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今日から短い休暇でRomeに来ている、と書くと随分優雅そうに聞こえるが、(大した仕事はしてないまでも)実際にはこのところかなりドタバタしていた。その皮切りになった18日月曜のParis出張は幸い冷や汗だけで乗り切り、23日土曜に知人とのLondonでの再会を楽しんだ所までは良かったが、24日日曜からのTelAviv潜伏の後、堤防でせき止めていた濁流が決壊。その流れを受け止めながらUKで数日あくせくと過ごし、29日金曜(昨夜)にMuenchenで苦い打合せを終え、最終便でUKに戻る。本当は部屋に着くなり荷造りを開始すべきところが、体は反応せず絨毯の上でそのままゴロ寝に至り、今日午前5時頃から慌ててPackingのありさまだった。物理的な忙しさはともかく、このところ色々面倒な事がありすぎだ。おのずと雑多な事項の整理はできないまま野放しとなり、時間の経過に伴い、新たに雑多なもろもろが疲れた脳に机にPCにと増殖していく悪循環。それが災いしたか、Romeの休日、初日はTAXIの運賃詐欺から始まった。EU各国の要人が集い、EU憲章かなんだかの調印式が昨日行われたらしく、コロシアムの付近には警察やらミリシアやらがぞろぞろたむろしていた。対向車線と交通法規をやすやすと支配しHotelに到着したTAXIの中で、感じのいい運転手に60EURを渡すと、君は20EURしか渡してないと言う。これは変だ、と新品の50EUR札を折った指は確信しているが、感じの悪くないこの男はややこなれた10EUR紙幣2枚を動かぬ証拠とばかりに見せている。すでに議論する根気はなかったので20EUR紙幣3枚を渡して別れたが、何度考えても財布の収支は赤い。ぶきっちょそうなイタ公野郎に手品師が務まるなんて思いの外だった。きっと隠し持っていた10EUR札を自分の50EUR札と見えないように素早く交換したのだろう。空港でTAXI稼業の男共に声をかけられ、45分で80EURは暴利だな といぶかっている自分の腕をポンと叩き60EURに訂正したイタ公元締め。手下が更に40EURも内職していると知ったら彼は何%の暖簾代を請求するのだろう(勿論、罪を咎める事なんて選択肢に無い。)疲れは頭を鈍くする。ベッドで数時間寝て、いきなりの失態と疲れを少しだけ過去のものにした後、夕食をとりに表に出た。どうもこの界隈はインド(パキスタン)人系や中国人系の仕切る街のようだ。それともまだ頭が麻痺しているのだろうか。雨まじりではあるが暖かな、丁度日本の梅雨に近いRomeの夜空の下、2004年度の夏時間はまもなく終わろうとしている。
2004.10.30
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== 前回の”個人的発見”に関する追記 ==1.Roger Watersの笑顔~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ここで引用した写真はJill FurmanovskyというPF御付きの写真家による メンバのSnap群の中の一つです。ツイードの鳥打帽のようなものを被りセーターらしきものを着ているRogerは右手に何かをつまみ大きな口を開けて笑っています。1975年、AbbeyRoadStudioで撮影されたこの写真に関する彼女のコメント:”PFメンバはここでWishYouWereHereをレコーディングしていて、私はCakeを作っていたのを憶えてるんだけど、自分がこれを撮ったかどうかよく判らないのよ。これは連写された写真の一つ。自分は軽いM3カメラを使っていたの、よく出来てるし、静かだから。(その時)NickはTechyなものに興味があるので私に近づいてカメラを取り上げたわけ。だからこのSnapを撮ったのは実はNickじゃないかと思うわ。”