(安倍総理演説の続き)
第二に、日本はこれからも、誰しもすべてを益すべく十分に開かれた海洋公共財など、
グローバルコモンズの守護者であり続けねばなりません。日本とはかような意欲を持つ国で
ありますからこそ、
第三に、わが国は米国始め、韓国、豪州など、志を同じくする一円の民主主義各国と、いままで
以上に力を合わせなくてはなりません。ルールの増進者であって、コモンズの守護者、そして
米国など民主主義諸国にとって力を発揮できる同盟相手であり、仲間である国。
これらはすべて、日本が満たさなくてはならない役割なのです。
私はまた、地球儀を眺めました。見るうち気づくこととは、日本という国は、皆さん方の長きに
わたる同盟国として、またパートナーとして、過去半世紀以上になんなんとする間、
アジア・太平洋の平和と繁栄から裨益し、また、それに貢献してきた国だということでした。
支えたものとは、いうまでもなく、われわれの間にある同盟であります。アジアが復興を遂げつつ
ある時ぞ今、日本はわれわれに共通のルールと価値を増進し、コモンズを守り、地域の栄えゆく
国々と歩みをともにして伸びていくため、より一層の責任を負わねばならないのです。
経済的不調との戦いに、かまけているゆとりなどありはしないのです。
私はまた胸中に地球を思い描き、テロとの戦いにおいて、日本は頼りになるパートナーでなくては
ならないと思いました。決意は、アルジェリアで10人の日本人、3人のアメリカ人エンジニアが殺
されたいま、より強いものとなっています。
世界はなお日本を待っていると、私はそう思いました。
人権の伸長において、貧困、病との、地球温暖化やもろもろとの戦いにおいてです。だからこそ、
ご列席のみなさん、私は再び総理になろうといたしました。だからこそ、私は強い決意をもって、
日本経済を建て直そうとしているのであります。
いましがた私は、アジアが長足の進歩を遂げつつあると申しました。が、ただ一つ例外がある
と付け加えるべきでした。
その例外とは、もちろん北朝鮮です。
彼らが核実験に及んだのを受け、わが政府は追加の制裁を平壌に対して課しました。
核開発に向けた北朝鮮の野望は、容認されてはなりません。
核開発、ミサイル技術開発を諦め、拉致したすべての日本国民を解放しない限り、わが政府は、
およそ報奨めいたものを与えるわけにいきません。
本件は単なる地域的問題なのではありません。グローバルな懸念事項です。わが政権下、
日本は米、韓、その他の諸国、そして国連と、倦むことなくともに働き、北朝鮮が野望を実現する
のを阻まなくてはなりません。
わたしの上着の、襟がご覧になれますか。
ブルーリボンのバッジをつけています。これには目的がありまして、来る日も来る日も、自分は、
1970年代から80年代にかけ北朝鮮が拉致した日本人を取り返さなくてはならないということを、
自分に思い出させるためであります。
拉致された人たちの中には横田めぐみという少女、まだ13歳のいとけなさだった少女もおります。
日本とは、人権をどこまでも重んじる国として、強くあらねばならないゆえんであります。
経済において強く、そして、国の守りにおいて強くなければならないのです。
申し上げます。日本もまた、厳しい財政制約の下にあります。けれども、私は政府に命じ、
国土防衛のため予算を増額するようにいたしました。長年月において初めてのことであります。
ですから本日は、この場で、リッチ、ジョン、マイクやお集まりのご友人、ご賓客のみなさんのもと、
私は一つの誓いを立てようと思います。強い日本を、取り戻します。
世界に、より一層の善をなすため、十分に強い日本を取り戻そうとしているのです。
私は、なさねばならない課題を現実とするべく、総理となる機会を選挙民に与えられました。
私はいま毎朝、大いなる責任の意識を重々しくも醒めて受けとめ、目を覚ますのであります。
いま、アベノミクスなるものがあります。私が造語したのではありません。
つくったのはマーケットです。
これは、3本の矢からなる私の経済活性化策のことを言います。
日本では、デフレがかれこれ10年以上続いてきました。私のプラン、いわゆるアベノミクスとは、
まずもってこのデフレを取り除くためのものであります。プランは実のところ、幸先のよいスタート
を切りました。最初の矢といたしまして、私は日銀を促し、いままで彼らができないと思っていた
次元の仕事をさせました。
