書いていくと、これは大正時代が舞台だけれど、現在の映画であることは明白だ。関東大震災は東北の震災だし、地方の問題、貧困の問題、人種差別や性差別など様々な差別の問題は現代と何も変わらない。
かつては飢饉のときには、雨乞いのためにわざわざ女相撲を呼ぶことすらあったそうだ。
穢れた存在の女が神聖な土俵に上がると神様が怒って雨を降らせるのだとか。ひどい理屈だ。
その一座を守る座長を演じる渋川清彦さん、かっこよかったー。終盤はシビレたー。
女相撲は太鼓だけじゃなくて三味線が入るんだね。興味深い。花街の神社の祭の神楽には三味線入ったりすることがあるよね(権堂も三味線が入る)。おれはいいもんだなと思う。花街の神楽はそれで良いと思う。


花菊に惚れたー。

木竜麻生ちゃん超魅力的。パンフ読むとかなり監督に絞られたようだが、それだけのことはあったのではないかな。だいぶ頑張って体重増やしたみたいだけど、ウェイト増やしてもひたすらかわいくて健気。木竜麻生ちゃんホントに、素晴らしかった。花菊を演じたことは彼女の一生でも特別に大きな事件だろうと思う。次回作が楽しみな女優さん。
川瀬陽太さんや宇野祥平さん、下元史朗さん、鈴木卓爾さんなどなど書き始めるとキリがないくらい大好きな役者さんばかり沢山出てて、最高だった。

海辺のダンスシーンが最高。重要な場面。
時代考証も国境も何もかも投げ出して、ここだけはひたすらアジア的に自由を謳歌する。パーカッションの凄さを再認識。ジャンベとか出て来ちゃうもんね。でも極めて自然。
何の違和感もない。美しいシーン。


家内と待ち合わせて日光飯店で夕食
日光飯店、久しぶり。






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Last updated  2018/10/17 07:06:13 AM


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