2.Wish You Were Hereのジャケット写真の意図と撮影裏話~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~下記は記述されている内容の記載順序を含めた自分の超(いい加減)要訳です。コメントに関連する人名等は割愛しています。+写真の重要なPoint: 全てが本アルバムの主題”不在と存在”を表現している。 (また、PFのレコード会社と大きな音楽ビジネスに対する関係をも表している。)+不在を表現するのに4つの要素が使用された:1.炎 -- 握手する二人のビジネスマン(片方は燃えている) 契約を行う際に(不利な方には)それは身の破滅をもたらす事になる。その時の握手という行為は空虚なジェスチャーである。この写真の周縁部が白いジャケットをバックに焦げている。それは写真の中で起きていることが外部との境界にも影響を及ぼしているというDualRealityを表現したもの。 撮影には二人のスタントマンが採用され、燃えている方の報酬は500USD、燃えていない方はその半額だった。2.大地 -- 砂丘に立つ黒スーツ+のっぺらぼうのセールスマン この男は手に持ったレコードを売ろうとしているが、あなたには誰だか判らない、ただの透明人間セールスマン。顔の無い音楽産業のお偉いさんの暗示でもある。 砂丘を通りかかるバギー(たまたまラリー開催中だった)の運転手に依頼し撮影。セールスマンの鞄にはDarkSideOfTheMoonの無料ステッカーが貼られている。3.大気 -- 青空の草原と木立のなかに広がる白いベール 葬儀に用いられるこれは、死んだ友人の不在を表現する。写真では背景の木々を見えにくくし、つまり不在を強め、同時に裸の女性をも覆い隠している。4.水 -- 湖の中で倒立している人間 デリケートな音楽産業の只中にいるPFは、望むだけ多く(または望むだけ少なく)波紋を起こす(起こさない)バンドになれる という事を表現している。 湖面の波紋が消え去るまでの2分間、潜水を行えるダイバーによる画。+完成したアルバムは黒のシュリンクラップに包まれていたことがレコード会社の逆鱗に触れたが、この案を貫徹した。リスナーに食料品売り場で買物をするかのような感じでバッグへ入れてもらい、開ける時の中味への期待と驚きを醸成することが目的。+ロボット同士の手が握手しているステッカーとラベルのデザイン: 炎(上記1.)の要素にダブらせ、且つ4分割された円で上記4要素と4人のメンバを代表している。3.デスマスクの謎~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~これは個人的な謎が判ったというレベルの発見です。何年か前に発売されたTheWallLiveのカバー写真は黒地に縦に並んだ4人のデスマスクでした。いまだに大きな溝のある彼らなのでこのデスマスクを作るコンセプトに積極合意するとは考えられません。もしそうなら極めて異例なため、このOneShotだけの共同歩調なのか、あるいは雪解けの兆しなのか興味を惹かれていました。TheWallのライブもそのDVDもまだ見たことが無いのですが、このQ-Magazine特集号の写真によると、ライブではPFメンバが2組登場していたようですね。そのダミーの方が4人ともオリジナル4人のそれぞれのデスマスクを被っている(例:RickWrightとダミーRickの写真あり)らしいので、ライブの当時80年頃に作られたんだなという理解に至りました。
2004.10.17
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南ドイツからUK Officeに送り込まれた、飾り気の無い巨大な3つの箱。締め切りは近い。なんとか期限内に評価を終了しなければ。カッターナイフを手にドイツ語表記の封印を切り裂き、剛性の高いダンボール箱から中身をずるずると引き出す。重い。でかい。渋い。なかなかやるな。ガミラスという仇名をもらうだけの事はある。立派な風格のサーバ達はまるでB級スペースオペラ映画に出てくる宇宙戦艦のような面構えをしている。