Fastest Lap

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September 12, 2012
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カテゴリ: Engineering
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パッセンジャー・シートではなく、ドライヴァーズ・シートに座らせろと要求してくる。とにかく座らせるまではベントレーから降りようとはしない。
もはや35GT-Rは彼にとっては過去のクルマになってしまった。イタリアから帰ってきてからは僕の手を引いてベントレーの前に連れて行く。これじゃないとダメだ!といわんばかりに。
一歩も引かない思いの強さはあらゆることを成就する上でとても重要なファクターなので僕はとても嬉しく感じている。
十番界隈でもベントレー・コンチネンタルGTはよく見かけるが、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツになるとなかなか出会うことはない。
コンチGTは458イタリアの新車よりも400万円ほど安価なのでベントレーをあまり知らなくても、あるいは熱狂的なベントレー・ファンじゃなくても踏み込んでいけるモデルだが、スーパースポーツはフェラーリの最新鋭458スパイダーよりも高価で、最新鋭の12気筒モデルF12ベルリネッタと比べてもおよそ400万円安価に収まる程度だ。
すなわち、F12に3,590万円投資するか?ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツに3,150万円投資するか?この領域になるとかなり明確な価値観や哲学、美学が購入の動機になる。
だから、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツはよほどベントレーというクルマが好きか、このクルマを選ぶ明確な理由がなければ買おうとは思わないクルマだ。
そういう意味ではクルマ好きの目をかなり引くクルマなので下手なことはできない。だから街乗りは常にジェントルなドライヴィングを実践できるブレないモラルやマナーも持ち合わせていなければならない。言い換えれば、ストリートで安易なドライヴィングは許されないクルマで、試すならクローズドに持ち込んで余すことなくW12ツゥイン・チャージド・ターボの異次元体験をすべきクルマだ。

これは差という表現ではなく、壁という表現を用いたほうが適切であるように思う。ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツとコンチネンタルGTは似て非なるもの。911GT3RSと911GT3の違いではなく911GT3RSと911ぐらいの厚くて高い壁だ。
コンチネンタルGTはあくまでもGTであり、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツはその名の通りスーパースポーツである。
サーキットでバトルすればその違いは明白で、ドライヴァーの腕が互角ならコーナーを3つ抜ければかなりの差が開く。一旦差が開いたら二度とその差を詰めることはできないほどの決定的な差である。
無論その差に由来するのは馬力やトルクがベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツのほうが上という部分や、補強された上で軽量化された堅牢なボディを持っている部分は否めない。
ベントレー・コンチネンタルはスーパースポーツもGTも共にトルクスプリット型の4WDではなくバイアストルクであり前後の駆動配分は終始固定だ。どちらも6速オートマティックで強大なトルクを路面に伝える。
35GT-Rのように無段可変するトルク・スプリット・スタイルのハイテク4WDが主流の昨今、言い方は悪いが骨董品と思えなくもない。
実際、かく言う僕も最初はそう思っていた。実際にクローズド・コースに運び込みアタック・ラップを繰り返すまでは・・・。
しかし、乗ってみてその考えは一変した。
「こう来たか・・・」と思わずにはいられなかった。
このベントレーが心底おもしろいと感じる部分は例えば鈴鹿の130Rや、富士のコカコーラで若干オーヴァー・スピードによるアンダーが出た場合も荷重移動をしっかり行い、落ち着いて適量のスロットル・オープンをすることにより自在にドリフトさせサイドウェイ状態に移行させることも可能なのだ。
安定指向の4WDではなく積極的にコーナリングを楽しめるようにセッティングしている。もはや、かつての悪路で安定性を追究するための4WDシステムはどこにもなく、よりトルクとパワーを使い切るための絶対条件としてのパワー・トレーンなのだ。

また、クローズドを攻めると見えてくるのがコーナーやストレート以外のまったく目を向けないようなポイントでの身のこなし、いや調教といったほうが良いか?がベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツはピカイチだ。
クローズドに持ち込んでバトルすれば耐久レースでなければフェラーリ599もガヤルドもアウディR8もアストン・マーティンDB9もベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツの前に出ることは簡単ではない。先ほども書いたがドライヴァーの腕が互角なら前に出られる可能性があるとすればベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツのドライヴァーがミスをした時だけだ。
ただし、耐久レースだと重さが災いしてタイアが早く終わるので勝負にならない。低ミュー路の耐久レースなら話は別だが・・・。なので、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツの弱点はその重さである。


続く・・・






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Last updated  September 13, 2012 03:24:27 AM
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