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カテゴリ: Hiekka aikaa
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Photo by LitschiCo-Erfurt.de I Fotografie
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「“皆土”を盛って作ろうぞ生活環境」6 引き寄せの引き出しで青の洞門

ネット検索で「引き寄せの法則、スピリチュアル」と
「マルチ商法、ネットワークビジネス」を組み合わせて検索すると、
出るわ出るわ、俗塵と欲得まみれの世界がウジャウジャと!
まさしくパンドラの箱を開けたごとく展開されているではありませんか。

詳しく例を挙げると煩雑になりますので省きますが、

「引き寄せの法則」は“欲しいもの”よりも先に、
“似たようなもの”、“ふさわしい境遇” を運んでくると言ってよいでしょう。
いったい、どれほどたくさんの人たちが、
安易なやり方で成功しようとして、またたく間に燃え尽きたことか。
この際、「 手っ取り早く 」とか、
1日たったX分の簡単な作業で 」などという付け焼き刃的な発想はやめにして、
「内側から滲み出す」「三年寝太郎」
「青の洞門」(※)という心的態度で“巣”を作ってみるのはいかがでしょうか。


http://minwa.fujipan.co.jp/area/oita_007/


前回の 酒本雅之訳『エマソン論文集』(下巻)「運命」の続きを引用します。



  自然は、運勢を人間の品性に結実することによって、
 魔術師さながら、人間を運勢に合わせてしまう。
 家鴨〔あひる〕は水に、鷲は空に、渉禽類〔しょうきんるい〕は汀〔みぎわ〕に、
 猟師は森に、店員は帳場に、軍人は前線に、心を向ける。
 こうしてできごとは、人間と同じ幹に茂り出る、いわば亜人間だ。
 人生の喜びはその人生を生きる人間次第であり、仕事や地位には左右されない。
 人生は一種の恍惚だ。恋にどれほどの狂気がつきものか、
 __つまらない物象を天国の色調に描くどれほどの能力がつきものかということを、
 われわれは知っている。
 正気を失った人間が、自分の服装や食事、
 その他の便宜に対して無関心であるように、
 それにわれわれだとて夢のなかでは、
 このうえなく愚劣な行為を平然と行なうように、
 われわれが口にする人生の杯〔さかずき〕にもうひとしずく酒をそそげば、
 なじみのない仲間や仕事もなじめるものになる。
 たとえばなめくじが体内から分泌した粘液で、
 梨の葉のうえにぬるぬるした家を作り、
 りんごにつく毛の生えた油虫が分泌液で自分の寝床を、
 そして貝が自分の殻を作るように、
 生物はそれぞれに、自分の体内から自分の境遇や生活の場を産み出す。
 若いあいだわれわれは、わが身にさまざまな虹の衣装を着せ、
 横道帯に劣らず雄々しく進む。
 年をとると、いままでとは種類のちがう汗を、
 __痛風、熱病、リューマチ、移り気、疑惑、苛立ち、強欲を分泌する。
  ある人間の運勢は、当人の品性の結実だ。
 あるひとと交わる友人たちは、そのひとにそなわる磁力だ。
 「運命」の実例をわれわれはヘロドトスやブルタークに求めるが、
 しかしわれわれこそが実例なのだ。
 「ひとりびとりが自分の霊に耐えている」。
 人間は誰でも、自分の資質にそなわっているものを、
 ともすれば実行しようとする傾きがあり、
 このことは、いくら宿命から逃げようと努力しても、
 所詮はその宿命のなかに連れこまれることに役立つだけだという
 むかしながらの信念に表れている。
  わたしの気づいたところでは、
 人間は、自分が実際にあげた功績よりも、
 功績をあげる立場のほうを、究極的に、
 あるいは全体的に素質がすぐれていることの証〔あかし〕として、
 誉めてもらいたいものなのだ。
  人間は、初めて見かけるように思えながら、
 実は自分のなかからにじみ出て、自分につきしたがうさまざまなできごとに、
 自分の品性が射出されているのを見てとるものだ。
 できごとは品性に一致して広がっていく。
 かつては玩具にとりかこまれていたが、
 いまは巨大な秩序のなかで一定の役割を果たしており、
 自分の成長ぶりが、自分のいだく大志、つきあう仲間、
 行なう動作にはっきりと示される。
 人間は一片の運のように見えるが、実は一片の因果関係であり、
 彼の満たす隙間にうまくはまりこむように角をつけ、
 磨き上げられたモザイク〔寄せ木細工〕だ。