前部パンチングメタル下半分に装備された3門の連動高速硬盤装置がこちらを威圧する。やれるもんならやってみろ と言いたげだ。まずは第一号艦から。付属のナビゲータCDを投下。リセットを繰り返しようやく準備完了。独英併記のメッセージPaneが "OS Diskを入れて下さい"と促す。甘い誘いに乗り、洗脳目的で派遣した作戦円盤 窓2k3号は艦内発着ポートに到着するなり軟禁され、不気味に沈黙するグレーの巨体。予想通りの戦いがはじまった。割り切った挙句、追加派遣した一階級落ち作戦円盤 窓2k号の功績でようやく到達したDeviceManager配下RemovableStorageのシンボル。ところが、クリックしただけで赤バツ表示になり、開かない。権利が無いとはどういう事だ。今まで見た事の無い症状だ。宇宙戦艦製造元 UK第一拠点へ諜報開始。Queueに入りましたとの録音文の後 暫く待ち、出た女性。 ”皆Busyなの。今日夕方までにCallBackするから電話番号教えて。”半信半疑で待つこと4時間。ようやく第ニ拠点から連絡あり。戦艦名とシリアルナンバを伝えるとあえなく降伏し, 電話口の男は ”第三拠点電話番号にコンタクトされたし”と素っ気無く白旗を振る。しっかりしてくれ、君たちは丸腰の門番なのか。第三拠点。通信回線の向こうには今度こそ強大な敵が潜むのか。しかし、握りしめた電話が辿り着いたのは、Jackieという名の、贔屓目に見てもやや商品知識のさわりを知っている程度でしかない おばはん だった。スロー且つアンニュイに、彼女の口から言葉がいやいやこぼれ出る。”Removable,,,Stor,,,? Ah,ah,,,Storage ! あーん、いま判ったわ。でもそれって、、、何? あなた HDDをひっこ抜いちゃった ってことなわけ?”炎には氷を。怒りには虚無を。敵の戦闘意欲をそぎ取る効果的な戦略。場慣れしている。たらい回しで充填された怒りと言う名の燃料がみるみる抜けていく。この戦い振り、過去に覚えがある: かつてのパートナーD氏。困った事情を判ってもらうため懸命に説明しているが、ベルリン出身の彼の優美な物腰と幾多の人生の苦難を窺わせる微笑みの中に、全ての言葉が吸引されていく。しかし言葉の雪崩は彼の脳まで辿り着いている様子がない。柔らかな笑顔が迫る。ああ、どうしよう。まさか催眠術を副業にしてやしないか。 ルフトハンザのMuenchen空港Luggageコントロール係も然り。Tightな乗り継ぎのため荷物が飛行機に乗り損ね、焦る自分を前にクレームシートを眺めながら爽やかな笑顔で言う:”うーん、あなたはエンジニアをされているんですか? いい数字を書きますね。”ほめれば荷物が戻る特殊能力を備えているのか。もし彼が魔法使いだったとしても明らかに呪文が違う気がするぞ。国は違うが、今回も似た匂いがする。このままではやられる。”でもねえぇ、この機種はもうウン万台も売ってるけどそんな話は聞かないのよー。Removable何とかって、HardWareのこと、、? うん、うん、ほー。そうなの。ああ、じゃなくてMicrosoXtの話? じゃあうちには関係ないじゃないのよ。あなた。あたし達はHardWareのことしか扱わないのよー。ナビゲータCD起動プロセスで自動Installされた何かが悪さしてるってどういう事? SNMP?? それだったらEasyInstallなんか選ばないで、自分で一つづつやってけばいいじゃないの。ええっ、あなたどうしてRAID0で使うの? あっはっは、やめなさいよぉー。それじゃデータ保護なんてできないじゃないのよぉほんとにー。あはははー。”最新版のナビゲータCDを送るから というおよそ解決にならないだろう提案と共に、姿なき戦闘は終結し、虚しさだけが後に残った。諜報活動を捨て、孤独な戦いに移行。怪しいと思しきApplicationが駐留しないよう注意して初めからRe-Installし、解決。やっぱり、初めからそうすりゃ良かった、、。そして数日後 別種の火種が発生した。Jackieは不在とのことだったが、代理の男も負けず劣らず超越している。諦めて、Jackieから受領したナビゲータCDを試してみると、上手くいく。結局、本体付属の同Diskでの動作がflaky(バグってそう)なのでこの問題が起きるようだ。勿論彼女はこの問題のためにDiskを送付したのではない、、、のだが、、、ひょっとしてこれはPlot通りなのだろうか。どうもそんな気がする。負けたよJackie、防御は最大の攻撃だ。そしてあんた達の個性自体、最高の攻撃だったな。
