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コナジラミは農家の永遠の宿敵であるが、以前書いたそのコナジラミの防除の記事( 防除(その3・・・物理的防除3・・・ヒートショック )について、愛知のトマト農家@さんからコメントを頂いたので、この場をかりて返信させていただくことにした。
愛知のトマト農家@さんへ
古い記事なのにコメントありがとうございます。
トップページにもちょっと書いておりますが、ファーマータナカは2013年に後進に事業は移譲して現場を離れております。
従って、現役のプロの農家の方に対して的確なご回答はできかねますが、参考までにご返事させていただきます。
現役の時は、コナジラミ(特にバイオタイプQの出現後は特に)には大変苦しめられました。
現場でのコナジラミとの勝利の確信できない戦いの辛さお察しいたします。
今でこそ大声で言えますが、指導機関は今被害にあっていることが深刻な問題なのに、コナジラミをハウス外に出すな(それより撲滅することが先決なのに)、発生した株は地中に埋めろ(どれだけ大きな穴を掘らなければならないのか、具体的に埋める時に飛散しないようにするにはどうするのか)等、どこを見ても通り一遍の指導法で相変わらずの状態が続いているようです。
さて件の方法ですが、ネットで見る限り2003年以降に新しい記事は見当たらないようです。
ということは、個々の農家で個人的に行われているかもしれませんが、ポピュラーな防除法としては定着していないと思われます。
私か移譲したハウスでもその後積極的には行っていないようです。
従ってもし試される場合は自己責任ということにならざるを得ないと思われます。
実施に当たって私なりに気を付けるべき点を書いておきますので、良ければ参考にして下さい。
1. 効果について
充分な湿度が保て、高温がある程度維持できて、できれば2~3回程度波状的に実施出来れば相当の防除効果が期待できます。
実際私の経験ではうまくいった場合、その年の冬までほとんど実害が出ない程度まで密度を低下させ、通常の防除も必要がない状態になることができました。
2. 実施前
管轄の公的機関に相談、情報資料の収集、できれば立会などお願いすることをおすすめします。
神奈川農総研・生産技術部 に直接連絡を入れて、その後の情報等の確認をおすすめします。
3. 実施にあたっての留意点
晴天の日に行ってください。雲がかかると、ハウス内温度の高温が維持できない場合があります。
細霧発生は必須です。(ない場合水の圃場への大量散布で可能かどうかは確証が持てません)
充分に湿度を高めながら(あるいは高まってから)ハウスを密閉して下さい。
高湿度(90~95%以上)が絶対条件だと思われます。
私の場合は細霧発生・停止を繰り返しながら湿度と温度を調整維持しました。
ある程度高温(45℃以上)になってその高温多湿状態が持続すると、成長点付近から多分苦しみながらコナジラミが飛び始めます。
それらがはらはらと地表に落下し始めます。
落ちだすと相当量の数がどんどん落下するはずです。
飛翔が確認できなくなったら(あるいは少なくなったら)終了します。
時間は15~30分位だったと思います。
この間、湿度と温度の維持(温度は上がり過ぎも下がるのももちろんダメです)は絶対条件です。
トマトの成長点が若干萎れる程度だと結果的に大丈夫でしたが、焼けてしまう等実害が出る前で止めないといけないので、コナジラミの落下具合を見ながら試行錯誤でポイントをつかむしかありません。
最初は安全を見て深追いしないほうが賢明です。(又挑戦すればよい)
ハウスを開ける際、一気に天窓等を開けると急激に湿度が低下してトマトに害が出る可能性があります。
できるだけ緩やかに温度湿度を低下させるべきです。
4. その他
高温で卵や幼虫もある程度死ぬと思います。
実施の前後あるいは繰り返しの中途に、通常の農薬や粘着くん等と併用するとより効果が上がると思われます。
以上、お役に立つかどうかわかりませんが回答します。
事業のご発展陰ながらお祈り申し上げます。
頑張って下さい。