Fastest Lap

Fastest Lap

February 18, 2010
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カテゴリ: Other
今回、プリウスなどのハイブリッド車で問題視されている寒冷地でのブレーキ抜けのような現象ですが、僕個人の見解としてはこれをリコール扱いとするのは不適当であると思います。ハイブリッド車ではなくてもスノーロードで少々強めにブレーキを踏んだり、パニック気味に踏めばマシンは滑走します。
確かに制御系でもっと見直せる伸びシロはありますがリコール対処ではなく、注意喚起を促し改良やヴァージョンアップの無償対応で対策できる内容です。

ハイブリッド車は根本的に在来車とは違います。オール電気で走る電気自動車ではないにせよ「いままでの純粋な内燃機関しか持たないクルマとは明らかに違う」のです。
そのクルマを今までのクルマとまったく同じように乗っていること自体に大きな問題があることにユーザーも行政もそろそろ気づくべきです。
僕はF1にKERSが導入される際も乗り方が変わると断定しました。ところがやはり回生というコンペティションのなかでは無駄ともいえるエンジン・ブレーキ利用はドライヴァーの今までの走りや考え方を変えるにはいたらず不発だった感が否めません。
このブログで何度も回生システムが本格導入されるとすべてが変わるということをことあるごとに書いてきましたが、一番ハイブリッドが浸透しているこの国でもこの部分が未だ理解されていないのは非常に残念です。
僕はこの問題の多くはトヨタだけにあるとは思いません。
無論、クルマのマネジメントや電子制御を含めてもっと多くの方に知っていただくための啓蒙活動をトヨタが私費を投じて積極的に行っていくべきだったことは疑いようがありません。この点に関してトヨタは深く反省する必要があります。
しかしながら、環境保護技術、エネルギー回生エコ技術の分野を拓き、0から1を生み出したトヨタをバックアップするために行政側が取ったアクションはどれほどあったでしょうか?

日本の行政側からはリコールには逸早く対処してもメーカーへのバックアップは未だにありません。

さて、ここからが僕が書きたい本題。
行政側でもハイブリッド車のもしもに対応する対策を講じておくことはできました。ハイブリッド車は今産声を上げたクルマではありません。
ハイブリッド車に適応するドライヴィング・スキルを養うため運転免許教習所でハイブリッド車を使う路上教習と学科講習を導入するなど行政側での工夫があってもいいはずなのに未だ法制上は未整備です。
せっかく生まれたアイデアや素晴らしい技術が失われてしまうのが僕は残念でなりません。

なぜ残念かというと僕は凍結時や降雨時ハイブリッド機能を最大限活かし、かつハイブリッド車の重たいボディを安全に停止、制御するために常に左足ブレーキで過重や姿勢をコントロールし、フット・ブレーキが効いて回生が停止する領域と回生が始まる領域をできるだけ積極的にコントロールすることを心がけて乗っています。
そのために左足ブレーキは必要不可欠と思われ、冒頭で書いたアクセルとブレーキを同時に踏んだ場合はブレーキを優先する制御に切り替えていくということになるとハイブリッド車の長所を相殺してしまうことになるのではないかと危惧しているからです。
これはハイブリッド車の優秀な燃費性能と、安全性の双方に疑問が残る決定です。ブレーキ優先=安全は初心者判断の典型ではないでしょうか?

トヨタが迎えている危機。JALが少なからず行政の愚行を受けて衰退したようにトヨタがその二の轍を踏まないことを祈るばかりです。
万が一、トヨタが外資の傘下に入るほどのダメージを被れば日本の競争力は地に落ちたも同然です。
今回の一連の流れは業界こそ違え、数年前に起きたマンナンライフのこんにゃく畑の販売自粛のように不当なイメージがあります。

殺虫剤で殺すのではなく、瞬間凍結させてハエや蚊を退治するスプレーもそうでした。
自分で購入してきたはずの商品なのに注意書きも読まずにいきなり使用するから想定外の結果を招くということが往々にしてあります。
こういう使用者責任という言葉を知らない無責任なユーザーのせいで素晴らしいアイデアや技術が埋もれていく、衰退していくのは残念でなりません。
今回のハイブリッドの件に関しては決してユーザーのせいばかりではありませんが、素晴らしいアイデアを叩くばかりではなく、どうすべきなのかみんなで一緒に考え、新しい時代のクルマを拓いていく楽しみをみんなで共有してもいいのではないかと思います。
それだけの価値がハイブリッドにはあります。


こんなことで価値ある技術的競争力を失ってほしくはありません。





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Last updated  February 19, 2010 02:24:32 AM
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