2004.10.16
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日曜から火曜朝まで所用のため出かけたMuenchen。 空港から市内への電車経路をミスり、時間が無くなったためローマ人の末裔元同僚Bとの再会は残念ながら延期。ルートS1の電車はMuenchen市を時計の12時地点あたりから9時の方向へ回る。Oktoberfest最終日とあってプラットホームには沢山の酔客がたむろしている。9時頃の駅で、通路を挟んだ向かいの4人掛けに4-5人の酔客若者バージョンがぞろぞろと乗り込んできた。まだ学生風に見える彼らの一人は手にMassを抱え、1/5くらい残ったビールがみっともなく波立っている。Massにいちゃんは Maia-hee Maia-hoo と鼻歌を歌っている。予想通りOktoberfestのテントでDragosteaDinTeiの大合唱が炸裂し集団トランス状態を通過した後遺症だろう。電車はゆっくりと動き出す。やがてMassにいちゃんが呟くように別の鼻歌を歌い始めた。JapanerとかTokioとかいう言葉の響きがその中に聞こえ、ふとMassにいちゃんを見ると一同 あっ、まずい という顔をしてこちらを向く。Massにいちゃんはにやにや笑いながら英語で ”この曲はいいんだよ、EAVというGroupが歌ってるんだ”と説明する。その後も何度かこの怪しい歌を口ずさむMassにいちゃんと はたと何度か顔を見合わせるうちに若者酔客御一同様は中央駅で降りていった。Massにいちゃんはエスカレータから笑顔でこちらをみている。Europaもの同士の奇妙な連帯感から(こちらは小馬鹿にされているとは知りながらも)お互い窓越しに手を振って別れる。車内に一人残った仲間のお嬢さんは、勘弁して私はあの酔っ払いと違うの違うんだってばー といった面持ちで実に照れくさい笑顔を作っている。宿にようやく辿り着き、荷物を置き、急いで市内方面へトンボ返りし行きつけのItalian屋へ向かう。いつものようにナスのスパゲティを注文、ところが料理人が代わったのか今回はややハズレだった。日本語が多少できる給仕のDiegoの姿もなかった。宣言していた通り自分の店を持つ準備に入ったのだろうか、留守が長くなると生活のdetailがちびちびと浦島してしまうものだ。3つの博覧会とOktoberfestのお陰でどこもかしこも宿がFullだったので、翌日は宿無し。今日は知人宅へ飛び込みかなと腹をくくり、Stroller(通称ゴロゴロ)を引っ張りながら朝の市内へと電車で向かう。運悪く仕事の約束があるのでMarienplatzのCafeから携帯電話で日本と30分のConf-Callをしながら、ドイツ人同僚Nに空港近くの宿の空きをCheckしてもらう。その後、雑貨の買物をするが、荷物を引きずり市内を歩き回るのでえらく体力を消耗。Nから連絡が来たが、270Euroで一室見つかったと聞き、保留にする。いくらなんでも高すぎる、Londonじゃないんだから。結局昼食がとれず、RosenheimerplatzのCafeでドイツ版チーズケーキとカプチーノ2杯で空腹を満たす。無事に所用を済ませ、今度は時計の4時方面にある郊外のモールへと国鉄から地下鉄に乗り継ぎ急ぐ。まるで買物アニマルみたいで恥ずかしいのだが、150ポンドも払ったTicketのもとを取り戻すべく体が勝手に反応している。ここであったが100年目、Saturnという家電量販店でCD/DVDを買いあさる。