元代表の穴

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かとう　あきら

長野市在住。かとうあきらのBlogです。長野を拠点に、名古屋、東京などで音楽の仕事しています。アマチュアオケの指揮指導、violin,violaのレッスン、コンサート企画、楽曲解説の執筆、レクチャーなど。 2011年に脳出血で倒れ、現在も左半身麻痺状態でリハビリ継続中。

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2022/05/12

2022/04/16

清水宏監督「サヨンの鐘」(1944)
Youtubeで観る。半分仕事な感じで観た。

まず台湾高砂族の娘サヨンの遭難事故が1938年にあり、「愛国乙女サヨン」のための碑と鐘が台湾総督の肝入りで作られた。それから渡辺はま子の「サヨンの鐘」が1941年にヒット。それで作られたのがこの映画。もちろん台湾総督府と松竹によるバリバリの国策プロパガンダ映画だ。
出征する日本人警官を見送りに行ったサヨンが丸木橋から落ちて亡くなるとゆー遭難事故が、台湾先住民（生蕃）宣撫のための、そしてまた植民地台湾における日本の植民地政策と理蕃政策の正当性を誇示するための「愛国美談」として語られるようになった（ご時世だなあ...）。めっちゃ強かった高砂義勇隊のことも正当化してPRしたかっただろうし...連合国の兵士たちは南方のジャングルの闇の中を音もなく移動していきなり襲いかかってくる高砂族の兵士たちのことを心底恐れていた。高砂族はゲリラ戦が得意だった。幼い頃から山の中を裸足で駆け回って遊び回っていた彼らにとってジャングルのゲリラ戦はお手の物だった。

思いっきりプロパガンダな作品なので、随所でどうしても「ううっ」とゆー感じになる。おれはこの「ううっ」とゆー感覚を味わうためだけでもこーゆー作品は観る価値があると思う。日本人としてはしんどいことだが、どこがどのようにプロパガンダなのか考えながら観るのは必要なことだと思う。
しかし、この作品のトーンは基本的にのんびり＆おっとりしていて、全体に悪くない感じだったりする。野生的な李香蘭がとても魅力的だし、子供たちがめっちゃ可愛い。台湾の山間の先住民の村の描写もとても美しい。主題歌は渡辺はま子なので、李香蘭は「サヨンの歌」を歌っている。素晴らしい歌声。

実家で庭仕事
ほうれん草と雪菜収穫。
ヽ(｀▽´)/