内外の投資家は、これで日本株を買い始めました。
輸出が増えるとともに日本産業が円滑な回転をするようになり、東京の株式指標は上昇しました。
第二の矢とは、大規模な補正予算を実施することです。十分に大きなもので、日本 経済を
2パーセント押し上げ、60万人の雇用をもたらすものとなるはずです。
第三が、成長戦略です。民間消費と民間投資は、予想していたより早く現れるでありましょう。
いまのところ、経済指標はみな上向きです。これらの施策に、かつて試みたものがあるのは
確かです。しかしおずおずとでしたし、いかにも逐次的でした。
私のプランにおいて、矢は3本とも強いです。
速いですし、遅滞なく放たれています。じき、日本は輸出を増やしますが、輸入がそれに連れて
増加します。米国は、そこに裨益する第一の国でしょうし、中国、インドやインドネシアが後に続
くことでしょう。
しかし、話はそれで終わりではありません。もっと重大な課題が残っています。日本の生産性を
向上させる課題であります。日本の経済構造を、作り直すという課題です。
女性には、もっと多くの機会が与えられるべきです。預金が多いのは主に高齢層ですが、
租税負担が重くならないかたちで、若い世代に譲り渡すことができなくてはなりません。
私の政府は、いままさにそれを実行しています。
結論へ移る前に、中国について少々申し上げ、日米関係をわたしなりにどう定義するかを
お話させてください。
初めに尖閣から。
尖閣諸島が日本の主権下にある領土だということは、歴史的にも、法的にも明らかです。
煎じ詰めたところ、1895年から1971年までの間、日本の主権に対する挑戦など、誰からも
出てきておりません。いまも、未来も、なんであれ挑戦を容認することなどできません。
この点、わが国の決意に関し、どの国も判断ミスをすべきではありません。日米同盟の堅牢
ぶりについて、誰も疑いを抱くべきではないということであります。
同時に私は、エスカレートさせようとは露ほども思っておりません。それどころか、私の政府は、
日本と中国の人的交流のため、いままで以上の資金を投じようとしています。
私の見るところ、日中関係は日本がもつ最も重要な間柄のひとつです。かつて私が命名した
「戦略的互恵関係」の追求において、私は、手を休めたことのない者であります。
私の側のドアは、中国指導者のため、常に開いているのです。
そこでようやく、日米の間にあるわたくしたちの繋がりについて一言申し述べることができます。
日米両国が地域と世界により一層の法の支配、より多くの民主主義、そして安全をもたらすことが
できるよう、さらには貧困を減らすため、日本は強くあり続けなくてはなりません。
それが、第一の点です。
そこで、私は、防衛計画大綱の見直しに着手しました。防衛省予算は増額となります。
それらすべては、いま申しましたような課題をなさんがためであります。
それにしても、素晴らしいことです。日本と米国の間に築かれた紐帯は、良き日も悪しき日も
しのいで今日に至りました。
米国史全体の、4分の1を上回る長きにわたって、継続してきたのであります。
けれどもそれは、驚くに値しないことです。米国は、世界最古にして最大の、海洋民主主義国、
そして日本は、アジアで最も経験豊かで、最も大きなリベラル・デモクラシーであって、やはり
海洋国なのでありますから、両者はまことに自然な組み合わせなのです。
これまで長い間そうでしたし、これからも長の年月、そうであることでしょう。
いま、世界でいちばん大きなエマージング・マーケットは、ミドル・アメリカなんだと言う人がおります。
ダコタとか、カロライナのことです。
そこで結論として、みなさんに申し上げたいのですが、わたくしの課題とは、未来を見つめていくこと、
そして日本を、世界で2番目に大きなエマージング・マーケットにすることであります。地域と世界に
とって、いままでにも増し頼りがいのあるパートナー国にすることなのです。
前に伸びる道は短いものでないことを、私は承知しています。
しかし、いま私は、日本をそうした国とするためにこそ、カムバックをしたわけであります。
世界をよりよいものとするために、日本は一層の努力をしなくてはなりません。
私もまた、目的実現のため懸命に働かなくてはならないのです。
みなさん日本は戻ってきました。私の国を、頼りにし続けてほしいと願うものです。
有難うございました。