ドイツ系のみならずアングロサクソン系も含めて物色する理由はUKの物価だけが知っている。へろへろになり、ふらつく足で、奇蹟的に連泊できることになった昨晩の宿へとゴロゴロを引きずり歩く。21時近くになった頃、89Euroの宿に滑り込むと、ほぼご臨終状態。翌日は8時前のFlightだ。寝るか食うかの選択。これ以上体がもたないので遠出はできない。前回宿泊時のここの朝食のわびしさを知っているので、大いなる諦めを胸にこの宿のレストランに目をつぶって飛び込む。が、意外や意外、なんとちゃんとしたイタリア人が仕切っている様子ではないか。アラビアータの出来にすこぶる満足し、部屋に戻り約4時間の仮死状態突入。翌朝6時頃LufthansaにCheck-Inし、UKに戻る。Heathrow周辺の空は相変わらず混みまくり、着陸許可が下りず無為に1時間程旋回する飛行機。この分の燃料代をLHはHeathrow空港運営会社にChargeできるのだろうか。久しぶりに純私用で訪れた故郷を振り返り、天国への近さを再認識すると共に、貧乏暇なしスケジュールを立ててしまうエレガンスの無さに反省。我ながらカッコ悪いよなぁ。まあ一人旅なんで誰も困らないからいいけどね。*** 補足 ***[A. Massにいちゃんのお気に入り曲発見(多分)]10 kleine Japanesen -- by Erst Allgemeine Verunsicherung (EAV)10 kleine Japanesendie loten in Tokio 10 kleine Japanesendie machen niemals krank 10 kleine Japanesenmacht das Loten froh die loten, die loten, die lotenihr ganzes Leben lang *別に日本人の前で歌って気がとがめる内容じゃないけど、"欧州の日本人" の異名をとるドイツ人が歌って小馬鹿にするのはねえ。因みにこのGpはオーストリア出身らしい。[B. いきつけのPizzeria Dal Cavaliere]国鉄(DB)Rosenheimer Platz駅下車 Ostbahnhof方面 徒歩3秒 ここはお薦め。行くべし。食うべし。[C. ドイツの家電量販店の一つ Saturn]サターンではありません。"ざとぅーん" なんです。やれやれですが。2年ほど前に Geiz ist Geil ! の絶叫CFで競合他社からぐっと抜きん出たこの SaturnではバーコードでCDの曲のさわりが確認できるので重宝。
2004.10.13
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日曜月曜、私用でMunichにShortStayし、水曜のFrance出張を延期したのはいいが木曜から今朝までBarcelona。重なるときはこうなるもんだ。このカタルーニャの首都には仕事ではそう行く機会はない。しかし今回、業務と呼ぶには随分お気楽に過ごしてしまい、同僚達に申し訳ない気分。たまにはいいか。一般に計画都市は金太郎飴の景観に陥りがちだが、居住者の自由が尊重されている街並みはUKよりも落ち着く。背の高い街路樹と白い石肌の高層居住棟が自分の中でParisにダブる。更にこの時期で日中25℃の陽気に気分はなごむ。街角のFastFood屋にハンバーガーの描かれた日除けが下がっている所がちらほらあり、なぜか絵の隣に必ずドイツ式ヒゲ文字でFrankfurtと書かれているのに気づいた。ドイツ人からすれば日本人もスペイン人もゲルマン食文化音痴においては同レベルに映るだろう。Officialなキモのパートを終了後、アトラクションとしてオリンピックスタジアムを訪れ、前回は観客席から見下ろすだけだった競技場内に入場することができた。ここはバルセロナオリンピックのメイン会場だったはずだが、意外に広くない。ダイビングの足ヒレをつけた15m走やテニスボールを敷き詰めたボート競走などお遊び競技を行い汗だくになったが、12年前、ここを目指し日夜血の滲むような努力の末に集った世界のアスリート達に対し少なからぬ罪悪感を感じたのは言うまでもない。