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April 14, 2011
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カテゴリ: Other
福島第1原発から放出されてしまった放射性物質は現状判明しているもので12種類。
放射線を放出する元素の中でも最悪なのがすでに3月25日のブログでも記述した猛毒プルトニウム。プルトニウムは他の放射性物質と違いα線を放出します。α線はγ線やβ線と比べてエネルギー量が大きく体内に入り込んでしまうと骨や肝臓に溜まりやすいため、半減期の長さも手伝って発がん性が高くなります。
ちなみにプルトニウム238の半減期は約90年。プルトニウム240の半減期は約6,500年。そして、兵器として使用されるプルトニウム239は半減期が約24,000年です。
僕がこのブログ内で2009年の3月20日の記事に取り上げている探査衛星カッシーニに使われている原子力燃料がプルトニウムです。

プルトニウムは非常に重い原子であり、福島第1はチェルノブイリのように炉心が剥き出された原子炉ではありませんので、遠くまで拡散してしまう可能性は低いと考えられますが、爆発すれば間違いなく放出され、200km圏にもたらされる危険は無視できない状態になる可能性も考えられます。
そのほかに放出が確認されている放射性元素ではヨウ素やセシウム、セリウム、コバルト、モリブデン、ジルコニウム、ルテニウム、バリウムなど12種類ですが、まだ放出が確認されてはいないもののプルトニウム同様、危険な毒性を持つ放射性物質があります。
それがチェルノブイリでも放出され、半減期が長いことで知られるストロンチウム90です。ストロンチウム90は核分裂によって作られる放射性同位体で、すでに福島でも放出が確認されているセシウム137と同等の半減期を持ちます。
セシウム137の半減期はおよそ30年。ストロンチウム90はセシウムよりも若干短く28年程度ですがストロンチウム90の問題点は体内に入ると骨の中のカルシウムと入れ替わりやすく、そのまま体内に居残り放射線を放出し続けます。
この骨に吸収されやすいストロンチウムの性質を生かして作られたのがストロンチウム89で、現在骨腫瘍の治療に使われています。ストロンチウム90とは半減期が異なり、50日程度であるため被爆リスクを抑えることができます。

パイオニア10号や11号、ボイジャー1号、2号など太陽系の探査衛星にも使われており、30年以上の任務遂行にも問題のない持続力を備えている原子力電池の能力を見ればその放射性物質の半減期がいかほどかを想像するのも難くないでしょう。
電力の35%を原子力に頼っている日本に原発が必要なのか否か真剣に議論できる日が来たのだと思います。





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Last updated  April 15, 2011 01:11:58 AM
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