2006年06月24日
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好奇心が強く、知りたいと思うと行動に移す、というのは持って生まれた性向なのだろう。

幼稚園の頃、お帰りの時間にそれぞれの親達が迎えにくると、全員が帰るまで先生は見送ってくれていた。
私は門のところの地面を、みんなで大きな獲物を担いで巣へ向かう蟻の行列が面白くてずっと見ていた。
先生は、

「あなたは気が済むまで見ていないと帰らないでしょうから、先生はもう戻りますよ」

と言って園舎のほうへ戻っていった。

見終わって私が立ち上がるまで、親はいつまでも待っていてくれた。
今から思うと、本当にありがたい親だったのだ。一時が万事、この調子なのだから。
手のかかる子どもだっただろう、というか実際トラブルメーカーだった。


中庭に面した部屋はよその組で、その組の子達は部屋の窓からいつも中庭に出て遊んでいた。
私も出てみたかったが、歳の違う知らない子ばかりの部屋へ入っていって、窓から出る気にはなれなかった。
その部屋のある建物の1階と、中庭の向かいの増築部分の2階はスロープの廊下で繋がっていた。
廊下の窓下にはお道具入れのボックスが並んでいた。よくあるカラーボックスのようなものだ。

私は毎日そのボックスの上に座って、この窓から中庭に降りられないだろうか、と考えていた。
上から見ると、壁に突起物がいくつか見える。
窓枠にぶら下がって、最初にあの突起に足をかけ、次にあちらに反対の足をかけて、次はこちら、最後は飛び降りれば中庭に降りられるのではないか、と何度も頭の中でシミュレーションして、ある日実行してみることにした。

ところが、窓枠に手をかけて壁の向こうへぶら下がってみると、最初の突起には到底足が届かないことがわかった。
上から見ていたので、遠近感が全く違ったのだ。
どうしようかな、全然届かないし、手を離したら怪我するかな・・・などと思案していると、先生達が飛んできて引っ張りあげられた。
それからどうなったのか憶えていないが、怒られはしなかったような気がする。



ずっと大きくなってからこの時の話をしたら、親は初めて聞いた、と驚いていた。
先生はどうやら、本当のことは話さなかったらしい。
ボックスの上に座って向こう側へ足を出していたので、驚かさないように気をつけながら声をかけて下へおろした、という話になっていたようだ。

     Curiosity killed the cat.《好奇心は猫を殺す》

という諺があるが、よくまあ、ここまでこられたものだ。










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最終更新日  2006年07月15日 09時05分54秒
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