現在このスタジアムはFCバルセロナとNFL_Europeに属すアメリカンフットボールチームDragonsのHomeである。従って競技場中心の芝生は歩行禁止と関係者に念を押された、が、それで引き下がるEurope人達ではない。4-5人がどこやらから見つけてきたサッカーボールでゴール前の攻防に興じている。そりゃそうだ。その後(ドイツで言うところの)古城ホテル?のレストランを借り切った宴会が行われた。食事中のアトラクションとして、Waiterに扮した3人のオペラ歌手(コメディアン)が各々イタリア、フランス、UK(!)を代表し、どの言語が歌を通じた愛の表現に最適かを掛け合いながら競う、という趣向だった。3大テノール、ならぬ、自称3大Waiterの歌声は小さなEuropeの縮図となった会場を沸きに沸かせた。しかし、いくら英語だったといっても歌ったのはJazzだってことを厳粛に受け止めろよな、UKTeamよ。君たちはラテンの男達ほどそういった技巧に長けてないのを良く知ってるだろ。翌朝のFlightが早いので、食事後そのままHotelに戻った。MTVが入らないので寝る体制だったが、たまたまCNNで2回目の次期大統領候補DebateがLiveで始まる時間だと気づいた。寝ぼけ眼で見ていたが、スリリングな展開にすっかり目が覚めてしまった。相方のハードコアな突っ込みの連射に動揺する子Bushは大声で持論をがなりたて、開き直り、司会の注意と時間制限をものともせず話を続ける。正直な話、見ていて気の毒だ。一方、Kellyさんの落着きと信念、そして聴衆(及び質問者)に対するdelivery。大統領に求められる品格は疑いようも無く彼のオーラにシンクロしていた。攻撃のTargetも、国際社会の中で対話無く独断専行の現アメリカ、財源枯渇と富裕層租税優遇、反故になった4年前の公約群、などまとまった範囲に集中していたように感じる。"この大統領は、他国が数十年かかって築いてきたAgenda(京都議定書)を、じゃあ俺達は抜けるから、とあっさり捨て去ってしまったわけなのですLadies and Gentlemen"といった発言の数々には率直に溜飲が下がった。ただ、両者ともに感心させられるのは、あれだけの広範なTopicを把握し、自分のコメントを事後のメディアによる発言内容の濃密な言質取りに対して支障のない様に20秒以内でまとめ上げる器量があることだ。そんな事なかなかできるもんじゃない。勿論4年前の子Bushは、そういう点で頼り甲斐の無さ故に、逆に人心を掴み現在に至ったのだろう。しかし今回はお世辞にも神風が吹いているように見えない。よくて凪か。ただ、(USメディアが共和党に買収されてなければ、だが)支持率が依然伯仲しているところを見ると、有権者のKellyさんに対するシビアな目(言うは易し)を感じさせる。しかも、4年前の訳のわからん陰謀もどきの開票ゴタゴタなどのように、子Bush側はありとあらゆる手でKellyさん阻止に出てくるのだろうからまだまだ成り行きを楽観できない。朝10時に戻ったHeathrowは気温12℃+強風。秋の夜の夢のようなBarcelonaだった。P.S.今回、迂闊にもRAS用のガジェット一式をすっかり忘れてきてしまったので、シャワーの後夕食までの余り時間をHotel内の有料Internetルームで過ごすことになった。。。Barcelonaの平均相場がどれほどのものか判断できないが、15分/3Euroの料金設定には参った。日本だとせいぜい20分/100円程度だろうに。
2004.10.09
