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馬鹿人(ER34)

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2004.05.26
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テーマ: たわごと(27821)
カテゴリ: カテゴリ未分類
要領のいい奴と悪い奴。世の中二つのタイプがいるが、大抵の場合得をするのは前者のほうである・・・

就職活動も佳境を呈してくると、内定をもらった人、そうで無い人、気にしないふうに装ってもどうしても回りのことは気になるものだ。中には、自分がいくつ内定を取ったかを誇らしげに吹聴するような人もいる。
学生を面接会場に連行(笑)する際には、必ず身だしなみをチェックして、くだらん冗談を交えながらできるだけリラックスさせてあげるべく、いろんな話を持ちかけるようにしているのだが、そんな中で「もう回りの人は結構進路が決まってるんですか?」という質問には、必ずといっていいほど学生は敏感に反応する。

気にしないでゆっくり・じっくる考えるようにアドバイスするのだが、これが卒業研究に残りの学生人生を費やす”理系”学生ともなると、そうはいかない。
早く進路を決めて研究に没頭しなければ卒業も危ういという人もいるからだ。場合によっては、そのまま大学院に進学することも視野に入れている場合はなおのこと。
早く白黒つけたいという気持ちが焦りを生む。
必然的に、まわりの学生の動向に気が向いてしまうのは止むを得ないとも言える。

今日も、そんな様子で落ち着かない2人の学生さんを面接した。

「どういったきっかけで当社に興味を持ったのですか?」

「趣味は?」
「ビリヤードです。」
「アルバイトは何かしてますか?」
「居酒屋さんで働いています」
「他社の選考状況は如何ですか?」
「あと2社、選考がすすんでいます」

・・・とこんな感じで面接は無難に進んでいった。
まぁ、志望動機に若干の”?”があったものの、元気もいいし、何より裏表が無く、ものごとに真剣に取り組むような姿勢には好感を持てる人物だった。

次の学生を案内した。
緊張からか、やたらおどおどしている。いきなりあがってしまっているようだ。聞けば、今日が初めての面接らしい。
この時期に来て初の面接というのも驚きだが、このままでは間違いなく面接にならんと判断したおいらは、目一杯笑いをとり、リラックス、リラックスと学生に言い聞かせながら会場へと案内した。


(うん?さっきの学生さんも○△大の××学部だったな~・・)

同席の先輩面接官が質問を始める。
「○○さん、休みの日は何をされていますか?」
「は・・はい、ビリヤードです」
「アルバイトは何かされていますか?」

なるほど、さっきの学生さんが言っていた、「友達が選考を受けるので・・」という”友達”は彼のことだった。

先輩の面接官が顔をしかめたのは、次のときだった。
「○○さん、履歴書のお名前の漢字が、成績証明書などの書類にある漢字と違っていますが、どちらが正しいのですか?」
「あ・・そ・・それは、よくわからないのですが、たぶん戸籍上は証明書の漢字のほうだったと思います・・・」
「え?・・・・○○さん、うるさい会社であれば書類上の虚偽と見なされてしまいますよ?どちらか正しいほうに統一しないと・・」
普段、温厚で面接の場を盛り上げる先輩も流石にこのときばかりは、強い口調で学生に諭した。
そもそも、彼の志望は開発設計職。図面の作成や特許の出願など、
日常的にほんの些細なミスが大きな問題に発展しまう重要な職務だ。このミスは致命的であった。

もともと緊張の局地にいたなかで、このミスで完全に頭が真っ白になってしまった彼の面接は、散々であった。
おいらも、彼の趣味であるビリヤードや車の話題でなんとか場を盛り上げてバックアップしてあげたのだが・・。

今日の面接は彼で最後だった。
面接会場をあとにして、集合場所まで一緒に荷物を取りに行き出口まで見送ることにした。

彼は、なんともいえない表情で、「だめでした・・。緊張してしまって」と力無くおいらに語った。
「まだ、わかんないよ。人柄なんかはいいほうに出てたと思うし」
と、とりあえずフォローするおいら。。
しかし、このあと先輩ともう一度話し合って判定をするのだが、思ったことを殆ど話せなかった(というよりこちらで聞き出せなかった)彼の結果は、非を見るよりあきらかだった。

「まぁ、こういうのはお見合いみたいなもんだし、慣れも必要だからさ・・」
「はい・・」元気なく、荷物をまとめる彼に向かって、
他の学生が蓋を空けることなく残していった缶ジュースを全部まとめて差出し、
「タバコ吸うの?」
「はい、吸います・・」
「そんじゃ、下に公園があるからさ、これ持ってそこで一服していきなよ。」
「ありがとうございます!」
今日、一番の元気な挨拶だった。
(どうして、その元気さを面接で見せね~んだよ~~~!)

彼は、何度もありがとうございましたを繰り返して、当社を後にしていった。恐らく、近くでさっきの友達と待ち合わせしていることだろう。

付き合いで受けた友達が好評価を受け、当社が本命だった彼は大失敗。
しかし、おいらは断然要領が悪くてもじっくりものごとをすすめるタイプが好きだ。もちろん、好き嫌いで合否は判定できないが、人間味だけは大事にしていきたい。

頑張れよ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!





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Last updated  2004.05.27 00:24:31
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