 だからこそ、どんな町にも、自分の頭脳や動作によって、
 その町の耕作、生産、工場、銀行、教会、暮らしぶり、
 社交を説明してくれる人間が誰かひとりはいるものだ。
 もしもそういう人物に出会う機会がなければ、
 何を見ても少しは理解に苦しむはめになるものだが、
 マサチューセッツに住むわれわれには、
 誰がニューベッドフォードを建設し、
 誰がリン、ロウェル、ロレンス、クリントン、
 フィッチバーグ、ホーリヨーク、ポートランド、
 そのほか多くの賑やかな商業中心地を建設したか分っている。
 こういう人びとは、もしも彼らが透明なら、
 それぞれに人間というよりもむしろ歩く都会のように見え、
 たといどこに住まわせても、おそらくまた都会を建設することだろう。
  歴史は二つのもの、
 __つまり「自然」と「思考」との、作用と反作用だ。
 いわば子どもが二人、舗道の縁石〔ふちいし〕にのって
 押しっくらをしているようなものだ。
 どんなものでも押す側にいるか、押される側にまわっているかのどちらかで、
 物質と精神は、たえず傾け合い、
 均衡を保ち合いつづけて、やむことがない。
 人間のほうが弱いあいだは、大地が人間をわが手に引きうけてくれる。
 人間は頭脳やさまざまな感情を植えつける。
 やがて人間のほうが大地をわが手に引きうけるようになり、
 自分で植えつけた庭園や葡萄畑に、
 自分の思考にそなわる美しい秩序と豊穣さを与えようとする。
 宇宙にある個体はどれもこれも、精神が近づくといつでも流動化するが、
 個体を流動化できるこの能力が精神の尺度だ。
 もしも壁が相変わらず堅固なままなら、壁は思考のいたらなさを咎めているのだ。
 ところが精妙な力に対しては、壁は流れと化して、
 さまざまな新しい形態となり、精神の性格を表すだろう。
 われわれがこうして座を占めているこの都会は、
 ある人間の意志に服従した雑多な材料の総体以外の何ものでもあるまい。
 花崗岩はしりごみしていたが、
 しかし人間の手のほうが強くて、とうとう応じることになったのだ。
 鉄は地中に深く埋まり、石としっかり結び合っていたが、
 しかし人間の使う火から隠れおおせることはできなかった。
 木材、石灰、原料、果物、ゴムは、
 大地のうえ、海のうえ一面に分散していたのに、
 それも役には立たなかった。
 そしていまではこうして、誰でもちょっと働けば、
 __望みどおりに手にはいるところにある。
 世界はすべて、物質が思考の電線を伝い、
 建設を志す思考の指示する極や地点へ流動していく姿にほかならない。
 人間のさまざまな種族が、自分たちを支配するひとつの想念に魅了され、
 この抽象的な純粋理念のために戦おうとすでに武装し激情に燃えたちつつ、
 さまざまな党派にわかれて地中から立ち現れてくる。
 その想念がどういうものかで、エジプト人とローマ人、
 オーストラリア人とアメリカ人の差ができる。
 ある時期に舞台に登場する人びとは、
 すべてがたがいにかかわり合っていることが分かる。
 いくつかの理念がいたるところにある。
 われわれは誰も敏感に感じとるが、
 それというのもわれわれが実はそれらの理念で作り上げられているからであり、
 誰もが敏感に感じとりはするのだが、
 しかしなかでもとくに敏感な人びとがいて、
 こういう人びとが理念をまず表現することになる。
 さまざまな発見や発明が不思議なほどおなじ時期に行なわれるのも、
 実はこういう理由からなのだ。
 真理はいたるところに存在していて、
 もっとも敏感な頭脳がそれをまず伝えるのだが、
 しかしほんの数分あとになれば、誰もが伝えることになる。
 だから女性は、もっとも鋭敏であるだけに、
 やがてどんな時代がくるかを示す最良の指標なのだ。
 だから偉人、つまり時代の精神にもっとも浸透される人物こそ、
 敏感な人間なのであり、
 __たとえば光に対するヨードのように、
 苛立ちやすく繊細な気質をそなえているのだ。
 このうえなく小さな魅力さえ感じるほどだ。
 こういう人物は、微妙な平衡を保つ針でなくては感じとれないほどに
 かすかな電流にも服従するから、
 それで彼の精神は、ほかの精神より正しいのだ。

 (上掲書 P.224 ~ 228 )


 (つづく)







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Last updated  2017年07月15日 20時31分07秒


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