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締め切り通りに終わらせた仕事の簡単な発表を終えて一安心。早めに帰り、Office近所の某Hotelに立ち寄る。軽く食事をしながら本を読みたいので明るめの場所に案内してもらいMenuを受け取る。ここはドイツ人同僚Bjから、彼が今まで宿泊したこのUS系フランチャイズHotelの中で>最悪< との称号を頂いている。レストランもご想像どおり大陸もどきの見てくれと大陸くずれの料理を提供してくれる。シーザーサラダ(ベジタブル仕様)を注文するが、本来の意図はいずこへ、まるでカエサルサラダのごとき代物だった。レモンティーを片手に本を読む。空腹が満たされたからか、隣の席に注意が向くようになった。対面で腰を降ろしている男女。男は30代後半から40代前半、女も同じくらいの年齢か。二人はなにやら静かに語り合っている。自然にカールした短髪がやや寂しく見える男は真面目な顔でややはにかみながら、しかし堂々と何かを語っている。身振りを交え、熱心に抑揚をつけ、女を和ませようとしているようだ。UK英語でなく、USっぽい歯切れの良さが響く。そういえば純粋な白人ではない容貌だ。女は穏やかに微笑みながら、黙って男の話に耳を傾けている。決して若くはないがでしゃばらない笑顔の自然さが美しい。男は白、女は赤ワインをそれぞれ自分のそばに置き、静かに時間が経過する。やがて料理がサーブされ、男の話にも更に熱が入る。多分彼らは夫婦ではなく、恋人と呼べるほどのものではないだろう。木曜の夜だし、おめかしをしている様子でもない。仕事の都合でたまたま同じ宿にstayしている仲間なのか。食事が終わり、女がぼそぼそと話を始めたが、フランスかベルギー人の英語のように聞こえた。顔立ちもそういえばしっくりくる。この二人を眺めていると少し嬉しくなってくる。二人の静かに微妙な間合いは火の点きかけたロウソクのように、下世話な傍観者の想像と興味を刺激し、自分自身の幸せな記憶を呼び起こしてくれるからだろうか。この二人が互いに既婚者だったとしても、Europeの大気の中ではこうした設定を恥じたり、罪悪感をもったりする必要はない。自重できていれば問題はないのだ。それができなくてもまあ問題のない国だってある。絶対値でいくと、大人の男女の”交流”は 日本よりもおおらかな枠の中に囲われているようだ。ただし、このおおらかさが大胆な方向に発展する事もままあるのがEurope。南ドイツではご近所のそこここに亀裂があった。前妻との大きな子供に養育費を払いながら、現妻と小さな子供と共に暮らす70近い男性。妻の友人夫婦宅に招待された場でホストの奥さんにホストの横で色目を使う夫。自分と同じ階では2世帯が母子で暮らしていた。旦那が不在にしていると聞けば、じゃあ Hausfreund(=家の友達? 間男のようなものか)をもつことができるわよ(=良かったわねぇ)と助言する女性。皆、実に大人で親切ないい人達だが、これは本能のなせる業なのか。狩猟民族のように、次々に刺激を追いかけるエキサイトメント自体が彼らをドライブし, 農耕民族のように環境との関係を維持する力に乏しいのかもしれない。しかし亀裂といっても、当の本人達は悪びれる事もなく、全てを人生の営みと考え受け入れているようだ。公然の秘密になっているUK人同僚ニ人がいる。互いに既婚者なのに完全に挙動が怪しい。頻繁にカフェで打ち合わせしているようだが本当に仕事の話なのか。Mtgでは必ず隣同士に座る。帰宅時には手を繋ぎ駐車場まで歩く。車でニ人に同席した同僚Nは前席でお互いが髪をクシャクシャに撫で回しているのを見たという。運転は大丈夫か気が気じゃなかっただろう。彼らとNがフランス出張する時の事、ParisOfficeの同僚Jが言った。”Nよ、お前のような奴をフランスでは 卓上のロウソク と呼ぶんだ。可哀相に。なぜかって? だって見つめ合う二人の間に灯ったロウソクになんて誰が注意を払ってくれるんだ?”Hotel>最悪<。隣のテーブルの二人はデザートを注文した。カラフルなアイスクリームをつつく男と、カプチーノを片手に優しく微笑む女。卓上の小さなロウソクの炎がゆらゆらと自己主張しているのに気づいているのはどちらだろう。
2004.10.01
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