Fastest Lap

Fastest Lap

November 16, 2010
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テーマ: F1(443)
カテゴリ: Formula 1
オープニングラップでタイトルを捨てたフェルナンドとフェラーリ。

特殊な時間帯に行われるアブダビを制覇するための必須条件はオプションで引っ張ることです。ラバー・グリップが伸びる後半スティントはプライムでもグリップが稼げるので前半にオプションを使い後半プライムというのが一般的なチョイスになります。
予選でフロント・ロゥに並べなかったフェルナンドはオプションで出来るだけ引っ張ってポジションを上げ、プライムに切り替え堅実にタイトル獲得への戦いを展開したかったはず・・・。

にもかかわらず、フェルナンドが1周目のセーフティカーでピットに入ってしまうのはいかがなものか?
4位に入ればタイトルが手に入るフェルナンドは間違いなくステイ・アウトしなければならないのに何故入ってしまったのか?

これによりフェルナンドはペトロフの背後でもがき苦しむことになりました。
兄弟ティームのトロロッソだけでなく同じエンジン・サプライヤーのルノーもセバスチャンとマーク、いずれのドライヴァーであっても王座獲得の援護をするつもりでいたはずで、そのためにマシン特性をピックアップ側に振り、最高速を稼ぐセッティングをしてフェラーリの長所を封じるマシンに仕立てています。
結果としてドラッグが大きくなり、タービュランス発生も多くなっているマシンの背後ではフェルナンドでさえも思うように詰められません。だからこそ、可夢偉のパッシング・スキルが光るのですが。
ダウンフォースが少ない現在のF1では突然安定性を欠いたり、グリップを失ったりということになりかねません。

たとえ、ティームの戦略ミスであっても手をこまねき、まったく精細を欠き、なすすべさえなかったフェルナンド。フェラーリの失策であることは疑いようがありませんが、それでもどれだけのことができるのかがチャンピオンの資質でしょう。
だからこそ、我々は競争力の乏しいザウバーで輝きを放つ可夢偉にもっと良いマシンに乗って欲しいと渇望するのです。敗因がティームの失策であっても、守りに回ってしまったフェルナンドにチャンプの資格はありません。

フェラーリとしては、もっと早くフェリペを入れてフェルナンドを援護することもできたでしょう。しかし、それさえももとを正せばティーム・プレーに頼りきった結果の判断で、険悪な関係に陥るほどの溝を作ってしまうことになりながらも自由に戦わせることでドライヴァーたちに更なる成長を求めたレッドブル勢の逞しさから比べれば軟弱以外の何物でもなく、始める前からこの結果は見えていたとも言えます。

スーパーGTの最終戦もそうでした。小暮くんと脇坂くんの行き詰るドッグ・ファイトは近年まれに見る名勝負のひとつです。軽い接触を見せながら押して引いてお互いに譲らない意思表示を見せながら勝利を手繰り寄せる強靭な精神力。
「2位でも戴冠なんだから・・」
それも事実ですが「勝ってタイトルを決めたい」と願う、そこにある強靭なメンタリティがもたらす情熱がなければ競争力もモチベーションもどんどん低下します。勝利をもぎ取りにいく強靭な精神力と姿勢がみえないドライヴァーやティームが勝利を得られるわけもありません。
そして何より小暮くんが素晴らしかったのは過剰なタコ突っ張りでクラッシュしてしまわなかったこと。

レッドブルの速いけど脆い危うさ・・・なんだかスーパーGTのHSVと同じような感じですが、この脆さが今シーズンのタイトル争いを拮抗させた最大の理由だと感じています。この脆さがなく、レッドブル・ルノーに安定感が備わっていれば早々にセバスチャン・ヴェッテルでタイトルは決まっていたはずだし、マーク・ウェバーのF1での開眼も見られることはなかった可能性が高いと思います。

最後まで勝利を渇望したドライヴァーがきっちりと勝利を収め、タイトルを手中にしたという一番理想的な形でシーズンを終了したということです。
F1はティームとして機能していることも勝つために重要なことですが、それもドライヴァーの勝利への情熱や熱意があってのことです。その核なしにコンペティションは成り立ちません。タイトルを獲るべきドライヴァーが最終戦できっちりタイトルを獲った面白いシーズンでした。

スーパーGTもF1も僕にとってはメモリアル・イヤーになりました。あとは可夢偉。彼にはもっと戦闘力の高いマシンに乗って欲しいと思わずにはいられません。



こういう不幸が今の日本の不幸と不運を如実に物語っています。





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Last updated  November 16, 2010 11:51:20 PM
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