人間不平等起源論



独りになり、"自由"になった僕は、
ルソーの「人間不平等起源論」を読んでいた。

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「自由」とは芳醇なワインのようなもの。
味わい方を知っている者にとっては滋養にもなり、
最高の楽しみにもなるが、それに慣れていない
虚弱な者にとっては毒にもなり、身を滅ぼす原因とも
なりうる。

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良い本を読むといつも思うことだが、
「これは、まさに今の自分のことが書かれているのではないか」
と錯覚する。

Idleness is the mother of all evil.
小人閑居して、不善を為す。

そういえば、最近ロクなことしてないな、と思った。

人間は、「自然的状態」を捨てて「社会的状態」に身をゆだねた
ときから、完全な「自由」と「平等」は、放棄している。
原因が人為的不平等であるにせよ、自然的不平等であるにせよ、
その社会環境の束縛を突き破る力を持たない人間にとってみれば、
どちらでも同じことだ。

自由を求める強固な意思と力を持たない者に、
「実質的な平等」が与えられることはない。



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